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開戦

目の前にいるスヴァルト軍と対峙する零二率いる特務部隊。

ピリついた空気が全員を包み込む。



そんな中、零二だけはニヤついていた。



「この感じ・・・・・・久しぶりだなお前ら」



後ろに控える静まり返った部下達にそう語り掛けた。

進軍中は、陽気でも流石にいざ対峙すれば皆緊張もする。


だが、零二は違った。

戦える事というよりも、また皆と戦えることに心踊っていたのだ。



そんな緊張感の無い隊長に思わず皆が声を上げ笑う。

戦争間近だというのに笑い声を上げているのだ。


スヴァルト軍は困惑していた。

ある意味精神攻撃である。



「相変わらずだな隊長はよ!」


「隊長の神経はどうなってんだ?!」


「はぁーーー、緊張してたこっちがバカみてーだ!」



皆がそれぞれ呆れ返るもおかげで緊張は解けた。



「どっちがだよ! 戦う寸前だってのに笑う方がやべーだ

ろ!」



零二は部下の方が神経が狂ってるんじゃないかと思う。


だが、やはり全員一致で狂ってるのは零二だと頭の中で思うのであった。

もちろんいい意味で。




「さぁて、いっちょ行くか!!!」



零二が気合を入れて走ろうとしたその時、、、


待ったが掛る。

止めたのはハンナだ。



「ちょっと待って隊長。 まずは私達の一年の成長を

見てくれないかしら?」



ハンナの言葉に続くように後ろから幹部そして部下達がぞろぞろと前へと進む。


皆戦いたくてうずうずしているのではない。


零二に、尊敬する隊長である零二に自分達の成長を見てほしいのだ。




流石にこれを無視するのは無粋というもの。

零二にも皆の意思が伝わり嬉しかった。



「へっ、、、なら初陣はお前らに任せる。

俺に---お前達の力を見せてくれ!」



「「うおおおおぉぉぉッ!!!!!」」



零二の言葉で皆更に高揚していた。

その勢いのままにスヴァルト軍へと突撃する。



陣形も統率もあったものではない。


だが、彼等の力なら策戦なんかいらない。

個々の力で全てを粉砕する。



零二はそう信じていた。




-スヴァルト王国軍-



「なんだアイツらは? 笑ったり、無茶苦茶な陣形で突撃した

り。 ガルズ王国軍と本格的に事構えるのは初めてだが

楽な仕事になりそうだ。 これなら私が出るまでもなかった」



「相手のナンバーは知りませんがあの人数、恐らく斥候隊でしょ

う。 数もこちらが三倍。 陳塊チンカイ様が出るまでもありません」



陳塊


スヴァルト王国軍ナンバー2であり、この軍の総大将。



陳塊は相手を見るや否や、一気にやる気をなくしたようで

側近にあの事を任せ、高みの見物に入った。




「我等は相手の三倍。 早々に片付けるぞ!!!」



陳塊の側近であり、陳塊の次に高いナンバーである11。

彼の指示の元、統率の取れた突撃を開始する。



バラバラの50人対統率の取れた300人。



普通なら結果は目に見えている。




だが、、、彼等は普通ではなかった。




「な、なんだあの巨人はッ?!!!」



スヴァルト軍の前に突如現れる身長6mはありそうな巨大な人間。

それも、ただデカいだけではなくガタイも大きい。



スヴァルト軍の戦意は一気に削がれる。



「ガッハッハッ!!! 一番槍はどうやらこのワシの様だ

な!!!」



スキル『巨人化』を使用し敵の前線を喰い破る岩丈。

持ち前の力を更に肥大化させた、その暴力を止められる

相手はいなかった。



「後続の者立ちは直ぐに空いた穴を埋めよ!

そのまま全員でまずはあの巨人を殺せッ!!!」



スヴァルト王国軍ナンバー11はすぐ様陣形を立て直す。

どうやら、ナンバーに見合った力はある様子。



だが、そこに待ったをかけるものが。




「飛んでけ兄さんッ!!!」



弟である吽門に投げ飛ばされる阿門。

一見仲間割れであり、自殺行為に見えるこの行動。


だが、これが彼等の戦い方だったのだ。


当然相手もいきなり飛んできた敵の者に一瞬の膠着が起こる。


その時間を見逃さず間髪入れずに吽門がスヴァルト軍に向け

阿門、諸共爆発させる。



彼のスキルは一人を指定して爆発だ。

つまり指定するのはもちろん、、、



「兄さん爆発しろ!!!」




その言葉が終わると阿門を中心に爆発が起こる。


突然の事に相手も逃げられず何人もがその爆発の餌食となった。





爆発により、当たり一体を砂煙が舞う中、ギリギリ爆発を逃れた者が目を凝らし、阿門が居るであろうところを見る。




すると、煙の中から声が。



「痛ぇーーー、、、けど最高だぜ弟よ!!!

次は俺の番だ!!! 反撃の狼煙ッ!!!」



阿門が突如砂煙から飛び出し相手目掛けてスキルを発動する。


スキル反撃。

喰らったダメージをまとめて相手に喰らわせる。



阿門は爆発する前に標的を絞っていたのだ。

狙ったのは一番大柄な男。


その男目掛けて繰り出した拳は、見事に突き刺さり

一撃で大柄男を葬った。



「流石だよ兄さん。 どんどん爆発させるから敵に突っ込んでね」



後ろからそう語り掛ける弟。



「おうよ! どんどん突っ込むぜッ!!!」



爆発ウェルカムな兄がそう返事をすると、再び強敵目指して

駆け出す。



こうなると、後は混乱した敵を葬り去るのみ。



「うふふ♡ 阿門ちゃん達も張り切ってるわね♡

私の声のスキルで皆を楽にしてあげるわ♡」



ハンナもやる気満々のようで、スキル、声により敵を内部より

破壊しようと思った。



その時だった。何人かの敵兵が大声で突然叫ぶ。





「オ、オカマだぁーーーッ!!!」





そう。ハンナを見た瞬間敵兵が叫んだのだ。

ガタイのいい身体に厚化粧の顔。


まさに化け物のようなその風貌。


だが、ハンナに対してその言葉は禁句であった。



オカマという言葉に震えるハンナ。

頭の血管が今にもはち切れそうだ。



「ふふふっ、、、ふふっ・・・・・・はあぁッ?!!!

乙女に向かってオカマなんて

言ってんじゃねぇぞゴラァッ!!!」



ハンナはスキルを使わずにその拳で、オカマと叫んだ敵の顔面を

殴り飛ばす。

そこからは、もう暴れ放題である。


逃げ惑う敵を追いかけるオカマ。



こうして初撃は零二率いる特務部隊が押していくのであった。

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