第10話 新天地
どれくらい飛んでいただろうか。
数時間ほどして、俺は魔王城に着いた。
魔王城は断崖絶壁に建っており、崖の下には大きな川が流れている。
さすがは魔王城、圧巻だった。
入り口には大きな門があり、それ以外は壁が城の周りを囲んでいた。壁の高さは20メートルくらいあるだろうか。圧迫感が凄まじい。
「魔王様、儂はまだ巡回をしなければならないので、同行はここまでにさせていただきます。どうか、無茶をなさらないように」
老人はそう言って頭を下げると、俺を一瞬睨んでから去っていった。
「それじゃあ、行こうか」
大きな門がゆっくりと開き、俺は壁の内側へと入っていった。
城の中は複雑な構造をしており、一人では迷子になりそうだ。
他の二人は慣れた様子でどんどん進んでいく。
城の装飾や作りは中世のヨーロッパのものに似ている。明かりにはロウソクが使われていた。
ここに着いてから、俺はずっとスキル「探知」を使っているのだが、あまり人はいないようだ。
城というのだから、兵士が守っているものとばかり思っていた。
「あの、兵士とかはいないのですか?」
「ああ、この城には兵士はいない。何人か戦闘に秀でた者はいるが、ほとんどは侍女だ。城の管理をしてもらっている」
男が俺の質問に答えてくれた。
彼は身長が高く、スラッとしたモデル体型をしている。肌も白くて、イケメンだ。
中身がおじさんの俺でも見入ってしまいそうだ。
ただ、頭から二本の角が生えているので、人間ではないのだろう。
「そろそろ応接室に着く。詳しい話はそこで聞かせてもらう。まぁ、気楽にして構わない」
男はあまり俺のことを歓迎していないが、あの老人ほど敵意は感じない。
「ただし、少しでも変なことをしたら、そのときは・・・」
訂正だ。しっかりと敵意があった。
俺は背筋を凍らせながら、緊張した面持ちで応接室へと入った。
「おおっ!」
応接室の中はきらびやかで、高そうな壺や絵画が置かれていた。
俺は立派な三人掛けのソファに座らされ、背の低いテーブルを挟んで向かい側に魔王が座った。
男は二人分のお茶を注いでから、魔王の座るソファの後ろに立った。
「それじゃあ早速、あなたのことを聞かせてもらってもいいかな?」
「はい、分かることは全て話します」
魔王は、決して嘘はつかせないといいたげな目つきで俺の目を覗き込んでいた。
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