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人探しの調査で異世界に行きました  作者: 光晴さん


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第30話 新たな依頼



「【魔道具屋スレットの扉 召喚】」


そう唱えると、床に魔法陣が出現し木の扉が現れた。

表れた、どこにでもある木の扉を開けて中に入る。


「いらっしゃい、主。

今日は、どうしたの?」

「やあ、スレット。

今日は、ポーションの補充に来たんだ」

「昨日の今日で、もう使い切っちゃったの?」

「いや、まだ残っているけど三本じゃあ、心許なくて」

「しょうがないわね。

じゃあ、もうあと三本だけ追加してあげるわ」

「三本だけ?」

「主が使う分にしては、十分じゃないかしら?」

「……そうだな」

「何? このポーションを売ろうとでも思ったの?」

「いや、そういうわけではないんだが……」

「はい、この三本をどうぞ」

「ありがとう、スレット」

「無くなったらまた来なさいな。

その時には、違うポーションを渡せるかもしれないわね」

「ああ、そうするよ」


そう言って、俺は魔道具屋のドアを開けて出ていく。

宿の部屋に戻れば、召喚したドアは消え、床の魔法陣も消えた。


しかし、ポーションの個数に制限があるとは初めて聞いた。

昨日貰った分と合わせて、六本のポーションがある。


……そういえば、これって何のポーションなんだろうか?

おそらく、回復ポーションだと思うけど、町で売っているポーションを見たことないから分からないな……。

これは、確認しておいた方がいいかもしれない。



次は、自分の家に帰ってのんびりしよう。

明日のために、英気を養うのだ。


というわけで、自分のマンションの扉を召喚する。


「【自宅のマンションの扉 召喚】」


すると、床に魔法陣が表れ、マンションの扉が出現した。

俺は、ドアを開け中に入る。


「おかえりなさいませ、主様」

「ただいま、アニス。

早速で悪いけど、昼食を用意してもらえるかい?」

「はい、分かりました。

リビングでお待ちください。すぐに用意いたしますので」

「ありがとう」


腰に装備しているホルスターをアイテムボックスに入れて、靴を脱ぎ、リビングへ移動する。

そして、リビングの入る前に洗面所へ入り、手をしっかり洗う。


そして、ようやくリビングに入り、椅子に座った。

ここは自分のマンションの一室、金髪メイドのアニス以外は、ずっと変わらない風景だ。

なのに、アニスがいるだけでいつもの自分のマンションの一室と違って見える。



「お待たせしました、昼食のカツ丼を用意しました」

「おお、自分の家で、できたてのカツ丼が食えるとは……」

「どうぞ、主様」

「いただきます!」


自分の箸を掴み、カツ丼の丼を持つ。

そして、まずはカツを食べるため箸で持つと、その柔らかさが分かる。

俺は我慢ができずに、そのまま口に運んだ……。


「美味い!」

「フフフ……」

「いや、お世辞抜きで、本当に美味しい!」

「ありがとうございます、主様」


カツを食べながら、ふと気になった。

これって、朝市で購入したオーク肉か? と。

そこで、アニスに聞いてみた。


「アニス、この肉って……」

「はい、主様が買ってきてくれた肉を使用しました。

確か、オーク肉でしたよね?」

「ああ、オーク肉とコルカバードの肉だったな」

「魔物のお肉も、結構おいしいですね」

「……そうだな」


笑顔のアニスに、少し微妙な表情の俺が返事をする。

カツの正体を知って、少し複雑な心情だが、この異世界では普通に魔物の肉も食べられているのだ。

まずいものを食べているわけでもないんだから、遠慮することはないよな。


すぐのすぐには、納得できないが美味しいものは美味しいのだ。

そこは認めなくちゃならないだろう。



食事の後は、自分の部屋でのんびりすることにした。

冒険者は、毎日ギルドで依頼を受けるわけではない。

こうした、体を休める日も重要なのだ。


そんな言い訳をしながら、部屋にあった本を取り出しゆっくりと読む。


今まで仕事が忙しくて、読めなかった本が結構たまっていたので好都合だ。

こうして、一日、のんびり過ごした……。




次の日、朝食を食べ終わると、アニスにお昼のサンドイッチを受け取り、宿の部屋に戻ってきた。

すると、マンションのドアが消えて、床の魔法陣も消える。


俺は装備をチェックした後、宿の部屋を出て、一階へ移動した。


「おや、お客さん早いね」

「おはようございます。これ、部屋の鍵です」

「あいよ。

お客さん、昨日は、ゆっくりできたかい?」

「はい、疲れが取れました」

「それは良かった。

今日からまた、頑張りなよ?」

「はい、ありがとうございます」


そう言われて、宿を出る。

また、この宿に世話になるかは分からないが、安いなりにいい宿だった。



俺は、朝の町を散歩しながら冒険者ギルドへ向かった。

朝市の声が聞こえるが、屋台も店もまだ開いていない。

そんな中、冒険者ギルドはいろいろな冒険者が出入りしていた。


今まで見たこともない人も、出入りしている。


「この町に、こんなに冒険者がいたんだな……」


そんなことを呟き、俺も冒険者ギルドの中へ入っていった。



ギルドの中は、人でいっぱいだった。

特に、掲示板の前は人でごった返している。

俺は、遠巻きに掲示板を眺めて、何かないか探してみた。


いろんな依頼書があるみたいだが、遠巻きに見ているので見えない。

だが、近くによる勇気はない。

だから、この喧騒が収まるまで待つことにした。


それから、三十分ほどで掲示板の前から人がいなくなり、眺めている人が少なくなったところで近くによって依頼を確かめる。


薬草採取、魔物討伐、荷運び、いろいろある中で、今回俺が選んだのは、荷運びだ。

依頼書によれば、コルバナの町の近くにある村まで荷物を運んでほしいというもの。

アイテムボックスか無限鞄を持つものという条件付きであったため、金額が良くてもこうして残っていたみたいだ。


俺は依頼書をはがし、カウンターへ持っていく。


「これ、お願いします」

「はい。

……え~と、条件のアイテムボックスか無限鞄はお持ちですか?」

「はい、アイテムボックスを持っています」

「なら、大丈夫ですね。

ギルドカードを、お願いします」


そう言われて、自分のギルドカードをカウンターの上に置く。

それを受付嬢は手に取り、依頼書とともに黒い箱の中を通した。


「はい、これで依頼は受理されました。

ギルドカードをお返しします。

では、こちらの依頼書にある待ち合わせ場所に向かってください。

時間は、まだ大丈夫だと思いますが、急いだほうがいいですよ」

「はい、分かりました」


俺は返事をすると、すぐにギルドを出て依頼書にある待ち合わせ場所に急いだ。







読んでくれてありがとう。

これからも頑張ります。

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