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人探しの調査で異世界に行きました  作者: 光晴さん


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第69話 第二階層を行く



次の日、俺たちは第二階層へ足を踏み入れた。

また、温泉旅館に行った後は疲れが出たのかそのまま就寝することになった。

お昼休憩のはずが、しっかりと泊ることになったのだ。


まあ、第一階層は隅々まで探索していたし、後は敵を倒すだけの作業になりかけていたからな。

ある意味、良かったのかもしれないが……。


そして、今はこの第二階層にやってきたのだ。


「んー! 昨日はよく寝たわ~」

「だよね~。私も、あんなに寝たの初めてかも」

「今日も、ダンジョン探索を頑張るぞ」

「ねぇユウタさん、今日も温泉宿に泊まれるの?」


さくらと紗香と熊野の三人が、話しながら進み、翔子さんが今日の宿について聞いてくる。


「泊まれますよ。

当分は、あそこを拠点として使おうと考えていますから」

「おお~、それじゃあ、今日も温泉だね~」


心なしか、ベルさんたちメイドさんも喜んでいるような気がする。

この召喚されたメイドさんたちも、昨日は温泉宿に泊まったんだよな。

召喚主のメイドとして、側に仕えるからと言って……。


まあ、召喚しっぱなしだしさくらたちのことを守ってくれているし、良いんだけどね。



この第二階層に現れる魔物は、オークだ。

様々なオークが出現するが、ほとんどメイドさんたちの刀で倒されている。

もちろん、俺たちだって見ていただけではない。


銃や魔法を使って、倒しているのだ。

そして、オークとの戦闘が終わって、翔子さんがその場に蹲ってしまう。


「お姉ちゃん、どうしたの?」

「翔子さん? どうされましたか?」

「す、すみません。

急に、足の力が入らなくなってしまって……」

「大丈夫?」


みんなが心配して、翔子さんに声を掛けるがどこかを怪我したわけでもないのに、こんな症状が出るなんて……。


「お嬢様、お姉様のことは心配いりませんよ。

おそらく急激にレベルアップされたために起きる、体の変化だと思います」

「所謂、レベルアップ病ね。

しばらく大人しくしていれば、動けるようになりますよ」


メイドのソフィが菜月に話しかけ、それをケイがフォローしていた。

なるほど、これがレベルアップ病か。


「お姉ちゃん、レベルが上がったの?」

「えっと、今のレベルが二十だから、この急激に上がったレベルが原因なのね」

「すごい、翔子さんがそのレベルだとすると、私たちもかなり上がっているんじゃない?」

「確認、確認」


みんなが一斉に確認しだした。

それを見て、メイドさんたちが周辺に気を配るように警戒し始める。

優秀なメイドさんたちだ……。


俺も、そんなメイドさんたちに任せてステータスを確認した。

確りと、レベルが上がり四十になっていた。

ゴブリンとオークだけで、こんなにレベルが上がるとはな。


やっぱり、まだまだ俺たちはレベルが低いんだな、と痛感させられた。


それと、また新たな扉が解放されていた。

まずは、洋食屋フレンド。

洋食専門店といったところか?

前はパン屋があったから、その洋食屋さんバージョンというわけか。


次に、クリーニング店ホワイトタイガー。

洗濯屋さんだな。

でもこれは、需要があるかどうか微妙なところだな。

異世界に来て、クリーニング屋を利用する人がいるのか?


それに、この世界には魔法で服もきれいにできるのだ。

果たして、利用することがあるか……。


次が人材紹介バーのコールか。

バーと付いているのだから、お酒を飲むところなんだよな。

そして、人材紹介とあるから必要な人材を紹介してくれる場所。


そういえば昔、ゲームであったな。

仲間を探すときに利用した記憶がある。

それと同じようなことなのだろう。


しかし、相変わらずおかしな店が増えていく……。

まあ、今は、ダンジョン探索に集中しようか。




翔子さんの、レベルアップ病が治るとすぐに探索を開始した。

第二階層も、第一階層と同じ洞窟型。

しかし、中は迷路のような通路が続き、探索者たちを惑わしている。


俺たちは、いろいろなところを歩き、オークたちと戦い調べていく。

そして、隠し通路を発見した。


「ねぇ、ここ。

岩の壁が柔らかい感じがするんだけど?」

「え? どれどれ……」


優香が教えてくれた壁に、さくらが手で押して確認する。


「ホントだ、すごく柔らかい。

このまま押したら…!!」


そう言って、壁の中へ入ってしまった。

すぐにメイドのベルが後を追う。

自分の主であるさくらを危険にさらすなど、あってはならないからだ。


メイドのベルが壁に消えた後、さくらが顔を出してきた。


「大丈夫、魔物はいないわ。

それより、ここ、隠し通路みたい。奥に続いているよ」

「え、ホント?」


そう言って次々と、壁の中へ入っていく。

俺は、一番最後に壁の中へ入るとすぐに景色が変わった。

そこは、洞窟といった場所ではなく、人工的に造られた通路となっている。


壁や天井は煉瓦のようなものでできており、整えられていた。

人工的に造らなければ、こうはならないだろう。


天井の高さといい、通路の幅といい、余裕を持たせて作られているようだ。


「これは間違いなく、さっきとは造りが違うな……」

「隠し通路って感じだね」

「ユウタさん、かなり奥にまで続いているようですけど、どうします?」

「どうしますって林、行くっきゃないでしょ」

「そうそう、行くしかないって!」


女性陣は、奥へ進もうと言っていて、直人は慎重になっているな。

でもここは、進まないと探索にならないだろう?


「直人、慎重になるのは分かるが、ここはあえて進もう。

何があるか分からないから、戦闘準備だけはしておけよ?

新しいマガジンに交換して、いつでも戦える準備は怠るな」


そう気合を入れて、俺たちは進む。

隠し通路の奥を目指して……。







読んでくれてありがとう。

これからも頑張ります。

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