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人探しの調査で異世界に行きました  作者: 光晴さん


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第26話 新しい扉 前編



ギルドダンジョンからコルバナの町へ戻るため、北へ向かって一時間ほど歩いて町にたどり着く。

町の門番にギルドカードを見せ、中に入るとすぐに宿へ直行した。

まずはこの二日間、ずっとダンジョンに潜っていたのと、扉召喚ができずに休めなかったので、ちゃんと寝たかったからだ。


所持金は銅貨七十枚だが、この間の宿であれば素泊まりで泊まれるはず。



「いらっしゃい」

「素泊まりで、一泊お願いします」

「はいよ、銅貨三十枚ね。

……はい、ちょうど。では、こちらが鍵になります。

二階の奥の部屋がそうですから、ごゆっくり……」

「ありがとう」


目的の宿に到着後、すぐに中へ入るとカウンターにいた女性が対応してくれた。

素泊まりだからといって、いやな表情一つせず対応する辺りはちゃんとしているようだ。


階段を上がり、二階の奥の部屋へ。

そこで、鍵を開けて中へ入った。


ベッドと机に椅子があるだけの、シンプルな部屋。

まだ夕方には早いが、まずは自分のステータスを確認する。


「おお、レベルが二十二とは、ダンジョンはすごいな!

これで、体力も魔力もかなり余裕ができてきたよな……。

お、召喚できる扉も増えていた。

これは、レベルが十上がるごとに増えていくようだな……」


増えた召喚可能な扉は、扉紹介屋ガンゼス。


「扉紹介? 何だこれ……。

え~と、責任者のいない扉を召喚してくれる店です。

例えば、どこかの宝物庫の扉だったり転移の扉など、そのレベルで召喚できる扉を紹介してくれます……。

転移の扉?! ……転移の扉、については書かれてないか」


もしかしたら、この異世界から地球へ帰れるかもしれないな。

そうなれば、こちらで発見した神隠しの実態も、失踪した日本人の行方も知らせることができるんだがな……。


……他に増えたのは、ホテルビリーブ。

これは、ホテルの扉を召喚できるってやつだろう。

それに、確かこのホテルって去年の海外旅行の際に泊まったホテルだ。

結構高かった記憶があるけど……。


後は、乗り物屋ソニック。

ソニックって、大手チェ-ンの販売店だろ?

自動車や、バイクに自転車、バスやトラックの類まで扱っていた所だ。

ただ、さすがに店頭には置いてなくて、ほとんどが注文製だったな。

ただ、ネット通販などでも展開していて、メインはネットの中だったはず……。


「まあでも、修理とかはその代理店にもっていけば割引ができたはずだ」


ということは、他の町などへ行く際の足ができたってことか。

これは便利だな!



それじゃあ、一通り扉を召喚して確認するか。

まずは、レベル十で召喚できるようになったスーパー大月からだ。


「【スーパー大月の扉 召喚】」


床に魔法陣が出現し、そこから透明な一枚板が出現してくる。

これって、たぶんよくある自動ドアの片側だな……。


案の定、透明なドアの前に立つとひとりでにドアが右にスライドして店の中へ入ることができた。

店の中は、どこにでもあるスーパーの店内だ。

日本にあるスーパーと違うのは、品揃えが悪いところかな……。


「いらっしゃいませ、主様」

「ああ、これからよろしくな」

「はい、主様。

私の名前は、ポルト。

このスーパー大月の店長を任された、契約精霊です」

「それで、このスーパーの品揃えが悪いのは……」

「はい、主様のレベルが低いからですね」

「やっぱりそうなのか……」

「はい、ですから主様、もっとレベルを上げてくださいね」

「う、分かったよ……」

「それで、今日はお買い物ですか?」

「いや、一応の様子見かな。

レベルが上がって、いろんな扉が召喚できるようになったからな」

「なるほど、では、またのご来店をお待ちしていますよ」

「ああ、すまないな」


そう言うと、俺は自動ドアを通って外に出る。

俺が外に出たのを確認したのか、床の魔法陣に透明な一枚板は吸い込まれていった。


「ポルトは、恰幅の良いおじさんって感じだったな。

日本にある大月の店長も、あんな感じだったよな確か……」



それじゃあ、次の扉を召喚してみるか。


「【魔道具屋スレット 召喚】」


すると床に魔法陣が出現し、そこから木の扉が出現した。

今までの扉と違い、何とも古めかしい扉だ。


「へぇ~、これは宿の部屋の扉に似ているな……。

この世界では、普通の扉なんだな……」


そんな感想を言いながら、ドアについていたノブを回し店の中へ入った。

店内は、コンビニほどの広さで棚には数々の品が並んでいるが、やはり隙間が目立つ。

ただ、ポーションなどが並べられているところなんかは、異世界感が出ていた。


「いらっしゃい、主。

魔道具屋スレットの店主のスレットよ。

これからも、よろしくね?」

「ああ、スレット。よろしく。

魔道具屋なんて初めてだから、ワクワクしているよ」

「フフフ、それは良かったわ。

でも、やっぱりまだまだ品揃えが悪いのよね~」

「分かってるよ、もっとレベルを上げてほしいっていうことだろ?」

「ええ、そうすれば、いろんな魔道具やポーションなどの種類も増えるからね」

「でも、魔道具屋なのにポーションなども扱っているのか?」

「ええ、魔法の道具屋。

略して魔道具屋だからね、ポーションなども扱うわよ」

「へぇ~」

「メインは、魔道具ってことになるけど、今は主のレベルが低いからポーション類が主になるわね。

だから主?」

「大丈夫だよ、他の契約精霊からも言われているからさ」

「頑張ってね? 主」

「ああ、頑張るよ」

「それなら、これを持っていきなさいな」


そう言うと、スレットは棚から回復ポーションを三本渡してくれる。


「いいのか?」

「もちろんよ、主。

ここにある物は、すべて主のもの。

商売を考えていない今は、ね」

「ありがとう、スレット」


スレットから、回復ポーションを三本もらうと、すぐにアイテムボックスに仕舞う。

その後、魔道具屋を出ると、扉は魔法陣の中に消えた。


スレットは、大人な女性だったな。

長い髪で金髪、目が赤いのが気になったが美人だった……。


さて、次の扉は一番気になっていた扉だ……。








読んでくれてありがとう。

これからも頑張ります。

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