第17話 肉担当の見学 1
次の日、俺は昨日の疲労を感じつつ、エリーナのところに向かっていた。
今日の見学先を聞くためだ。
まだ城内の構造は覚えていないが、自分の部屋からエリーナのいる部屋までの道は覚えた。
ヴェイルズが叩き起こすことも、初日以降はない。
「エリーナ、俺だよ」
「ああ、ショウね。入っていいわよ」
俺は大きな扉を開け、部屋の奥に座るエリーナのもとに行った。
「今日の見学は、ヴォルニクのところね。門の外で待っていると思うわ」
「わかった、ありがとう」
さっそく、ヴォルニクさんのいる門に向かった。
「はじめまして、ショウと申します。今日はよろしくお願いします」
「おうおう、堅苦しいのは無しだ!一緒に楽しくやろうぜ!」
ヴォルニクさんは、昨日の朝食のときに見かけた狼の人だ。種族はワーウルフらしい。
身体には冒険者のような装備をして、腰に剣を携えている。
「俺の仕事は魔王城の料理とかに使う肉の採集だ。お前には俺の部下に混ざってもらって、獲物を狩る手伝いをしてもらう」
ヴォル二クさんはワーウルフの群れのリーダーで、狩りをするときは集団で獲物を狙うらしい。
俺の周りには10人程のワーウルフがいる。
「それじゃあ、狩りに行くぞ!」
ガサッ
茂みの奥にウサギがいる。俺がよく倒していたやつだ。正しい名前はホーンラビットというらしい。
ワーウルフたちはホーンラビットの逃げ道を塞ぎ、確実に仕留められるようにしていた。
この程度の獲物なら、一人でも十分そうだが、ヴォル二クさんによると
「いいか、ショウ。そういう油断が危ないんだ。相手が格下だと思って調子に乗っていると、大きなミスに繋がることだってある。だから、細心の注意を払う必要があるんだ」
ということらしい。
このときのヴォル二クさんの顔は、とても真剣だった。
俺もこれから注意しよう。
その後も、ワーウルフの連携は見事だった。
俺が負けそうのなったイノシシ(正しくはレイジボア)も一瞬で倒していた。
やはり、狩りに慣れている者の動きは素晴らしい。見ていて感動する。
残念なことは、俺が蚊であるがために同じような動きができないことだ。
学びがないわけではないが、俺が活かせることは少ない。
狩りの途中、ガルフロッグという巨大なカエルを狩ったのだが、味がまずいらしいので持ち帰らないことになった。
俺は、血を吸っても構わないかヴォルニクに聞いた。
ヴォル二クは不思議そうな顔をしたが、血を吸う許可をくれた。
魔王城に来てからも魔物や動物の血をもらっていたが、新たなスキルを手に入れることはなかった。
やはり、すべての血を吸う必要があるのだろうか。
ワーウルフたちが不思議そうに見つめる中、俺はガルフロッグの血を吸った。
味がまずいと言っていたが、俺には美味しく感じた。これもスキル「吸血」の影響なのだろうか。
ガルフロッグの血を吸い終わると、久しぶりに頭の中に音声が流れた。
そして、俺はスキル「超消化」を手に入れた。
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