第15話 闇の救世主
戦闘シーンあり
「う、うぅ……」
男は目覚めの悪そうに頭を押さえて起き上がる。
「ヨッシァァ!!後は任せたぜ戦犯!!」
「行け戦犯!!」
男の横をふたりが駆け抜ける。
「……ふぇ?」
いきなり過ぎて頭の処理が全く追いついていない様子。
「なんだってんだ……?」
状況が理解できないまま、ひとまず立ち上がる。
すると、目の前で謎の球体がグングンと膨張していた。
「ファッ!?……オラッ!」
男は驚き、握っていた斧槍を構えて斬りつける。が、膨張する球体はそれを柔らかく受け止め、ボインッと跳ね返す。
「ううおっ!?なんだコレ!」
膨張するそれに飲み込まれないように退きながら、何度も刺したり突いたり斬ったりするが、効果はない。
「くっ……クソっ!」
どんどん加速する膨張。このままでは飲み込まれてしまうと判断した男は、踵を返して逃げに徹しようとする。
いざ振り返ると、視界に映ったのは倒れ込んでいる3人の仲間。
――ハッ!あいつら……!そうだ、俺らは4人で塔を攻略しに……!
「起きろォ!!お前ら!立ち上がって逃げるなりなんなりしろやァァ!」
男は走りながら叫ぶ。男の声が届いて僅かに動き出す者もいたが、膨らむ球体から逃れるにはもう遅い。
――ブロート!キリー!キャップ!……クソ!3人はムリだ!
男は苦しい表情で、なんとか1人を引っ掛けて一緒に連れ去る。
「後で助けてやっから死なずに待ってろよ!!」
男は扉の向こう側へ飛び込む。すると、倒れていたはずの仲間2人が先んじてヒョイと、何か黒いものに引っ張られて塔を脱出。
――!?
最後、斧槍に引っ掛かった男の足を掠めるように、膨らんだ球体は中途半端に開いていた扉を押し込み、それを閉ざした。
「……グッ!あっぶねェ!ヒ〜!なんかなんとかなった!?」
男はハラハラが収まらないまま、4人揃って脱出できたことを確認する。
「危なかったですね」
男の前に現れたのは、顔色の悪いダスター。
「おお!もしかしてアンタが2人を!ありがてえ!感謝!」
男はダスターの手を両手で握ってブンブン振る。隣でようやく目を覚ました仲間たちは、何も状況が理解できていない様子でそれを見ている。
「いえ、礼には及びませんよ。そんなことより、あなたたちは一体どのようなつもりなんでしょうか。塔に立ち入る事は固く禁止――」
ダスターが4人に説教をし始めるかという、その時。
バゴォンッッ!!!
と、破裂音に似た大きな音と共に、扉が勢いよく外側に開いた。
「うおぉぉぉ!?なんだ!?」
「おや、外側にも開くんですね」
「あの膨らんでたヤツが破裂したか!?」
「おい、中になんかいるぞ……」
塔の中にいたのは、気持ち悪い粘液に包まれた魔物。瞼に包まれた目玉に羽が生えたような形をしていて、デカい。目玉の直径だけでも人の身長よりもある。それが3体、目を瞑って居座っていた。
「魔物……あれは要注意ですよ」
ダスターは警戒しながら片刃の剣を構え、戦闘体制をとりつつ様子を窺う。
「先手必勝!産まれたての今のうちに!!」
「おう!!」「行くぞッ!」
ダスターに先駆けて、魔物と分かるや否やそれに向かって突撃する男とその仲間たち。
「全身急所の目ん玉バカめ!!」
4人は威勢よく魔物に襲い掛かり、もうそれぞれの刃がそれぞれの魔物に届く寸前。
目玉の魔物が瞼を開いた。
大きな目玉と視線がカチリと合う、4人の男たち。
直後、4人の身体の底から湧き上がるのは強烈な不快感。悪寒、めまい、痺れ、腹痛、頭痛、息切れ、吐き気……。全身が拒絶反応を示し、もはや身体を動かすことができない。
「ォヴぅ……」
「あ……あぁ……」
