自信のない男子と自信のある女子の恋愛模様
「高橋君、私と付き合って下さい!」
「断る!」
俺は今女の子に告白された。しかも校内を1,2位を争う女子にだ。彼女の名は川内さん。俺から見ても美しい人だ。
「な、なんでよ!私の何が悪いの?」
(まぁ、そうなるよな……)
「俺とは不釣り合いだからだ。悪い事言わないからこのまま帰れ。」
それだけ言うと俺は駐輪場に行き自転車に乗ってそのまま帰った。
次の日
「高橋君、私と付き合って下さい!」
「断る!」
「だからなんでよ!」
(いや、昨日も言ったじゃん……)
俺はため息をつきながら話始めた。
「はぁ……俺がみんなからなんて言われてるのか知らない事ないだろ?」
「知ってるわよ。フジツボでしょ。」
このあだ名が何故ついたのか、それは俺の顔にはたくさんのニキビができていてそれが潰れたり破れたりしてボコボコしてるからだ。
「分かってるならやめときな。こんな気持ち悪い奴の隣にいたっていい事ないぜ……」
「そんなのどうだっていいわ。私はあなたが好きなの!だから付き合って!」
俺に向かって叫んでいたが、俺は無視してそのまま帰る。
(あれはどうせ罰ゲームだ。何度も騙されてたまるか。)
俺も一度は夢を見た。だけど、のこのこと待ち合わせ場所に行けば複数の男達に囲まれてそのまま俺はリンチに遭いおまけに罰金とか行って財布の金を全額持ってかれた。もうあんな目に遭うのはごめんなのだ。
俺は自転車に乗って帰宅した。
そして翌日。
「おい、待てよ高橋!」
今日は川内さんではなく、クラスの中心メンバーの上田が来た。
「なんだよ。お前らにちょっかいかけた覚えはないけど?」
「ああん?テメー、分かってねぇーのか?」
「しらねぇーよ。面倒事にこれ以上巻き込まれたくないんだが?」
「オメー、俺の女にてぇー出しただろ?」
「はぁ?何言ってんの?まずお前に彼女がいた事すらしらねぇーし、俺は女子に自分から話に行ってないが?」
「無自覚か……じゃあ殺す!」
上田たちは関節を鳴らしながら近づいてくる。
「お前ら俺相手に4対1かよ。プライドないの?」
「減らす口だな、これはいじめじゃねぇー、制裁だ!」
そう言って上田は殴りかかってきた。
(もしかして……)
「上田、お前が言ってる女って川内さんの事か?」
「分かってるじゃねぇーか!」
フルスイングで殴ってくる上田のパンチを交わしながら話を続ける。
「確かに話したが、それは向こうからだぞ。」
「あぁん?知るか!喋った時点でちょっかいかけてんだよ!」
(うわぁー……理不尽)
流石に理不尽過ぎるので殴り返そうとした。あのリンチ以降、俺は自分の体を鍛えた。自分を守る為に。しかし……
「何してるの!」
後ろから声がして、上田の拳も止まったので俺は後ろを振り返る。そこには川内さんがいた。
「アンタ達何してるのよ。」
ゆっくり近づいて来る川内さんはめちゃくちゃ怒っていた。
「いや、俺たちはその……」
「どうせ私がアンタを振った時に高橋君の名前だしたから襲いに来たんでしょ!分かってるんだからね!」
「いや……そんな事は……」
「消えて……」
「えっ?」
川内さんは小さな声で言った為俺にしか聞こえていなかった。
「さっさと消えろ腐れ外道!」
「「「「は、はい!」」」」
蜘蛛の子を散らす様に上田達は逃げていった。
「ふぅー……大丈夫高橋君。」
「う、うん……問題ない。ありがとう。」
「どういたしまして。ねぇ、改めて私と付き合って。」
「はぁ……しょうがないな。仮が出来てしまったし。いいよ。付き合ってやるよ。」
「や、やったー!」
川内さんは泣きながら喜んでいた。
(まぁ、直ぐに飽きてどっか行くだろう……)
俺はそんな甘い考えでいたのだが、ここからまさか6年も付き合う事になるとは思わなかった。
6年後……
「ねぇー、もうすぐ大学卒業だし卒業したら結婚しよ!」
「断る!」
「なんでよ!もう6年も付き合ってるんだよ!何が不満なのよ。」
「不満なんてない。むしろ満足さ。」
「じゃあなんでよ?」
「君を幸せにする自信がない。」
「はぁ?何言ってんのよ。」
「いてっ……」
川内さんは俺の頭を軽く叩いた。
「私が幸せにしてあげるから!付いてきなさい!」
「はぁ?そんな男カッコ悪いだろ!」
「いいの!私がアンタが幸せにしてあげる!だから結婚しなさい私と!」
(この人なんでこんな自信満々なんだよ……)
そのままの流れで俺たちは結婚してしまった。そして付き合ってた時と同じ様に旅行にも行って飯食って、一緒に寝てたまに喧嘩をして暮らした。
10年後……
「ねぇ、アナタ今幸せ?」
「うるさい、幸せだよ!」
俺は今後もこの人に付いて行こうと思います。
読んで頂きありがとうございました。
はじめての普通の恋愛小説は書いててなかなかに面白かったです。
楽しんで貰えていたら幸いです。