いまは必要なものを。
崩れた神殿みたいな場所に転送?された。周りを見渡すと森林地帯みたいだ。
立っている柱をみるとかなり高い、3.4mぐらいあるんじゃないか?
「ノワール?」
「なに?」
頭の中に声が響く、少しほっとした。ただ姿が見えない。
「そこ」
周りを見渡すと棺みたいなのが見えた。開けろということだろうか。
棺を開けると、ノワールが横たわっている。両手をおなかのあたりで握っている。まるで祈るように。
「それは抜け殻。私の半身、この世界で活動するためには必要な器。」
自分の事になるとよくしゃべるな、普通逆じゃないか?
「ん、これでこの世界でも活動できる。」
急に起き上がって目の前に現れたノワールを見る、黒髪、少し赤みがかった黒い目、
表情はいつものように眠そうである。身長は俺と同じくらいか?
「まずは服やらの装備と生きてく上で必要なものか。」
もう一度周りを見渡す。森林があるが、川などはあるのか?水と食料とそれと寝床もだな。
「ちょっと歩くか、そういえば食事が必要か?」
「ん、いらない。エレがほしい。」
そういうと抱き着いてきて頬ずりをしている。訳が分からない。必死に理性を保とうとする。
ただ一つ気になったことがある。かなり冷たい、まるで人じゃないように。
そんなことより限界が近い。
「もう、いいか?」
「ん、ありがと。」
エレが欲しいと言っていたが供給という認識でいいのだろうか。もしかすると、これ定期的に
やらなきゃいけないのか?俺はどうなってしまうんだ。
まあいいとりあえず目下の問題を解決しよう。
まず水が欲しいな、川みたいのがあればいいんだが。耳をすませてみる、ふと風呂場の出来事を思い出した。耳に集中する。神殿の奥のほうに水の音が聞こえるような気がした。
頭が痛くなることもなかった。よかったと思うが疑問も残る。それよりまずは水だ。
神殿の奥のほうに行くと、もともと庭だったのだろうが、それにしてもかなり歩いたような気がするが
壊れた噴水みたいなものがある。濁った水でもなく綺麗で飲めそうではある。ただ水をよく見るとエレのもやみたいなのが見える。これは・・・・
「この水はエレを含んでいるのか?」
「そう、色々使い道がある。入れといたほうがいい」
そういうと腰についているポーチを指さしてきた。
ポーチを水の中に入れる。すると吸い込まれていった、ポーチは水滴一つついていない。
なんとも不思議な光景である。入れたはいいが取り出すときはどうするんだ?
「念じれば出るよ。それ」
今見た水の頭の中で描く。するとポーチから出てきた、まるで蛇口をひねったみたいに。
水を止めるような想像をすると止まった。便利なもんだ。次元の理が何とかって言ってたな。
まあそのことはまた今度考えるとしよう。
水は手に入った、いやまて魔法的な力を用いれば水をだせたんじゃないか?
「魔法で出した水はあなたは飲めない。」
「どうゆうことだ?」
「説明するのは難しい。また今度」
こいつ絶対面倒なだけだろ、と思った。まあいいとりあえず食料か、何かの実とか狩りをするのがいいのか?この世界の文明レベルはどうかわからないが、人がいる町などに行ったとしても金がなければ買えないだろう。となるとしばらくはサバイバルになりそうだな。
まず川を見つけるか、魚がいれば魚を取ればいいし、人の街にいくのにも川を下れば街があったりするかもしれない。ただ今日はもう日が暮れてきてる。神殿の馬鹿でかい柱の下に立ち膝で座り込む。
目の前に焚火を作っておいた。火を眺めながらうとうとしてると脚の間にノワールが座り込む、
「寒い」
そういえって眠り始めた。ローブをノワールにかぶせながら俺も寝ようとする
「眠れそうにないな。」