好き、以外の言葉で
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2024.04.02
パールの口調を変更しました。
「貴女達、大丈夫?」
Uターンしてきたキウイの様な鳥からひらりと降りたのは背の高いエルフ族の女性だ。
長身痩躯だが出る所は出ている。サラサラのブロンドヘアに磁器の様な白く透き通った肌、尖り長い耳はエルフ族の特徴だ。腰まで届く髪を1つに束ねている。綺麗だね。
「急に飛び出して来る方が悪いのですヨ、そのまま死ねば良かったのに」
「「え……?」」
突如投げ掛けられた辛辣な言葉にサファイアとルビーは言葉を失う。
「ごめんなさい、このコ、口が悪くて…気にしないでね」
「ミーは何も悪くないですヨ」
「何か独特な…ひと?」
「人…と言うより人形だよね」
口の悪い方…もとい、エルフ族の相方は明らかに人間のそれとは違い、口は胡桃割り人形の様にカクカク動き革鎧から露出している肘や膝は多重関節が剥き出しになっている。
「凄いよルビーちゃん、ロボットだよロボット!」
目を輝かせてルビーへ語りかけるサファイア。
「ミーはロボットじゃないですヨ、アンドロイドですヨ」
「同じだバカモノ!」
ルビーがハリセンで自称アンドロイドを叩く。スパァン! って良い音したよね。でもどこから取り出したんだろ。
「はっ!? これはいったい…」
突如手にしたハリセンに驚いていると、それは現れた時と同じ様に宙へ消えた。
「痛いですヨ。人権侵害だ、訴えてやるですヨ」
「ゴメンね、アメちゃんが変な事ばかり言って」
エルフ族の女性がペコペコと頭を下げる。
「アメちゃん?」
「ちゃうちゃう、アメちゃんや、ですヨ」
アメちゃんやったら大阪のオバハンになるよな。人名だから、アメちゃんが正解だ。サファイアのボケにきっちりツッコミを入れる辺り良い人なのかも。
「アメちゃんはね、アメジストって名前なの。オートマタ族なんて珍しいと思うわ」
「自動人形? ますますロボットじゃないか」
「ミーはロボットじゃないですヨ、アンドロイドですヨ」
「同じだバカモノ!」
再びルビーのハリセンが炸裂する。
「そんな事より私もこのでっかいキウイ乗りたい!」
「この鳥はキウイじゃなくてキューニィって名前よ。複座仕様じゃ無いですし乗る為には免許が必要なの」
「な、なんだってー!」
「そんなに驚く事じゃないでしょ」
瞠目して驚愕するサファイアにルビーは冷静にツッコミを入れる。
「そもそもサファイアじゃ鞍に跨がれないでしょ」
「ひどっ、ルビーちゃん種族差別だよ! 身体的特徴を弄るのは人としてどうかな?」
珍しくサファイアが真面目に反論する。確かにリリパット族では跨がってもコロリと横へ転げ落ちそうだ。
「リリパット族やドワーフ族は鞍に立って乗るの、その姿が可愛くて特定の層に人気だわ」
「ケッ、□リコンどもがハァハァしてやがるだけですヨ」
身も蓋もないアメジストの物言いにー
「ア・メ・ちゃ・ん、それくらいにしましょうね?」
ゴゴゴゴゴと効果音を背負いながら笑顔でアメジストに凄む。でも目は笑ってないよ。美人は怒らせると恐いね。
「アッ、パールさん、落ち着きましょ、ね?」
アメジストは両手を挙げ降参の意思を表す。それを見てパールは圧力を収める。サファイアもルビーもこのエルフ族の女性は怒らせないようにしようと心に刻んだ。
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