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第107話 中華料理は首都でも最高。

「ムーク様ァ! 昨日は……昨日はおもさげ……んん! おありがとうござりやんす~!」


「ハッハッハ、苦シュウナイ! ハッハッハ~!」


 申し訳なさそうなロロンの頭を撫でる! 撫で~る!


「はわわ……えへへ」


 ロロンは小さくニコニコした……か~わいっ!

かわいアルマジロ~!!


 宿に泊まった翌日。

一晩超ぐっすり寝たロロンは、すっかり元気百倍アルマジロと化していた。

起きるなりマントを洗濯し、身支度を整えてすっかりいつも通りだ。


「んへへえ、えへへ~!」


 割り込んできたアカを撫でつつ、言っておく。


「昨日モ言ッタケド、気ニシナイデネ。仲間ッテイウノハ助ケ合イダモン。イツモロロンニ助ケテモラッテルカラ、コレハ恩返シ、ネ~?」


 右手ではアカを撫でているので、左手でもう一度ロロンをナデナ~デ。

ふふふ、マルチタスク虫むっくんと呼んでくれたまえ。


『毎日呼んで差し上げましょうか?』


 冷静に考えると恥ずかしいかも……むう。


『女神トモ、何かいただけますか……?』


『これはメイヴェル様、もうよろしいのですか?』


 ママだ! ママ!!

トモさんルームに来れるくらい元気になったんだ!

こうしちゃおられん! ナデナデキャンセル!


「チョットゴメン! アカ、オイデ~!」「あい~!」


 アカを肩に乗せて部屋から出て、中庭へ!

そこにはベンチが並んでいて、くつろぎスぺースになっている。

昨日寝る前に確認しておいてよかった……あ、向こうのベンチでマーヤが爆睡してる!

完全に日向ぼっこする猫さん!


 ベンチに座って……っと。


 すう……ママ! 大丈夫?


『ええ……どうやら心配をさせてしまいましたね……ゾル……ゾル……』


 何らかの麺類を啜ってるけど、いつもより格段に元気がない!

そうだよね……寿命とかじゃなくてお爺さんたちが一気に52人も死んじゃったもんね……

話を聞いたボクでも悲しいのに、ママからしたらもっと辛いよね。


『優しい虫ですね……母は嬉しく思います……うう』


『――アカ! ママを励ましてあげて!』


『うにゅ? う~……まぁま! まぁま~!』


 一瞬首を傾げたアカは、元気な念話を放つ。


『まぁま、げんきない? なぁい? ちゅらい? ちゅらい~?』


『まあ、可愛らしい思念……ありがとうございます、小さき虫よ』


 ちょっと元気になった、かな?


『まぁま~! げんきだす、だーす! まぁま、かなしい! アカ、ちゅらい!』


『ううう……なんと、なんと優しく、いじらしい虫たちか……!!』


 そうだよママ! 悲しいけど、むっちゃ悲しいだろうけど……むしんちゅ全てのママが落ち込んでると、みんな落ち込んじゃうよ!

ママはむしんちゅ全ての! 最高で! 最強の! ママなんだから!!


『さいっきょ! まぁま、さいっきょ~!』


『うぐぐぐ……女神トモ! お代わりを!!』


『――へいおまち、です!』


 だあん、と何かが置かれるような音!


『ゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾゾッゾゾゾ!! ゾゾゾゾゾゾッゾゾゾッゾゾ!!!!』


 ずっごい啜ってる! めっちゃ元気に啜ってる!!


『んぐ、んぐ、んぐ、んぐ……! ぷはぁ!!』


 たぶんでっかい丼を置いたような音!


『そうです、私は虫たちすべての母……! このような体たらくでは! 雄々しく散ったあの虫たちも情けなやと嘆くでしょう!! それは! いけません!! 私はあの虫たちに誇られるような母であらねば、ならぬのですから!!!』


 ウオーッ! ママの語気が強い!! やったぁ!!