「黒、魔法……」
「まず、い……」
たったの一撃で4人は倒れ、意識を失った。
そんな4人のことは眼中にないと言った様子で、徐に目玉の魔物は羽を広げて宙を飛び始める。
魔物の様子を見ていたダスター。
――やはり黒魔法ですか。相手の身体に刻まれている魔法陣を暴走させ、様々な症状を引き起こす攻撃魔法。訓練による耐性の会得は難しく、基本的に白魔法で対抗するものですが……。私は一切の白魔法が使えない。相性は最悪ですね。
「……それでも、あなた方を外に出す訳にはいきません」
ダスターは手に持っていた黒い剣を、ヒュンと宙を浮く魔物に向かってブン投げ、刹那、自身も跳躍する。
ダスターの手を離れた剣は、魔物の目玉に向かって一直線。それに対して魔物はすかさずその羽根と瞼で防御し、眼球に至る前で止めた。
その背後に、真っ黒な槍を構えたダスター。
投げた剣が魔物に到達するまでのほんの僅かな時間に、壁を伝って空を飛ぶ魔物の背後をとっていた。
「まずは1匹」
長い槍でひと突き。巨大な目玉を貫通した。
「さて次は……」
突き刺した魔物の上で次の相手を見定め、そのまま踏み台にして高く飛び上がる。同時に、手には新しく生成した双剣を握る。
「あいつですね」
残りの2体の内の1体に目を付け、上から双剣を投げようと振りかぶった、その時。
――!!
投げつけようとしたその魔物の皮膚がツーッと切り開かれ、そこから瞳が現れた。
――新しく瞼がッ……!
目と目がカチ合う。その瞬間、ダスターの口と鼻から血が飛び出す。
「ゥゴフッ……!」
全身の力はスゥと抜け、受け身もまともに取れないまま地面に激突。
「ああ……!くっ……目が合うだけでこれほど……!」
膝をつきながらなんとか立ち上がり、体勢を立て直す。
――目を合わせるのは危険……加えて、何処から目が現れるか分からない……。となれば。
「あの方とお揃いです」
ダスターは黒く薄いものを作り出し、それで目を覆って視界を閉ざした。
「これだけで、なんだか強くなった気がしますね。さてと……」
――目は見えない。しかし、他の感覚を研ぎ澄ませれば……。
ダスターは剣を構えて集中する。暗闇の中、感覚が研ぎ澄まされる。
――何も見えない。……あれ、何も見えませんね。……あれ?いや、当たり前ですが。……これ、どうすればいいんでしょうか。音を便りに……いや、心臓の鼓動がうるさいです。はて、どうしたものか……。
何も見えず、ウロウロするぐらいしかできなくなってしまったダスター。先に倒れた男たちの手脚を踏んで転けそうになる。
「アブッ!」
そんな滑稽な姿を、冷ややかな目で見ている人物が1人。
「な〜に遊んでるんスか。ししょーみたいな眼帯付けて」
「その声……!」
聞き覚えのある声と喋り方。ダスターは目隠しを外す。
「レプリト!?何故ここに?」
「なぜって……自分で呼んどいて何言ってんスか」
レプリトは両耳に付けられた耳飾りのうち、壊れている方を指でぷらぷらさせる。
「呼んだのはついさっきです。北の浮遊大陸にいたのでしょう?」
「あー……それはまあ、〈道〉はししょーんちに繋げてある、みたいな?」
「……はぁ。そういうことですか。何をやってるんですかあなたは。それでは色々と支障が出るでしょうに」
「あ!ししょーだけに!?」
「ゴグゥハァッ!」
ダスターは吐きながら崩れ落ちる。
「え!?そ、そんなに!?拒絶するほど寒いダジャレだったっスか!?」
レプリトは崩れ落ちるダスターを支える。
「そんな訳ないでしょ……」
ダスターは目を閉じたまま、レプリトの背後にいる目玉の魔物を指差した。レプリトのダジャレが炸裂した瞬間、不意にダスターの視界に目玉の魔物が映り込んだのだ。
