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運命の相手

零二の目の前に突如現れた美女。



「すみませんでした!!!」



店じまいと言われ、零二に怒鳴られ、叱られた子猫のように丸くなる女性。



おどおどしている女性。

放心状態の零二。


少しの間が開き、そこでようやく、零二は我へと帰る。



「・・・・・・はっ!? こ、こちらこそごめんね!!!

あ、あの、もし、よければ、この野菜持って帰って!

お金はいらないからさ!」



そう言って先程おばちゃんから貰った野菜を女性へと渡す。


あげたおばちゃんも零二の行動を微笑ましく見守っている。



「そ、そんな貰えないですよ! せめてお金を払わせてくださ

い!」



店員(レイジ)のいきなりの手の平返しの対応に、慌てふためく女性。


とはいえ、零二もここで引き下がりはしない。

失礼な事をしたのはもちろん、一目惚れした相手にこのまま

嫌な気分で帰って欲しくないのだ。



「それなら、さっきの謝罪の品って事で!

それにまた買いに来てくれるでしょ?

綺麗な子にはサービスしたくなるんだよ!」



そう言って半ば無理矢理女性の手に渡した。


相手も申し訳ないからか、返そうとしたが途中で折れて

受け取る。



「あ、あの! 私の名前は雪乃(ユキノ)と申します!

こ、これからは、私が買いに来るので次からはお金を払わせて ください!」



受け取ってもらい零二は万遍の笑みで返す。



「俺の名前は零二! ほとんど毎日居るからいつでも来てね!」



更に押す零二。

これが最後の出会いなんて絶対に嫌だ。


零二は自分が毎日いる事のアピールをして、次へと繋げる。



「はいっ! 私も家族もここの食材が大好きなんです!

では、また明日来ますね!」



「うん! 気をつけて帰ってね!」



『また明日来ますね』

その言葉で零二の脳内はお花畑である。



雪乃は一礼すると、来た道を引き返した。

そんな雪乃の後ろ姿を見えなくなるまで見つめる零二。



「一目惚れってやつかい?」



おばちゃんが後ろからニヤニヤしながら、そう話しかける。


おばちゃんが話し掛けても尚、零二は雪乃の通った道を見つめていた。



(ここまで惚れたのは初めてかもしれないねぇ)



今までも零二が女性に好意を持ったことは何度もある。

だが、ここまで重症化したのは初めてだ。



そう思っていると、零二が急に口を開く。



「おばちゃん・・・・・・これが、本当の恋ってやつなのかもしれな

い。 俺は恋に落ちたんだ、、、」



病気である。

おばちゃんは呆れ気味で流すと、そのまま後片付けに戻った。



帰ってからも零二は頭の中から雪乃が消えることは無く、ずっと考えていた。

そう、次の朝日が見えるまで。





「れ、零二! なんだいその目は?!」



翌日クマだらけの目をした零二がやってきた。

だが、元気はいいようでスキップしながらやってきたのだ。



「おばちゃんおはよう!!! さぁ仕事しようおばちゃん!

今日も素晴らしい朝がやってきたぞ! 仕事日和だぜ!

あっ、雪乃ちゃんの分は確保しておかないとな!

売り切れたら悲しんじゃう!」



そう話しながらも、次々に品出しを終える。


今までにないほどのやる気ぶりに、またしてもおばちゃんは呆れるが零二のおかげで、自分の負担が減るから何も言わないずにしめしめと思うのであった。



そんなこんなで夕方になると、再び雪乃が現れた。



「こんばんは零二さん、おばさん」



一礼して二人に挨拶すると、奥からもの凄い勢いで零二は雪乃の前へと飛んでいく。


そう、まさに光の速さで。



「いらっしゃい雪乃ちゃん!!!

雪乃ちゃんの分はキープしておいたからね!」



そう言って雪乃ちゃん専用と書かれたテーブルへと案内される。



ちょうど買いたかった分がそこには揃っており、雪乃も感激していた。



「ありがとうございます!!! 昨日と同じものを揃えてくださっ たのですね! 今日も我が家の食卓が楽しみです!」



万遍の笑みでそう答える雪乃。


そんな雪乃の笑顔で零二はまたしても、心を射抜かれた。

確かに、おばちゃんでさえ眩しく感じる笑顔がそこにはあったのだ。



(可愛い可愛い可愛い天使だ可愛い可愛い可愛い天使だ)



頭の中で呪文を唱える零二。

雪乃が声を掛けているが最早、放心状態である。



「---さん? 零二さん?!」



何度か名前を呼ばれ、ようやく我に返る。



「んっ?! あっ、ごめんね! あまりにも雪乃ちゃんが可愛く

て、、、その笑顔が見られるのなら、俺は何度でも野菜を

キープしておくよ! 例え、他のお客さんに売れなくなったとし

てもね!!!」



雪乃の笑顔のためならなんだってする。

そう、雪乃以外のお客さんが来なくなっても。



「それはやめなさいバカタレ」



ここでおばちゃんから冷静なツッコミが入るも、零二には聞こえていない。


そんな零二のアホな発言に思わず笑ってしまう雪乃。



「ふふふっ、零二さんって本当に楽しい方ですね!

明日も来ますが、他のお客さんにもちゃんと売ってください

ね?」



「はーーーい!!!」



雪乃の言葉ならなんでも鵜呑みにするだろう。

それほどに、零二はゾッコンだ。



「零二! 今日はもう上がっていいから雪乃ちゃんの荷物を持って

あげな!」



ここでおばちゃんが粋な計らいを見せる。

おばちゃんの言葉で零二は目を輝かせおばちゃんを見た。



「おばちゃん!!!」



(ふっ、いいんだよ。 その代わり、自分のモノにしてみなさい)



(わかってるよおばちゃん、行ってくる)



互いに心の中で会話、つまり以心伝心で伝え合う。



雪乃は申し訳ないから遠慮したが、零二とおばちゃんに押され

またしても折れてお願いをした。



零二は雪乃が買った分の野菜達を持ち、雪乃と共に帰路へとつく。





「そうだったんですね! そんなに小さい頃から仕事をしてたんで すね。 零二さんってまだ若そうだけどお幾つなんですか?」



「俺は25だよ! 雪乃ちゃんは?」



「私は22です! 全然25には見えないですね!」



「本当に? ありがとう! 22歳って事は、今年で学校も卒業?」



「はいっ! そうです! だから、悔いのないように学校生活を

楽しみます」



二人は顔を見合いながら会話をしていると、雪乃が突如何かに

ぶつかってしまう。



「きゃッ!!!」



「ちっ、、、いてぇーなー」



目の前に現れたのは柄の悪い男三人組みだった。

せっかくの楽しいひと時が一瞬にして悪夢へと変わるのであった。

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