事実混合
「零二さん、あの後色々しらべたんですけど
やっぱり残砡さんのいい噂は聞きませんね。
これはどうやら、本当の事らしいんですが残砡さんには
昔、奥さんと子供もいたみたいです」
「はぁ?! あんな奴にか?! 有り得ねぇだろ!!!」
「いえ、これは本当みたいですよ!
ただ、、、娘がまだ7歳くらいの頃・・・・・・自身のスキル『呪』で・・・・・・殺してしまったそうです、、、奥様も。」
「ッ?!!! 家族までも殺しただと?!
くっ、、、だから早く俺に殺らせろって言ったのにッ」
「ですが、彼の残した偉業もまた事実です。
彼が居なければ、この国の人口は半分以下になっていた
とも言われています」
「だが、偉業を残したからってなんでもやっていいとは
限らねぇだろッ!?
直接残砡を捕まえて話してくる!」
「あっ! 私も行きます!!!」
二人は残砡がいるであろう研究所目指して歩を進めた。
直接会ってぶん殴るために。
いや、必要とあらば殺してしまうかもしれない・・・・・・
やはり殺した方がいい。
零二は目の前の光景を見てそう確信した。
「あれ、、、残砡さんと副長の珠里さんですよね。
それに二人の幼い子供達まで・・・・・・」
「研究所に入った子供たちは何年も外に出てこないって
聞いた。 恐らくもう・・・・・・。
やっぱり許せねぇ。 行くぞ美沙ッ!!!」
「はいッ!!!」
零二と美沙は残砡達目掛けて走り出す。
今度は珠里に気付かれる前に接近する事ができた。
「残砡テメェッ!!!!!」
零二が残砡の顔面目掛けて拳を振り抜く。
突然の事に残砡も避ける事が出来なかったようで
零二の拳をモロに受けて壁へと吹き飛んだ。
そこで珠里が残砡の名前を叫び、寄ろうとするもその前に
美沙が立ち塞がる。
「珠里さん! 貴女の相手は私です!!!」
「くっ!!!」
「さぁ! 今のうちにあなた達は逃げて!」
美沙が子供達にそう催促するも、恐怖の為か動けずにいた。
困っている隙に、珠里は美沙目掛けて近接戦を繰り出す。
当然、美沙も近接の心得はある為反撃をする。
美沙が珠里を抑えている間に零二は残砡へと歩を進め
目の前に立つ。
「おい残砡・・・・・・お前が国を救ったのは確かにすげー。
だけどよ、これは違ェだろうがッ!!!
自分の家族じゃ飽き足りず、他人の子供達まで
実験道具か?!!!」
その瞬間、残砡は零二を睨みつけるも、零二も負けじと
残砡を殺しそうな目つきで睨んでいた。
その時だった。
「勝手な事を言うなァッ!!!」
珠里がスキルである、転移を使って突如零二の後方より飛び出し零二の後頭部目掛けて蹴りを繰り出す。
だが、零二も瞬時に腕でガードし、反撃とばかりに光速で
肋に蹴りを入れた。
流石にナンバー2に適うはずもなく、吹き飛ぶ珠里。
零二は冷たい視線だけ向け一言告げる。
「お前はそこで黙ってろ。
用があるのはコイツだ」
そう言って再び残砡を睨み付ける。
が、、、
「お前こそ黙れッ!!!」
零二の蹴りをくらい、立てるはずのない身体だというのに
気力で立ち上がる珠里。
恐らく肋は折れているはず。
零二は振り返り珠里を見つめた。
「お、お前だけじゃない・・・・・・皆そうだ、、、
残砡様の事を何も分かっていない。
家族を殺しただと? 子供達に実験だと?
残砡様は誰よりも優しいんだ。
ふざけるなッ!!!」
涙ぐみながらもそう叫ぶ珠里。
珠里の言葉に零二と美沙の思考が停止する。
一体どういう事なんだと。
しかし、ゆっくりする時間もない。
この騒動で野次馬が数人覗きにきたのだ。
流石に街人に見られるわけにもいかない為、一瞬の隙がうまれた。
するとすぐ様残砡が珠里に向けて名前を叫ぶ。
珠里も意図を汲み取ったようで、子供達の手を引き残砡に近付くとそのまま転移してしまったのだ。
一瞬の隙を付かれて取り逃してしまった。
「くそっ!!!」
行き場のない怒りを地面に向け殴る零二。
「噂が間違っているのでしょうか・・・・・・。
でも、残砡さんが子供を殺したのも奥様を殺したのも
目撃した人だっているみたいです」
美沙も困惑していた。
何が本当で何が嘘なのか。
珠里はただ単に庇っているだけなのではないかと。
「もう一回朔夜さんに聞いてくる。
アイツの過去に何があったのか」
美沙は頷き、零二はその場を後にした。
研究所に転移した残砡達。
珠里は蹴られた場所が痛むようで苦悶の表情を浮かべていた。
「大丈夫ですか珠里。
今薬を持ってきますね」
「いえ、このくらい大丈夫です。
ですが、すみません。
出すぎたことをしてしまいました」
「いえ。 貴女が私の為に怒ってくれたのは
嬉しかったです。
それに、零二さんの言葉も間違ってはいません。
妻と娘を殺したのは確かに私なのですから」
「ッ?! あ、あれは違います!!!
残砡様は、、、残砡様は、、、」
「とにかく、この事は他言無用です。
貴女は少し休んでいてください。
私にはやるべき事があるので」
そういうと、子供を連れて奥の方へと行ってしまった。
そんな後ろ姿を悔しそうに見つめる珠里。
「私だけはずっと信じております・・・・・・ずっと、、、ずっと」
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