散策、食事
「カグラ様~夕方ですぞ~」
アークの声で目が覚めた、窓の外を見るとオレンジ色になっている。鐘の音が聞こえた、
そういいえば連絡が来るまで待機と言っていたが、明日以降になるみたいなことも
言っていた気がする。
いったん外出でもしてみるかと思い、受付まで行く。
「外出したいんだけど」
「かしこまりました。後数刻で夕食の受付なのですが、どういたしますか?」
「外でも食べれる場所ってありますか?」
「ございます、こちらが~」
色々と説明を受け外でたべるならおすすめの店を紹介してもらった。比較的近場なので外で
夕飯は済ませることにした。
宿を後にして大通りまで下る。通りはにぎやかだ、人も多い。
「カグラ様、我々は少し気になることがあるので、一度離れます。」
「気になること?」
「はい、すこしお時間をいただいても?」
「いいよ、いってらっしゃい」
スピリット達はそういってそばを離れた。ちょっと心配したが、彼らは大丈夫な気がする。
なんとなくだが。まあ今は夕飯を食べよう。
紹介された店に入る、扉を開けると鈴の音がした。ちょっと古臭いこぢんまりした店だが
中にいる人は雰囲気が外にいた人間たちとはまるで違う。上流階級なのだろうか、
身なりが全く違うのである。
「いらっしゃい、二人か?」
「そうです。」
「なら窓際にいきな。」
筋肉粒々の渋い店主らしき人にそういわれ窓際に行く。給仕がやってきた。
「メニューはこちらから、おすすめはおまかせ、今日はブラックブルのシチューです。」
「ではそれをください。」
「かしこまりました。飲み物はどうしますか?」
「オランジを絞ったやつ・・・・」
「わかりました。ではお待ちください。」
「ノワールの頼んだ飲み物ってなんだ?オレンジジュースか?」
「オランジって果物のジュース、たぶんカグラがいってるやつ」
なんか名前も近いしな、まあ元居た世界と一緒の飲み物があるのはありがたい。
この文明レベルだと水も貴重だろう、飲み物は慎重に頼もう。
ところでブラックブルって何だろう。
牛っぽい名前だけど、周りを見渡してみるとシチューを食べている老人がいる。
見ずらいけど角切りになった肉が入ってるようだ。多分牛だろう、そう思うことにした。
「お待たせしました。本日のおすすめです。」
現代でいうとビーフシチューみたいなみためをしている、かなりうまそうだ。
食べてみると思った通りで、肉も牛肉に近い。これはあれだ、あたりの店だ。
ジュースもうまいが、常温なのでちょっと試してみることにする。
コップの上で水球をだす、水が氷るイメージをする。すると氷になっていった。そのまま
コップに入れる、冷たくておいしい。
「私にも頂戴それ、」
「ああ、いいぞ」
「~!」
大変喜んでいる、なんかしっぽの幻想が見えるのは俺だけだろうか。
ノワールの喜んでいる姿を見ながら食事をしているといつのまにか完食していた。
「ごちそうさまでした。」
ノワールも真似をしている。手を合わせて目をつむっていた。
代金を払って店を出る、ここに滞在するのはどれくらいになるかわからないが、また来よう。
宿にかえるか、そう思い大通り沿いを歩く。食事する以外の店は大抵閉まっているが、
昼間に来れば買い物なんかできそうだな。お金を稼ぐ方法が確立したらノワールと
店を見て回りたいな。あとは書店とかあればこの世界の事を知りたい。まだなにも
しらないのだから。
大通り沿いを歩いて路地に入ると声がした。
「カグラ様ー大変だぜ!」
「近くでエレメンタルが大量発生しています!」
「ここ・・・危ない・・・」
そういって駆け寄ってきた。どうする、この感じあんまり時間がないのか?
「時間は・・・・ないよな、」
「そうですね、もう数十分すればこの街に到着すると思われます。」
「それは、俺でも対処できるのか?」
「カグラは経験したほうがいい、エレメンタルとの戦いかたを。
どうせこの先、いやでも向こうからちょっかい掛けてくる。」
ノワール様がそういっておられるので渋々とスピリット達が誘導する場所まで行くことにした。
スラード領、旧王国領国防の要 統一戦争時代 国を支えた国境の軍が駐在していた場所
スラード伯爵はその時、指揮を執っていた者の末裔。




