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第12話 働きたい

話が終わり、俺と魔王たちは応接室を出た。

今から俺の部屋に案内してくれるらしい。


「ところで、あなた名前は何ていうの?」

「大村翔と言います」

「オオムラショウ、変な名前ね」

「言いづらかったら、翔で大丈夫ですよ」

「ショウ・・・、これならいいわね!そう呼ぶことにするわ」


俺と魔王が楽しそうに会話する一方、後ろで男が表情を一切変えずに歩いている。

でも、明らかに尋常ではない殺気を放っている。

いつか殺されるのではないかと、ヒヤヒヤした。


「魔王様、一つ聞きたいことがあるのですが」


俺がそう尋ねると、魔王はムスッとした顔で俺を見た。


「魔王じゃなくて、エリーナって呼んで」

「分かりました、エリーナ様」

「様もいらない。あと、敬語もなしね」

「わ、分かりまし・・・、分かったよ、エリーナ」

「よしっ、合格!」


冷や汗が止まらない。

今にも後ろにいる男が俺の息の根を止めようとしている。

魔王・・・、エリーナは一体何を考えているのだろうか。


「そういえば、ヴェイルズはまだ自己紹介してないね」

「魔王様、私はこの者に自己紹介をする気は・・・」

「これから魔王城で一緒に暮らすのよ?名前くらい言いなさいよ」

「・・・、分かりました」


男は俺のほうを睨みながら、嫌な顔を一切隠そうとせずに言った。


「私の名前はヴェイルズ。魔王様の側近をしている。これからヨロシク」

「ああ、よろしく。俺のことは翔と呼んでくれ」


エリーナは、嫌がるヴェイルズと俺を無理やり握手させた。

これから先、ヴェイルズとうまくやっていけるか心配だ。


「それで?ショウが聞きたいことってなに?」


自分から聞いたのに、すっかり忘れていた。


「ええと、これからの話なんだけど、俺はここで何をしたらいいの?」

「う~ん、特にはないかな。ショウが働きたいっていうなら、何個か紹介するよ。明日以降、見学にでも行こうか?」


助けてもらっているのに、何もしないわけにはいかない。


「わかった、それでお願い」

「オッケー。見学できるか聞いてみるね」


明日から新たな生活が始まる。

どうなるかわからなくて不安だけど、ちょっとだけ楽しみだ。



案内された部屋は8畳ほどの広さで、きちんと掃除がされていた。

中にはベットと机が備えられている。先ほどの応接室に比べるとかなり質素だ。

エリーナによると、この部屋は昔使っていた客室の一つらしい。

詳しい話は明日にすることとなったので、今日はもう寝ることにした。

久しぶりのベットは寝心地が良く、横になるとすぐに寝てしまった。

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