助手はいりませんファイブ ～筋しなばしかむ肉～
なんて言うか、本当になんでこんな事になったんだろう？(・・?
昔々、ある所にサワガニの親子がおりました。
「クラムボンが笑ってるよ父様！！」
「坊、そんな事より筋トレをしなさい！」
父蟹は息子に筋トレをさせ、
後々自分の様なフォーパック、
更にはその上のシックスパックにさせるべく厳しい筋トレをさせておりました。
そんな折、
ひと粒の種が川上から流れて来て、
親子の前で沈んだのです。
「これは柿の種だ！プロテインではないが実がなれば腹が膨れる！」
父蟹は種を拾い上げると近くに植え親子で筋トレの合間に一生懸命世話をしました。
植えた種は直ぐに芽を出し、
それは立派なマッチョな木に成長しました。
マッチョな木は直ぐ実を付け、
食べられるまであと少しという時、
1匹の猿がその実に目を付けました。
「父様！もう柿が食べられるかな？」
「柿は赤くなったら食べ頃だ！それまでは筋トレだ！」
親子は幾日も筋トレをし、
柿が赤くなった時、
衝撃を覚えました。
「柿の実が、取れない！」
親子は木に登れず困り果てており、
困っている所に1匹の猿がやって来たのです。
「お困りの様ですね？良ければ、あっしが取ってあげましょうか？」
猿の申し入れに、
親子は柿を食べられると感激しました。
頼まれた猿はスルスルと登るとその実をむしゃむしゃ。
サワガニの親子には1個もくれません。
「そろそろ、我らにもくれんかな？」
父蟹は猿に再度頼み、
猿は「ほらよッ」と言うと青く硬い実を父蟹に向けて投げつけたのでした。
父蟹は硬い実の直撃でそのまま昇天し、
猿はお腹いっぱいになったので、
そのまま帰って行きました。
残された坊は訳も分からず立ち尽くしていると、
どこからともなく声が聞こえて来たではありませんか。
「坊、その青い実を食べなさい。そして、父親の復讐をするのです。」
それはマッチョな木の精からの言葉でした。
坊はその言葉に従い実を食べると、
不思議な事に坊の身体はマッソーになったのです。
マッソーになった坊は父親の復讐の為、
猿の家へと向かいました。
猿は家の中で寝ており、
坊は鋏で家を切り刻むと家は全壊し、
どっしーんと盛大な音を立て崩れました。
焦った猿がゴソゴソと這い出すと、
坊は焼けたイガグリを投げ、
止めに臼を頭上から投げたのです。
頭上から降ってきた臼に対して拳を高く掲げ、
臼が2つに割れる程の衝撃が辺りに木霊した時、
猿は「我が生涯、いっぺんに台無し」とだけ呟きその場に倒れました。
坊はその後も柿の木を一生懸命にお世話しましたとさ。
めでたしめでたし。
さてさて、本日を持ちまして、助手はいりませんシリーズは完結となりました(* ´﹀` )*_ _ ) ペコリ
反響があったら連載作品にするかもですが、どうでしょうね？←