「ちっ。アイツめ……」
レプリトは自分のボケを潰されたことへの憤りをぶつけるかのように、ガッチリ目玉の魔物と目を合わせる。
魔物は目を今までにないほど大きくカッ開き、瞳孔をギューっと縮める。白目は血管が浮き出で赤く染まり、今にも爆発しそうな形相をとる。
「目障りっス」
レプリトが冷たくそう言うと、目玉の魔物は身体の内側からどろどろに溶け、綻びる。のほほんと浮いていたもう1体の目玉も、塔の内壁から突如出てきた黒くて鋭いものに貫かれて、堕ちる。
レプリトは目玉の魔物2体を片付けた。その場から一歩も動くことなく。一瞬で。
「もう少し早めにやっといてくださいよ、全く……」
ダスターは呆れつつ、一息ついた。
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「さァ〜てキミたち!!どーして立入禁止のこの塔に勝手に入り、あげくの果てに街の人々に多大なる迷惑をおっかけるとかいうバカなマネをしたんスかねぇ〜?」
外にピチッと立たされ、レプリトに凄まれるガタイのいい4人の男たち。
「あのー。その前に、あなた様はどちら様で……」
「んなモン見て分かれマヌケーっ!!チョーゼツ綺麗な美女っス!それだけでキミたちより身分も立場も上!分かったら質問に答える!!」
「は、はい……」
「声が小さぁぁい!!!」
「「「「ハイッ!!」」」」
ピチィイ!と姿勢を正して返事をする男4人。
「いいっスか?アタシは怒ってるんスよー?ガラでもなく説教してやるから覚悟するっス。よく聞くんだぞお前たちぃ!!」
「「「「ハイッ!!」」」」
そんな説教される4人組を眺める、唯、智博、ダスター。
「――いやー、レプリトさんが来てくれてよかったなあ。流石はファルガバードさんのお弟子さんで現月輪。誰かさんより頼りになる」
「いやホント。あの黒い十字架の正体がレプリトさんでよかった。世界の終末かと思ったぞ、マジ」
「私が見つけやすいように、派手なものを出してくれていたようですね。ところで、誰かさんって誰です?」
「さあ?誰なんだろうなあ……」
智博はあからさまにすっとぼける。
「てか、レプリトさんが来てくれるならあたしたちがわざわざ塔に入った意味よ……」
「まあいーじゃないの。多分なんかいい結果に繋がったに違いないって。きっと、おそらく、十中八九」
「希望的観測だな」
リスクを冒して頑張っただけに、無駄だとは思わないようにする。
「――で、なにしに塔に突っ込んだんスか」
男たちに詰め寄るレプリト。
「仕事です!塔を攻略しろって言われたから突っ込みましたぁ!」
「右に同じく!」「同じく!」「同じく!」
4人は訓練された兵士のようにシャキッとした動きで答える。
「仕事ぉ?言われたぁ?王様っていう一番偉いおじいさんが塔の立入を禁止してるのにっスかぁ?それならとーぜん、それ相応の令状を受け取ってるんスよねぇ?」
「ハイッ!相応の令状を受けとりました!」
「コチラです!」
男の1人が、懐から1枚の紙を取り出す。ひと目見れば誰でも分かる、特別に上質な紙だ。
レプリトはその令状を奪って開く。
『この状を受け取り次第、金等級討伐班【鋼の猛進】以下4名は、ニキの街のすぐ北に建つ不気味な塔を攻略し、その後内容を報告しなさい。
――――
518年4月23日 神樹の都神官長 トーザス・ビンスタック』
「トーザス!え!?トーザス・ビンスタック!?はぁ!?なにやってんだ、あのおっさん!!」
驚いて思わず大きな声が出る。
トーザス・ビンスタック。七曜の1人、木星の称号を持つオカマだ。
