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人探しの調査で異世界に行きました  作者: 光晴さん


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第53話 歓迎会と従業員



温泉宿の大広間に、机と椅子を用意して歓迎会が開かれた。

宿の女将をしている契約精霊のカナデは、終始嬉しそうに食事をしていた。

そして、シェーラたちは、出された料理に驚き、食べてその味に驚き、涙を流しながら料理をかみしめていた。


「歓迎会の料理とはいえ、どこから魚なんて持ってきたんだ?」

「それに、この肉!

柔らかくて美味しい!」

「……本当、この肉美味しいわ~」


さくらと紗香は、文句を言いつつも料理に満足しながら食べている。

確かに、今日の料理はおいしい。


「それで主様、彼女たちはいつからここで働いてくれるんですか?」

「シェーラたちの服とかも用意しないといけないから、明後日かな……」

「あら、主様。扉同時召喚を覚えていますよね?」

「ああ、覚えているけど……」

「それなら、ここで服屋の扉を召喚すればいいんですよ?」

「扉同時召喚て、召喚した扉の中で扉を召喚することができるのか?」

「ええ、できるはずですよ」

「……食事の後でやってみるか。

彼女たちの服とかが用意できれば、すぐにでもここで働いてもらうつもりだ」

「分かりました!

あの子たちのことは、私にお任せください、主様」

「ああ、頼むよカナデ」


シェーラたちのことがうまくいったら、もっと奴隷を購入して人手不足な扉にあてがうつもりだ。

それに、シェーラたちが奴隷だということが分かっているのか、カナデのシェーラたちに対する態度が柔らかい気がするんだよな。




食事の後、服屋ホーネスの扉を召喚し、シェーラたちを連れて中に入った。


「いらっしゃいませ 主様!」

「コニー、彼女たちに服と着替えを見繕ってくれるか?

ついでに、靴も頼む」

「分かりました。

では、こちらへどうぞ~」


驚きながらも、コニーについて行くシェーラたち。

さくらと紗香は驚いた後、自分で店内をウロウロして服や着替えを選んでいた。


そういえばここも、品揃えが少しだけ良くなったよな。

やっぱり、俺のレベルが上がることで店の並ぶ商品が増えるということか。

俺も、何があるかなと店内をうろつくと新しい種類の靴を見つけた。


これも登山靴なのだが、メーカーが違うため履き心地が違うようだ。

これを貰うか。

後は、下着と普段着を選んで……。



「お待たせしました、主様!

彼女たちの服に下着、それと靴を選んでおきました。

それと、あのお二人ですが……」

「やばいよ、ユウタさん」

「品揃えが限定的で、もっと種類を増やさないと!」


と、さくらと紗香は文句を言いつつも、両手いっぱいの服や下着に靴などを持っている。

言動と行動があってないぞ……。


俺は呆れながらも、コニーに袋をお願いした。


「そうだ、主様。

私の店にも、人手を回してもらえますか?」

「ん? コニーも人手不足に困っているのか?」

「はい、主様のレベルが上がれば店に並ぶ品が増えますからね。

これから、主様はレベル上げを頑張るのでしょう?

ならば、店の従業員を増やしたいんです」

「……そうだな、考えてみよう。

ちなみに、何人ぐらいほしいんだ?」

「二人いれば十分です。

接客、品出し、店内清掃を考えれば、二、三人いれば大丈夫です」

「分かったよ」

「よろしくお願いします」


服屋を出ると、扉の前でカナデが待っていた。

歓迎会が開かれた大広間は、すでに片付けが終わっていてきれいに畳の間に変わっている。


「おかえりなさいませ、主様。

では、皆様をお部屋に案内しますね。

それと、シェーラさんたちは従業員用の部屋に案内しますので」

「ああ、ここで働くことになるからな。

それで頼む」

「お任せください。

では、こちらへどうぞ」


まずは、シェーラたちを案内していく。

もちろん、俺やさくらに紗香もついて行く。

どんなところに連れて行かれるのか、心配になるからな。


大広間を出て、廊下を歩きながらさくらが聞いてきた。


「ね、ユウタさん。

シェーラたちは、ここで働くことになったの?」

「ああ、ここに住み込みで働いてもらうことになる」

「でもさぁ、何で温泉旅館なの?」

「ん? それはどういう意味だ?」

「いや、ユウタさんの召喚できる扉ってさぁ、いろいろあるんでしょ?

なら、温泉旅館じゃなくてもホテルみたい場所の方がいいんじゃない?」

「それは、日本を感じてほしいからかな」

「日本……」

「温泉旅館に、和服、そして畳。

どれも日本を感じさせるだろ?

これから先、奴隷にされた日本人を見つけるかもしれないし、いろんな町に住み着いた日本人を見つけることになる。

そんな日本人に、日本を思い出してもらうためには温泉旅館がいいと思ってな」


この世界で生きている日本人たちに、日本を思い出してもらうためにはすぐに分かる日本らしさが必要なんだよな。

それにはこの温泉旅館が、一番だと思うからここを活用できるようにするんだ。


「……ねぇ、ユウタさんてどうしてこの世界に来たの?」

「うんうん、異世界に来たくて来たわけじゃなさそうだよね……」

「俺か? そういえば、何しに来たか言ってなかったな。

俺は、この世界に来た日本人を調べに来たんだ。

もっとも、日本へ帰せそうなスキルを貰ったから、今は日本人たちを日本へ帰すために頑張っているつもりだ」

「日本に帰れるの?!」

「ど、どうやって?!」

「落ち着け、二人とも。

後で、その方法を教えてやるから、な?」

「絶対だよ!」

「本当に、帰れる方法を知っているんだよね?」

「ああ、知っているぞ」

「……あとで教えてよね」


途中、大声で迫られたが、カナデはシェーラたちを従業員用の宿舎へ続く廊下まで来ると一旦止まった。


「主様とそこの二人は、ここで待っていてください。

ここから先は、従業員以外立ち入り禁止になっていますので」

「分かった、この二人と待っているよ」

「では、シェーラさんたちはついて来てください」


そう言うと、俺とさくらと紗香を残して廊下を進んで行った。

すると、さくらがさっきの続きと話してくる。


「それで、どんな方法で日本へ帰ることができるんですか?」

「それは、俺のスキル扉召喚でできるんだよ」

「扉召喚?

……もしかして、日本への帰還できる扉が召喚できるんですか?」

「ああ、召喚できる。

ただし、問題がないわけではないんだが……」

「問題? 何か、ヤバいことでもあるんですか?」

「ああ、実はな……」


俺は、扉召喚のレベル制限について話す。

店の品ぞろえに、飲食店のメニュー制限。

さらに、帰還のための扉の制限を話したところで、なぜか怒られた……。








読んでくれてありがとう。

これからも頑張ります。

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