『こうしてはいられません! 神殿に戻ります! 虫たちよ! 母は頑張りますよ! とてもとても頑張ります!!』


『まぁま! げんき、げんきぃ! がんばえ! がんば~え~!!』


『――はぁああああああああああいッ!!!!』


 どがん、べきばき、ごきん! って……何この音!?


『流石はむっくんとアカちゃんです、メイヴェル様は神気をみなぎらせながら……壁を貫通して出ていかれました』


 トモさんのお部屋が!!


『まあ、その前段階の神気発露の余波でとっくのとうに我がルームは壊滅状態ですが』


 トモさんのお部屋が!!!!


『しかし、仕方ありません。メイヴェル様にはいつも元気でいてもらわねばなんか怖……んんっ! 張り合いがありませんのでね! あ、誠にもって申し訳ありませんお隣様、冷蔵庫とキッチンは無事ですので朝食でもいかがですか?』


 我が女神はマイペースである……


『おごごごご……トモちんにご飯貰いに来たらメイヴェル様に超轢かれたし……おーいてて……』


『ムロシャフト様、朝食は――開放感があるここで焼肉大会を開催します!』


『それマー?!?!?!?!?』


 こっちの世界も大変で楽しいけど、神界も楽しそうだと思うボクなのでした。


『それはそれとしてMVPのアカにはこのビックリするくらい大きいクッキーを進呈しましょ! おめでと、おめでと~!』


「わはーい! えむぶいぺー! はもも! はももも~!」



・・☆・・



 ロロンも元気になったし、トモさんのお部屋は大変だけどママも元気になったし……

そうなると、今日の予定は決まったも同然!


 何をするかって? 決まってます!

ピーちゃんの行きたがっていた『ミライ飯店・本店』に突撃なんじゃよ! 旅の大目標の一つですわよ!!


 そんなわけで朝ご飯の後宿を皆で出発して――店の住所まで進む謎虫一行!

そして――



「「「お待ち申し上げておりました! ピーちゃん様! そしてムーク様御一行!」」」



 むっちゃ、店員さんおる。

『ミライ飯店・本店』と書かれた看板がある、立派な店構え。

どことなーく、概念で知っている街中華に見えるそこ。

店の前の……全長がボクの四倍を超えそうな、銅製っぽい巨大なピーちゃん像。

その横に、店員さんがズラアアアアアアッて並んでいる。


 順番待ちで並んでいるお客さん達もみんな見守る中、ボクは軽く振動している。

なんでかって? 左肩のピーちゃんがすんごいデュルンデュルンしているから!!


『懐かしいわ! 懐かしいわ~! お店だわ! ゴーサクちゃんのお店だわ~! 少し変わってるけど! ほとんどあの時のままだわ~!!』


「あははぁ! たのし、たのし~!」


 右肩のアカまで、とっても楽しそうに謎ダンスしている。

そのおかげでさらにボクの振動は加速している! もういいや! ピーちゃんが嬉しそうだし!

嬉しそうすぎて巨大ピーちゃん像にも恥ずかしがってないし!


「ああ、本当にルフト姉さんやヨーサクの言っていた通りですね!」


 店員さんの中から進み出てきたのは……コックさんの格好をした、四本腕のむしんちゅさん!

あー! ジェストマにいたヨーサクさんにそっくり! いやむしろ……


『まーっ!? ゴーサクちゃん! ゴーサクちゃんにそっくり! そっくりだわ~!!』


 ピーちゃんが言うように、こちらの方が直系になるのかしら?


「はい、私は五代目ゴーサクを名乗らせていただいております! 本当に……本当にようこそ! ああ、いえ……」


 五代目さんは、ゴホンと咳払い。

そして、背筋をピシッと伸ばしてから……



「『いらっしゃい、小鳥さん』」



 そう言って、深々と頭を下げた。

一瞬、五代目さんじゃない誰かが喋ったように聞こえた。


「……チュチュピヨ!」


 ピーちゃんは、インコ語で鳴いて……ほろほろと涙をこぼしたのだった。

こ、こっちまでもらい泣きしそう! 涙腺ないけど!!