「おっさんてオイ……いくらなんでも失礼だぞこの人……」
「な。この嬢ちゃんマジで何?助けてくれたのはあのハンサムな男の方なのに……」
コソコソと不満を垂らす。男たちはダスターが全てなんとかしてくれたと思っているようだ。
「トーザス神官長はウナレスで一番偉いお方!我々はその方の指示で来たであります!」
「ンなことあるっスか?……でも、印もちゃんとしてるし、この魔力ぅ……。間違いなくあのおっさんのっスねぇ……」
レプリトはいろんな角度から令状をジロジロ見るが、どうやって見てもそれが偽物とは思えなかった。
「ん〜。まあいいや!責任はトーザス神カンチョーにあるから、キミたちの罪はそこまで重くないってことっス。人権とかは無くならないと思うぞ!よかったね!」
レプリトは男たちの肩にポンと手を乗せ、ニコニコ笑顔で言う。
「塔の方はもう済んでるから、あとキミたちはなんだかんだ上に報告すればいいってことっスね。あ、でもその前に街の人たちに説明とか釈明とかしてなんとかしといてね。じゃあね、バイバイ!」
レプリトは起立している男たちに向かって、令状をピラピラさせながら笑顔で手を振る。しかし、男たちが動く気配はない。
「……あのぅ。その令状、俺たちが受け取ったやつなんですケドも……」
「あン!?なんスか!?そんなことは百も承知っスよ!」
「あのォ!!その令状!!俺たちが受け取ったやつなんで!!返してくれまぜんが!!」
男は大声を出して対抗する。
「……やだッ!!」
一蹴。
「なんでですか!!それ他の人に渡しちゃダメなヤツなんで!!返してよ!!」
「うむ!!確かに人に渡しちゃダメっス!!でもアタシから奪うのもダメ!!」
「そんなアホな!!」
「返して欲しけりゃ力づくで奪ってみろォ!!かかってこい金等級!!」
「よしいくぞみんなァ!!」
「ウオォー!!」「この不届き者め!!」「返せゴラァ!!」
男4人が叫びながら、1人の女に襲い掛かる。だがしかし、残念なことに全て避けられ、掴まれ、投げられ、蹴り飛ばされてしまう。
「フベラッ!」「ハベラッ!」「ホベラッ!」「アバラッチィ!」
全員、奇妙な鳴き声と共にニキの街へと吹っ飛ばされてしまった。
「ふん。軟弱っスねぇ。そんなんだから気絶するんスよ」
手に持った令状をピラピラ揺らしながら、空を飛んでいく4人を見送った。
「……人が4人ほど空を飛んでいきましたが、どうかしましたか。くしゃみでもしました?」
何があったのかと、ダスターたち3人がレプリトのもとに駆けつけた。
「見てダスター!コレ!」
レプリトは男たちから奪った令状をダスターの顔面に突きつける。
「何ですか……」
ボケに反応してもらえなかったことをもどかしく思いつつ、ダスターは令状を手に取って目を通す。
「ふむ。あの人たち班金等級だったんですか。であればまあ、依頼されていてもおかしくはないのでは。ダメでしたけど」
「半金等級って何ですか?半分ぐらいプロだったってこと?」
知らない言葉に、智博が訊ねた。
「……?等級は魔物討伐における実力の尺度です。上から金銀銅。金等級ともなれば、自然発生する魔物相手に負けることはまずないです。あの4人は班金等級。4人で金等級の実力があるということですね」
「ああ、班金等級ってそういうこと」
納得しながら、手帳にメモをしておく。
「そこはいいんスよ。最後読んだ?」
「最後……『518年4月23日 神樹の都神官長 トーザス・ビンスタック』ですか。彼なら妥当でしょう。これが何か?」
「あれ……?もしかして知らない?ししょーから聞いてないの?」
