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人探しの調査で異世界に行きました  作者: 光晴さん


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第23話 合流



パーティーで連携しながらオークを倒し、ダンジョンを進んでいると前方で戦闘の音が聞こえた。

どうやら、他のパーティーに出会ったようだ。


「フローレル、前方で戦闘音が聞こえる。

おそらく他のパーティーが戦っているんだと思うが、どうする?」

「見えるところまで進みましょう。

どうするかはそれからよ」

「了解」


俺たちは、戦闘音のする方へ進むが、途中で悲鳴に変わった。

その変化に、俺たちが戸惑っていると、進行方向から人が現れた。

いや、人々が現れた。


「に、逃げろ!」

「ま、待ってくれー!」

「サヤ、急いで!」

「キョウちゃん! 待って!」

「「……」」


四人の新人冒険者と思われる男女と、付き添いのベテラン冒険者の二人が逃げてきている。

そして、その後ろからオークの大群が現れた!

パッと見ただけで、十体以上はいる。


もしかして、あいつらだけで相手をしていたのか?


「フローレル?!」

「カール! ユウタはできるだけ足止めを!

あの人たちと合流したら、逃げるわよ!」

「了解!」


俺は銃を構えると、走ってくる連中を射線から外すため、洞窟の壁まで移動して撃ち始める。

狙うは、襲いかかってくるオークの足!

パンパンと乾いた音が何発も響きわたり、その度に追いかけているオークが転倒していく。


「いいわ! 逃走をやめて、ここで迎え撃ちます!

カール、先頭で防御を!」

「了解!」


追いかけてくるオークが、転倒していく様子を振り向きながら目撃し、俺たちのパーティーを発見した逃走中のパーティーは、俺たちの元へ走ってくる。


「おーい!」

「た、助けて!」

「キョウちゃん、オークが!」

「分かってる!

前にいるパーティーがやったみたいね」

「すごい……」


『『『ブオォオオォ!!』』』


オークの咆哮を聞きながら、二つのパーティーが出会った。

その間も俺は、追いかけてくるオークの足に向けて発砲を繰り返している。

さらに、弾切れになると、急いでマガジンを交換し再び発砲した。


『『『ブギイィィ!!』』』

『『『『ブギイィイ!』』』』

『『ブゴオォ!!』』


足を撃たれて、転倒し、同じオークに押しつぶさたものや動けなくなったオークが、通路にひしめき合っている。

その光景を見て、どれだけのオークに追いかけられていたのか戦慄した。


「カール、止めを刺してきて!

あっちのパーティーの剣士にも手伝わせてね」

「ああ、行ってくる」

「ユウタは、辺りの警戒とオークが来ないか見張りを」

「了解」

「ローラ、私たちは治療をするわよ」

「はい、お姉ちゃん」


走り疲れて、座り込んでいる新人パーティーに近づき回復魔術を使い始めるフローレルとローラ。

それである程度回復した剣士に、カールが声を掛けた。


「君たち剣士か?」

「あ、ああ。俺は剣士だ」

「私も剣士だ」

「なら、二人はついて来てくれ。

倒れているオークに止めを刺す。

まさか、倒れたオークに止めを刺せないほど消耗していないだろ?」

「それぐらいなら大丈夫だ」

「私も、その程度ならまだ戦える」

「なら、ついて来てくれ」

「分かった」

「ああ」


座り込んでいた二人の男女の剣士は立ちあがり、カールについて行ってオークに次々と止めを刺していく!

恨めしそうなオークの鳴き声を聞きながら、どんどん止めを刺す。


俺はその間、オークが出てこないか警戒をしていた。

また、ベテラン冒険者二人は、リルカさんとシャーリーさんに挨拶をしている。


「よう、リルカ、シャーリー。

新人冒険者の観察、ご苦労さん」

「ガルダにレビンか。

それより何だい、あのオークの大群は」

「それがよう、次の階層へ向かう階段の前に集まっていたんだよ。

で、何とか倒すか散らさないと進めなくてな。

それで、ここまで後退しつつ相手をしていたんだが……」

「しきれなくて逃走か」

「おそらく、戦いながら次の階層へ逃げ込んだパーティーがいたんだろうな。

俺たちは、その尻拭いをする羽目になってしまったというわけだろう」

「ガルダ、お前たちじゃなくて、彼らが、だ」

「シャーリーは、痛いところをついてくるね」

「何言ってんのさ、レビン。

そういう時こそ、私たちベテランの出番だろ?

特別処置として、救済に入りなよ」

「二人なら、余裕だったはず」

「そうなんだが、あそこでオークに止め指している剣士がいるだろ?

男の方、名前をクロードって言うんだが、あいつが俺たちの参戦を拒んだんだ」

「俺たちで何とか対処しないと、成長しないとか何とか言ってな」

「それで、逃走していたら世話ないぞ……」

「一応あいつがリーダーしているから、カッコつけたかったんだろうな~」

「新人には、良くある話」


リーダーが判断を誤ったってことか。

リーダーのミスが、パーティー全体の生死にかかわる。

リーダーにかかる責任って、すごく重いんだな……。


その後、すべてのオークに止めを刺し終わり、俺たちとクロードのパーティーは一緒に行動することになった。

というより、フローレルがそう決めたようで、半ば強引に合流したといったところか。


まあ、俺たちはリーダーの判断に従うだけだが……。


「俺の名はクロード、パーティーのリーダーをしている。

合流したからと言って、そちらの下についたつもりはない!」

「……わ、私はマリア。剣士です。

将来は、魔法剣士になるのが夢です」

「私は、黒魔術師のキョウ・イスベル。

攻撃魔術を担当しているわ」

「わ、私はサヤです。

赤魔術師で、支援魔術を得意としています。よろしくお願いします」


そう言うと、一礼する。

どうやら、このパーティーで一番礼儀正しいようだ。

この後、俺たちのパーティーの自己紹介も終わり、この第五階層を進み階段を目指す。


クロードたちのパーティーに付き添っていた二人が、下への階段の前にオークがいてこうなったと言っていたから、階段の場所はクロードたちも分かるだろう。

さっさと、次の階層へ進み目的地の十階層に到達したいものだ……。







読んでくれてありがとう。

これからも頑張ります。

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