『ぴえん……はぎゅん……ぱぉおん……』


 シャフさんがめっちゃ泣いてる!



・・☆・・



「はぐむぐ……うま、美味すぎる! なんだこのギョーザというものは!」


「ぷにむに、おいし、おいし! ぜんぶおいし! おいし~!」


『一緒だわ! 全部全部ゴーサクちゃんと一緒の味よ! 一緒の味だわ~!!』


「このスープの美味さどいったら……なんとはあ!」


「ちょっとあっついけど、ラーメン、おいし……つるつる」


「美味い上に酒に合い、しかもその酒まで美味いとは……最高ナ! なんて店なのナ!!」


「本当に美味しいです、ここには何度来ても新しい発見がありますね」


「ンマイ! ンマイ! ンマスギ! ンマママーッ!!」


 盛大なお出迎えの後、ボクらは当然のように特別室? 貴賓室? に通された。

そして……注文をする間もなく、でっかい丸テーブルには様々な中華料理が続々と運ばれてきたんだ。

ボクは木像に元気よくお祈りして……食事を開始した。


「天国ジャナカロウカ、ココ……モモモモ」


 何食べても超美味しいんだもの……おかげでボクの胃袋と左足太腿は大変ですよ。


『太腿パイルオンしながらご飯食べてますもんね、むっくん』


 そうしないと油断したら意識が飛びそうになるんじゃよ!

二足歩行虫になってから美味しいものもいっぱい食べたけど……それでも美味しすぎる!

これ絶対ピーちゃんが来るからって気合入れまくって作ってるでしょ! ありがとうございます!


『感動の後は飯テロ……むっくんは飽きねーし、ズシュルルル……はー、タンメンうんま』


 あ、シャフさん。

ヴェルママはもう大丈夫?


『あー、なんか超元気になって溜まってた仕事一瞬で終わらせたし。今は神殿でウドンこねてるよ』


 それは本当になんで???


『迷惑かけたお詫びに部下に振舞うんだって~? あーしも後で貰いに行くし、なんたって湖に沈められてたしね、あーし』


 そういえばそうでした……大丈夫?


『ウチら女神よ? 窒息死なんかするわけねーじゃん? んまあ超寒くて腹減って死にそうだったけど、気分的に』


 そ、そうですか……美味しいものいっぱい食べてね?


『言われんでも~! はぐはぐ……ハラミうんっま』


 そういえば焼肉もやってたんだ……


『先程神殿から連絡がありまして、明日には綺麗に直してくれるとのことです。なので開き直って明日まで焼肉大会並びに中華祭を開催することにしました! ほっ! 中華鍋にも大分慣れてきましたね……これでいついかなる時でもパラパラチャーハンを作れますよ!』


 よ、よかった……皆元気そうで。


「おやびん、これおいし、おいし~!」


「メメメモ」


 アカ! 急に骨付き唐揚げを捻じ込むのはビックリするからやめて美味しいすぎ!!


「ンママ……」


 今は中華を堪能しよう、そうしよう……あっ意識飛びそう!

太腿グサー!!

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― 新着の感想 ―
トモさんの部屋「何度でも…何度でも蘇るさ!」 DXぴーちゃん像はぴーちゃんと同じ色に塗らないとな! あと上に妖精ぴーちゃんが乗った状態で写真撮りたい!
とうとうピーちゃんの目的地に到着ですね(・∀・*) 銅像しか見たことない人が実物見て面白くなるのもなるほどですw …この先も一緒に来てくれるのかなー?
アァァ!更新ありがとうございます!!!なんてこっタイ!ピーちゃんえがったぁなぁ!『いらっしゃい、小鳥さん』泣くわ!泣けるわ!鳴きますわよそら!?おかえりなさい。ピーちゃん。バンザーイ祝。 ヴェルママン…
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