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人探しの調査で異世界に行きました  作者: 光晴さん


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第48話 手に入れた物の価値



次の日、宿を後にした聖剣の集いとポーターの俺たちは、馬車に乗ってコルバナの町を目指すことになる。

一応、ダンジョンでの依頼は終わったのだからな。


ダンジョンから持ち帰った品物は、ほとんどを研究所の研究員に渡したが、俺たちが貰ったものもある。

それは、魔石だ。


ダンジョンの魔物を倒すと手に入る魔石だが、なぜかダンジョンで手に入る魔石は質が良いものが多い。

そのため、ダンジョン探索は人気があるのだ。


「エリカ、こんなに魔石を貰っていいのかな?」

「これは報酬よ。

聖剣の集いは、ポーターにも払いがいいからね。

それに、今回の探索は発見が多かったから、こんなに出たのよ」

「そうだったんですね……」

「エリカは町に戻ったらどうするんだ?」

「私? 私はまた、聖剣の集いのポーターを引き受けるつもりよ。

ほしいものがあるからね。

そのためにも、もっと稼がないといけないから……」

「クーデリアは、どうするんだ?」

「私は、別の依頼を受けるつもりです。

やってみたかったことがあるので……」

「そんなこと聞いてる、アーバンはどうするのよ」

「俺はか? 俺は、どうするかな……」


みんな、それぞれで動いていくということか。

でも、結局アーバンは、エリカとクーデリアをものにできなかったようだな。


「ユウタはどうするの?」

「俺は、ちょっとギルドに相談事があるからそれを済ませてから考えるよ」

「ギルドに相談?

なになに? 何を相談するつもりなのよ」

「私も気になります」

「俺も気になるな」


俺はアイテムボックスから、一枚の金貨を取り出しエリカに渡す。

エリカたちは、手にした金貨をじっくり観察する。


「これは?」

「例の遺跡で見つけた金貨、だと思う。

知らないうちに、俺のアイテムボックスに入っていたんだよ。

昨日、宿の部屋でアイテムボックスを整理していたら見つけてな、ギルドに調べてもらおうと思って……」

「へぇ~、でも見たことない金貨ね……」

「私も、初めて見ました……」

「俺も見たことねぇな……」

「なるほど、それでギルドで調べてもらおうというわけね」

「ああ、もしお金になるなら売ってもいいかもと思ってな」


アイテムボックス内に、六万枚以上あったんだよな。

換金できるものなら、換金しておきたんだよね。


で、高く売れるなら数枚売って、奴隷購入の資金にすることにしたんだ。


「それじゃあ私たち、これでお別れなんですね……」

「そんなことないわよクーデリア。

私たちは冒険者登録しているのよ?

それなら、私に連絡取りたいときは、ギルドを通して連絡すればいいじゃない」

「ギルドを通せば、みんなと連絡が取れるってわけか」

「でしたら、何かあれば必ず連絡します!」

「俺も! 必ず連絡するぜ!」

「もちろん、私も連絡するわよ。ユウタはどうなの?」

「ああ、もちろん連絡するよ」


俺たちは、拳をつき出し、再会を誓い合った。

のだが、これは町に着いてからするべきだったな……。


町に着くまでの間、結構気まずい時間となってしまった。




コルバナの町に到着し、冒険者ギルド前でみんなと別れることになった。

ただし、ポーターとしての報酬をきちんと受け取ってからだったが……。


エリかは、聖剣の集いと一緒に次のポーターを募集することに。

クーデリアは、コルバナの町で用事を済ますらしい。

アーバインは、次の町へ旅立っていった。

どうやら、次の恋を掴むために旅立つのだとか……。


で、俺は冒険者ギルドの受付で話をして、鑑定のために会議室へ通された。


「お待たせしました。

受付を担当している、カーラと言います。

そして、こちらが冒険者ギルド所属の鑑定士のレイブンです」

「レイブンと申します。

それで、私に鑑定してほしいものがあるとか?」


俺は、アイテムボックスから一枚の金貨を取り出し、テーブルの上に置いた。

そして、鑑定士と受付嬢の前に差し出す。


「この金貨を、鑑定してほしいんだ」

「ほう、ちょっと失礼……」


レイブンはそう言って、テーブルに置かれた金貨を掴むとじっくりと見ながら鑑定していく。

そして、だんだんとレイブンの顔色が変わりだした。


「お、お主、名は?」

「ユウタです」

「ユウタ殿、これをどこで手に入れたのだ?」

「それが、分からないんです」

「分からない? そんなことはなかろう。

どこで手に入れたのか、よ~く思い出すのだ」

「いえ、それが、いつの間にか俺のアイテムボックスに入っていたものなので……」

「レイブンさん、どうされたのですか?

その金貨の鑑定結果は?」

「……す、すまない。つい興奮してしまって。

この金貨は、今は無き古代魔法国のミスリル金貨ということが分かった。

今の価値に換算すれば、白金貨一枚に相当する……」

「こ、これが、白金貨一枚?!」


え~と、確かこの異世界ではお金の価値は、百枚で上がるんだったよな。

一番下が銅貨で、一枚が約十円だったな。

でも、この世界のお金って鉄貨から始まっているとか思ったが、銅貨からだったんだな。


ギルドカードが、鉄ランクから始まるからお金の価値から来ているのかと思ったが、違うみたいだ。

で、銅貨の上が銀貨、銀貨の上が金貨、金貨の上が白銀貨、白銀貨の上が白金貨だな。

銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚、金貨百枚で白銀貨一枚、白銀貨十枚で白金貨一枚だったような……。


てことは、白金貨一枚ということは、日本円で一億円ってことか!

え? この金貨一枚が、一億円の価値がある?!


「……あ、あ~、この金貨、あと三枚あるのだが……」


そう言って、アイテムボックスから同じ金貨を三枚出して、テーブルの上に置く。

すると、受付嬢と鑑定士の二人は、その場に倒れて気絶してしまった……。








読んでくれてありがとう。

これからも頑張ります。

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