景色
食事を終えた後、城の中を見学してみたいといってみたら許可が下りたので
城を回ることにした。教科書で見たような建物なのだが中は荘厳の一言に限る
ハーバーが案内として付いてきてくれていた。
「私も少しの期間ですがここに滞在していました、見習い期間中の若い時です。」
どうやら若い時ここで騎士の見習いをしていて、近隣との小競り合いのとき武功をあげて
そのあと王国十剣という騎士の最高峰として王都に引っこ抜かれたらしい。
ただ王国の生活に苦戦していたところをアドミラル家に拾われて現在にいたる。
「ここの見習いのときは色々ありました。近隣との小競り合いの最中、アドミラル家の今の
夫妻が訪問するということで警戒任務にあたっていたのですが賊がでたのですよ。
ちょうどお嬢様もおられまして誘拐されてしまって・・・」
「ちょっとハーバーその話はしない約束でしょ!」
後ろからリリィがやってきた。朝食後、会議があるとかでいなかったが終わったらしい。
「おや、お早いお帰りで、まあこの話はお嬢様がいないときにでも・・・」
「やめて!」
どうやら聞いてはいけないらしい。
「あそこの塔ははいれるのですか?」
「ええ、見張り塔ですな。今も現役なので入れますよ。いってみますか?」
「お願いします」
「私は庭のほうにいますのでノワール様もいっしょにどうです?」
「わかった」
ノワールはリリィにかなりなついているらしい。まかせとこう
廊下を少し通り城壁に続く中庭を抜けて塔の前に来る
「中にはいれるかね?」
「ハーバー殿、ええ、今開けますね。」
見張り兵らしき人が扉を開けてくれた。中は螺旋階段になっていて途中途中、踊り場があり
そこからも窓を除いて外が見える。一番上は城壁とつながっていて周り一体を見渡すことができた
「後ろは、ケイスタンの山脈。ケイスタンのほうが南ですな、北東はコルネ、
北はシーザリオン、北西が王都ですな。我々が次に行く王立学園は
シーザリオンの手前になります。」
山脈のほうは壮大でかなり高い3000m以上あるんじゃないか?
北のほうは平原の奥に森が見える、その向こうに大公領があり王立学園もそこにある。
大公領まで行くと海が見えるらしい。
この景色になんだか感動してえも言われない感じになり立ち尽くしていた。
向こうの世界ではみられない絶景というのだろうか籠り気味の自分にはなかった
新鮮な風景だ。下をみると木陰でリリィによりそってノワールが寝ているのが見えた。
「お嬢様は妹が欲しいといっておられたので喜んでるのでしょうな。」
「仲良くなってくれたらならありがたいです。俺もノワールの事よくわかってないので。」
「そうですかな、私には仲いいように見えますが。」
「それならありがたいんですけどね」
「ふふ、あなた方はまだ若い。これからいろいろなことを知ります、焦らずに
じっくりと過ごしてほしいものです。」
すこし遠いところを見ながらハーバーがそういった。ここでの思い出に浸っているのだろう。
年を召しているが渋い外見も相まって、なんだかかっこよくみえた。いい男というのは
こういう人の事を言うのだろう。
「そろそろ下に降りますか、まだまだ見るところは多いですぞ」
「そうですね、気になるところもまだあります。」
下にいる二人に手を振りながら塔を後にした。




