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人探しの調査で異世界に行きました  作者: 光晴さん


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第25話 初心者講習 修了



六階層の草原を進み、こちらに襲撃してくるオークをすぐに発見し迎撃。

だが、パーティー内は結構もめている。

特に、クロードがいろいろと文句を言っているのだ。


クロードは剣での戦いにこだわり、魔術や銃などの遠距離攻撃は支援攻撃でしかないような戦い方をする。

一方で、クロード以外は全員の立ち位置や攻撃を把握して戦っているようだった。

無論、俺もみんなの助けになればと動いていたが。


「見えたわ! 下に行く階段よ!」

「左から来る、オークの集団を発見! 数は五!」

「階段が目の前だってのに!

迎え撃つぞ! 戦闘準備!」

「カールはいつもと同じように前に出て、ユウタは支援よろしく。

私とローラは、支援魔術と回復よ」

「了解!」

「了解」

「はい!」


「マリア、前に出るぞ!

後は、支援を使って後方にいろ!」

「わ、分かりました」

「ちょっと、クロード!」

「キョウ、今は……」

「分かっているわよ、サヤ……」


どうにもクロードのパーティーは、うまくいっていない。

それどころか、この初心者講習が終わればすぐにでも解散する感じだ。


この階層での戦いも慣れてものだ。

特に草原しかない階層だから、敵の魔物が発見しやすい。

だからこそ、戦いにも慣れてしまうのだろう。


ここまで来ると、レベルも上がりオーク五体は敵ではなかった。

黒魔術での攻撃はなく、剣士三人で倒し終えてしまった。

……だが、この戦いで大満足だったのはクロードだけだったようだが。


「終わった。さ、急いで次の階層へ進みましょう」

「待て、フローレル。

そんなに急がなくても、大丈夫だろ?」

「何を言っているのよ。

私たちは、第十階層を目指しているのよ?

こんなところで、グズグズしていられないでしょ?」

「あ、そうか。そうだな!

それなら、行くか! 次の階層へ!」


フローレルは、クロードの態度を見て呆れている。

そして、周りのメンバーを見渡せば、ほとんどの者が処置無しと、諦めていた。


「ほら、どうした?! 行くぞ!」

「ハァ~」


クロードだけがマイペースに進んで行き、他のみんなはため息を吐く。

そんな時、リルカさんが大声をあげた。


「はい、そこまで!!

みんな、こっちに集まってちょうだい!」


そう言って、俺たち全員を集める。

クロードも、少し不機嫌な表情をするも、リルカさんの元へしぶしぶ集まった。

そして、全員が集まったところでリルカさんは告げる。


「みんな、残念だけど、ここで時間よ。

初心者講習は、ここで終了です」

「え?」

「リルカさん、十階層に着かなくていいのですか?」

「フローレル、このダンジョンに入る前に言われたでしょ?

十階層を目指してもらう、と」

「ええ、ですから十階層へ向かっているのに……」

「少し、勘違いしているようだから言うけど、別に十階層に到着しなくてもいいのよ?

今回の初心者講習の目的は、ダンジョン内での野営なのだから」

「ええ?!」

「通常の野営と違って、ダンジョン内は特に魔物の襲撃が予想される。

緊張感は、通常の野営よりも大変」

「だからこそ、経験してほしかったことでもあるのよ。

そして、それぞれの足りないものも見えてきたんじゃない?」

「……」


初心者講習を受けた全員が、周りにいるみんなを見渡し頷く。

それぞれに、足りないものが分かったからだろう。

俺も、自分に何が足りていないか分かったような気がしていた。


「それじゃあ、帰還しましょう。

ダンジョンの外で、締めの挨拶を聞いて解散となります」

「全員、近くまで集まって」

「……リルカ、大丈夫だ」

「では、【帰還】」


リルカがそう唱えると、集まった全員がその場から消えた。




▽   ▽    ▽




一瞬光ったと思ったら、目の前の景色は変わっていた。

ここは、ダンジョンの入り口近くの広場。

そこには、初心者講習に参加した全員がそろっているようだった。


そして、全員の前でコータローが声をあげる。


「全員揃ったようだから、話を始める!

さて、まずは初心者講習お疲れ様!

このダンジョンで、いろいろと経験できたと思う。

それは、君たちにとっての経験であり戒めであるだろう。

そして、参加者全員が無事に戻ったということは、喜ばしいことだ。

だが、それと同時に課題も見えてきたはずだ!

自身に何が足りなくて、苦労したのかもな。

この先、苦労することもあるだろうが、思い出してほしい。

今回の初心者講習のことをな。

……では、長々と話したが、これにて初心者講習を修了する。解散!

ああ! 後で自分のステータスは確認しておけよ!

それと、ギルドにはこちらで手続きしておくから、次にギルドで依頼を受ける時に言われると思う。

ダンジョンへ入る許可が出ました、とな! それじゃあ、本当に解散!!」


そう言うと、監視役として来ていたベテラン冒険者や職員が町へ戻っていく。

俺は、カールたちと握手を交わして、パーティーを解散した。


ギルドカードをパーティー全員で重ねることで解散できた。


「それじゃあ、カール。またどこかで」

「ああ、ユウタ。またどこかで」


カールは、この後同郷の仲間とパーティーを組んでダンジョンに挑むそうだ。

前々からの約束だったらしい。


「フローレル、ローラ、支援や回復をありがとう。

大いに助かったよ」

「こちらこそ、安全な戦いだったわ。

またどこかで、会えるといいわね」

「ユウタさん、ありがとうございました」


フローレルとローラは、次の町へ旅立つそうだ。

もともと、この町に来たのも、目的の町への向かうために寄っただけだったそうだ。

そして、この町に着いたとき、初心者講習のことを聞き参加したのだとか。


さて、俺も町に戻って自分のステータスの確認をしておこう。

それと、召喚できるようになった扉も確認しておかないとな……。







読んでくれてありがとう。

これからも頑張ります。

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