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蒼と紅  作者: 久村悠輝
19/94

明日は何になる

 さて、パールとアメジストも合流したので全員のステータスを確認しましょうか。


【サファイア】

所属:ヒルマウンテン

種族:リリパット

ジョブ:ノービス

Lv:11

STR:21

VIT:21

AGI:31

DEX:28

INT:37

MND:31

LUK:26


【スキル】

 なし



【ルビー】

所属:ヒルマウンテン

種族:ケットシー

ジョブ:ノービス

Lv:11

STR:26

VIT:28

AGI:37

DEX:31

INT:21

MND:31

LUK:28


【スキル】

 ツッコミ



【パール】

所属:ヒルマウンテン

種族:エルフ

ジョブ:メディック

Lv:10

STR:27

VIT:32

AGI:22

DEX:18

INT:33

MND:36

LUK:24


【スキル】

 ヒール



【アメジスト】

所属:ヒルマウンテン

種族:オートマタ

ジョブ:スカウター

Lv:10

STR:24

VIT:24

AGI:33

DEX:29

INT:24

MND:24

LUK:29


【スキル】

 忍び足



 レベルが上がったサファイアとルビーはパール達が持ってきた装備へ着替える。もちろんサブリガは脚まで覆う革製のスパッツに変わる。


「私、パールちゃんと同じのがいい!」

「サファイアはアタシと同じで前衛なんだからヒラヒラのローブじゃすぐにヤられてしまうだろ」

「こんな革鎧なんて可愛くないよ~」

「今は見た目を気にしてる立場じゃ無いんだから我慢しろ。サファイアのHP(生命力)が一番低いんだから守備力はしっかり上げないとダメだだかんな?」

「……下級職になったら絶対可愛い服が着れるジョブになってやる」


 怨み言をこぼすが一応納得したようでレベルに合わせた革鎧を装備した。

 安全な街道から外れ好戦的(アクティブ)なモンスターが徘徊するエリアへやって来た一行。3方を岩に囲まれている窪地を狩りのキャンプにする。


「この辺りはリンクするモンスターが多く居るわ。斥候(スカウター)のアメちゃんが釣りをするから…」

「やぁぁん、可愛いぃぃぃーー♡」


 説明の途中でサファイアは何かを見付け駆け出した。その先には羽の生えた30cm程の小人、妖精(スプライト)達が居た。ふわふわと漂っていたが近付いて来るサファイアに気付くと――


―スプライトはファイアを唱えた―

―スプライトはファイアを唱えた―

―スプライトはファイアを唱えた―


 プスプスと煙を立ち昇らせながら真っ黒焦げ(ウェルダン)になったサファイアの完成だ。


「むやみに近付いたり不用意に釣るとこうなるですヨ」


 暫くしスプライト達が離れたのを確認してサファイアは起き上がる。またオーディンと何か言い合ってきた様でまだ何かぶつぶつ言っている。戦闘不能からノーリスクで復活出来る訳では無く、5分間の衰弱を強いられる。


 強いられているんだ!


「この辺で注意するのはさっきのスプライトにサーベルタイガー、あとはジャイアントビーね」

「それとあそこの鉛筆みたいな岩には近付くなですヨ。マンドレイクってモンスターが住み着いていて今のレベルじゃ勝てっこ無いですヨ」


 サファイアの衰弱している間をレクチャーの時間に充てる。


「スプライトの魔法はどうするんだい?」

「魔法の射程外まで逃げれば発動しないから詠唱中に距離を取るか、殴って詠唱を中断させれば良いわ」


 なるほど、魔法も必ず発動する訳では無いらしい。


「それとアメちゃんは理解してると思うけれど、釣りの時はキャンプ地を通り過ぎて欲しいの。そうすれば釣った人を追い掛けて来てキャンプ地に入ってくれるから、飛んで火に入るナンとやら、よ」

「それよりさっきまで角ウサギを狩ってたですヨね? 肉がドロップしたハズですガいくらくらいあるですカ?」

「えっとね、2ダースと4つだよ。これがどうかしたの?」

「1ダースほど使わせて貰うですヨ」


 アメジストはサファイアから角ウサギの肉1ダースを受け取り――


 合成:調理


 その場で焼き始めた。やがて『上手に焼けました~』の声と共に美味しそうな角ウサギの野焼きが出来上がった。


「+2%でも無いよりかはマシですヨ」


 そう言ってルビーと、ちょうど衰弱から回復したサファイアへ渡す。角ウサギの野焼きを食べて狩りの始まりである。

 まずアメジストが小石を投擲してモンスターの気を牽く。そのモンスターをキャンプ地へ誘き寄せてからサファイアとルビーが加わり袋叩きにする。受けたダメージはパールのヒールで癒し、MP(マジックパワー)が尽きたらマナドリンクで回復させる。そして再びアメジストがモンスターを釣ってくる。アタッカーが増えたのと食事効果『STR +2%』により殲滅速度が上がった。

 程なくして全員がレベル20を越えたので街へ戻る事にした。スプライトに惹き寄せられてサファイアが計8回丸焦げになったのをここに記しておく。

 ヒルマウンテンまでの道中、サファイアとルビーはキューニィの免許を取るか下級職の取得クエストをするかで意見が別れていた。


「下級職のクエストはすぐに終わるけれど、キューニィの免許取得は時間がかかるから同時進行で良いと思うわ」


 と、パールの鶴の一声で今後の方針が決定した。街へ戻ると露店の殆んどが店じまいをしていたが、装備一式を揃えた露店はまだ畳んでいなかったのでローヤルゼリーを2瓶買い取って貰った。気前良く一般的な価格に色を付けてくれたのでそのままキューニィの免許取得に必要なアイテムも購入する。何だか初心者に至れり尽くせりのお店だね。

 店を畳み別れ際にジュピターと名乗って店主は帰りのキャラバンへ吸い込まれて行った。

 その後、冒険者ギルドへ寄り倒したモンスターの素材を買い取って貰う。角ウサギからは角と毛皮、あとは肉。ジャイアントビーからは虫の翅と毒針。サーベルタイガーからは犬歯と毛皮がドロップした。受付のコボルト族のお姉さんからサーベルタイガーの犬歯は“3本セットで買い取ってくれるNPC”が居る事を教えて貰った。ギルドへ卸すよりもヒルマウンテンでの名声が上がるのでそちらがお薦めとの事。

 パールのSTRが一番高いのは種族補正に因るものです。決して臼や殴り白ではありません。


 今回も読んで下さってありがとうございます。コメントや評価を貰えるとモチベーションが向上する…かもしれないので気が向いたらお願いします。

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