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蒼と紅  作者: 久村悠輝
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好き、以外の職業で

パール&アメジストのジョブ紹介回です。

「魔技師とスナイパー??」


 聞き慣れない単語にサファイアは首を捻る。ルビーも眉を寄せている。


「職業の名前だけじゃ解らないよわね。魔技師ってのは、モンスターの技を使う職業よ。例えばそうね………シェル!」


 パールは手のひらをサファイアへ向けて魔法を唱える。するとサファイアの体が淡い光に包まれた。


「おおー、これって防御力が上がる魔法なんだね?」

「ええ、初級だから大して上がらないけれど」

「ほほう? どれどれ…」


 ニヤリと笑ってルビーは思いっきりサファイアの脛を蹴り上げる。


「いったーーい!」

「確かに上がってるねぇ。さっきは悶えてたのに今は痛がってるだけだ」


 脛を抱えて片足でぴょんぴょんと跳び跳ねるサファイア。実際に試すとかルビーってば鬼だよ。


「あははは…、そうやって確認しちゃうんだ? それじゃサファイアさんにはこっちも…癒しの鱗粉!」


 パールが魔法を唱え腕を右から左へ振ると緑色の小さな光が無数に現れサファイアへ振り掛かる。


「あれれ? すごい、痛くなくなったよ! これが魔技師の魔法なんだね??」

「元々はモンスターが使ってた魔法やスキルよ。それを習得したの」

「へぇ、どうやって覚えるんだい?」


 ルビーも興味津々に前のめりで質問する。


「基本は相手が使ったのを見て覚えるわ。中には実際に受けないとダメなのもあるけどね」

「それって命に別状は…」

「当然運が悪かったらとても痛い思いをしてオーディンさんに会う事になるわ。それでも覚えられない事が多いから大変ね」

「ドMじゃないとやってられないな…」


 ルビーは若干引き気味になった。


「ある程度強いモンスターから確実に覚えられるのは、そのモンスターを食べる事かしら」

「「え゛」」


 ルビーどころかサファイアまでドン引きしてるよ。美人のエルフ族から聞きたく無かったよね。


「別に原形を留めた状態じゃ無くて良いのよ。調理したお肉とか根っ子、葉っぱでも良いわ。だた確実に覚えられるけど、ランクはガタ落ちしちゃうけどね」

「なるほど、一長一短って所か」

「それにある程度習得した魔法やスキルが揃って無いと役に立たないし、人気の無いジョブなの」

「私パス、臭い息を吐いたりとか目からビームを出したく無い」

「おいサファイア、実際にそんなスキル…」

「あるわよ? 超強力だから魔技師必須のスキルなの」

「「うへぇ…」」


 まさかのCO(カミングアウト)にげんなりするサファイアとルビー。美人で清楚なエルフ族のイメージが…。


「と、ところでアメジストのスナイパーってのはどんなジョブなんだ?」


 いたたまれない空気を変えようとあからさまに話題を方向転換する。


「ミーの獲物はコイツですヨ」


 腰に着けたポーチ型のアイテムボックスから1挺の銃を取り出した。


「わ、わゎ! ルビーちゃん、すごいよ、銃だよ、鉄砲だよ!!」

「ああ、私もさすがに驚いた。…それにしてもずいぶん古いタイプだね。ひょっとしてスナイドル銃?」

「ビンゴですヨ、連射は出来ませんがミーの腕なら十分ですヨ」

「撃ってるところ見たい見たい!」


 現実では発砲するシチュエーションなんてそうそうお目にかかる事なんて無いのでルビーもサファイアを止めずに様子を伺う。


「ヨろしい、ミーのガンの威力を魅せてやるですヨ」


 そう言ってアメジストは街道から外れて獲物を探す。程なくして1匹の角ウサギを見つけた。


「晩ごはんついでにあれを狩るですヨ」

「わくわく…」


 サファイアは目を輝かせながら、ルビーは固唾を飲んで見守る。


「いきますヨ…」


 二人の緊張は最大に達する。狙いを角ウサギに定めたアメジストはトリガーを引く!


「ウインカー出さずに車線変更した罪にヨり銃殺刑!!」

初の2話アップです。


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