「ええ。ファルガバード様は王都に行ったきり、まだ帰ってきていませんから」
「あ。そーなの。まだなんかやってるんスか。いやね、この前みんなで城に集まったって言ったじゃないっスか」
「ええ。言ってましたね」
「そん時に、塔の攻略は全部アタシら7人でやるって決まったんスよ。王様が『お主らどうせ暇じゃろ』とか言って。アタシ暇じゃないのに。まあでも塔に入ったら何が起きるか分からないっスからね。今回みたいに」
「そうですか。では……」
「そーーなんスよっ!!あのおっさん!!自分の仕事なすりつけた上に、結果として街の人たちを危険にさらしてるんスよ!約束破って!」
「それはあり得ませんね」
「そう!あり得ないんっスよ!あの変態のおっさん、ついに頭の芯のトコまでイカれたんスか!?」
「そうは思いたくありません……。七曜ともあろうオカマが。何か事情がありそうですが」
「え?今さらっとオカマって言わなかった?」
「言ったな。オカマなんだろ」
ぬるりと出たダスターのオカマ発言を聞き逃さないふたり。
「アタシも流石にあのおっさんがイカれたとは思いたくないっス。で、直接この令状を突きつけて説明してもらおうかと思って」
「それで無理矢理奪って吹っ飛ばしたんですか」
「そーゆーコト」
「それ、犯罪では?」
「うっさい黙れ!罪を犯すぐらいがなんだってんだ!」
「彼らが不憫です」
「別にいいっしょ。ということで、アタシはこれから神樹の都に突撃訪問してくるっス。そっちはこの後どうするんスか?」
「なら、ついでに私たちも神樹の都まで持っていってください。本当は浮世離れせず普通に移動したいのですが、街は少しの間混乱していそうですし、お金もありませんし」
「ああそう?いいっスよ」
「えー。あたしもうお家帰りたい。人探しも別に急ぎじゃないし、街も観光できたし、あとなんかもう疲れました」
「俺も。やっぱファルガバードさんと一緒の方がいい」
ふたりは駄々をこねるように言った。朝から騒動に巻き込まれ、うんざりしているようだ。
「あ。キミたち。もしかしてジョーシキとか足りてないカンジっスか?」
レプリトが急に言った。
「あ、分かります?やっぱ発言の節々に知性感じさせちゃうかなあ!」
「それマイナスの知性だから。嬉しそうに言うな智博」
「じゃあ、お家に引きこもったりししょーに甘やかしてもらったりしちゃダメっス。そんなことしてたらコイツみたいになるっスよ?」
レプリトはダスターを親指で差す。ダスターは神妙な面持ちだ。
「いや待ってください。確かに私は引きこもっているといえばいますが、甘やかされては――」
「それはマズい!」
「よし、やっぱ行きましょう!」
食い気味にレプリトの言葉に乗るふたり。
「ハハハッ!イイね〜!キミたち」
「……。なんだか、私の扱いが雑になっていませんか?おふたりとも」
「今のはレプリトさんが悪いですよ」
「うん。あんなことされたらあの反応するしかないですもん」
「そーいうのはちゃんと分かってるんスね〜。えらいえらい」
「変なことを吹き込まないでください。行くならサッサと行きますよ」
「へい。了解っス」
レプリトはダスターに催促され、地面を闇の沼に変化させる。
「うわぁっ!」「沈む!やっぱ怖!」
徐々に闇に飲み込まれ、唯と智博は抱き合ってビビる。一方、ダスターとレプリトはなんてことない様子。
「光が無いだけで息はできるから安心するっス。大体1時間とかで着くつもりねー!」
「うおぉ……!」
「飲み込まれるぅ……」
大丈夫だと分かっていても、できるだけ最後まで口を出そうと頑張りながら、ふたりは闇に沈んでいった。
ちなみに、ダスターはアホです