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 でも…でも、そんなに上手くいくかな?


 怖いよ、清人。


「美香は怖がりだな。俺が大丈夫って言って、大丈夫じゃなかったことあったか? 思い出してみろよ。お前をイジメてきた小学校のときの『真紀』、それに散々、お前に色目を使ってきた2番目の親父の『雅弘』。あれは高校のときか? どっちもバレてないだろ?」


 うん…うん…バレてないよね。


 清人の言う通りだよ。


「3年前のお前の彼氏のバンドマン。お前から大金を騙し盗った『和幸』も俺がお仕置きしてやったろ?」


 うん、うん。


 あのときはスカッとした。


 お金は戻ってこなかったけど、滅茶苦茶スカッとした。


「あれもバレてないだろ?」


 そうだね…バレてない。


 清人に頼めばバレないよね。


「ほらな。あんまり深く考えんなって。お前は気が小さすぎるんだよ。よし、それじゃ行きますか」


 清人が上着を脱いで、血のついた側を内側にする。


 課長を殴った石をそれで包んだ。


 両手で抱える。


 2人で路地裏を出た。


 そうだ、今回も清人を信じて頑張ってみよう。


 2人なら、きっと上手くやれるはず。




 ガラスの向こうに座る女を指差して刑事が言った。


「あなたが、事件当夜に現場近くですれ違ったのは彼女ですか?」

 質問された男は、じっと女を観察した。


 女は殺人事件の被害者と事件発生時に行動を共にしていたと思われる容疑者、鈴木美香、28歳、派遣社員。


「違います」


 男が答えた。


「間違いないですか?」


「はい、間違いないです。私が見た女性は、もっと目付きが悪くてギラギラしてて…何というか、とても怖い感じがしました。こんなオドオドした大人しい雰囲気じゃ…」


 刑事が顔をしかめた。


「髪型や顔は?」


「髪型は似てます。でも顔は…さっきも言いましたが…顔は、まるで違います」


「その女性はどんな服装でしたか?」


「白いシャツにスカートでした。革手袋をした両手で丸めた服のような物を持ってて…雨で全身が濡れてました」


「あなたが路地裏から出てくるのを見たのは、その女性1人だけですか?」


「はい、1人だけです。他には誰も居ませんでした。それは間違いないです」


 男は断言した。




おわり

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。


 大感謝です。


 けっこう怖くなったと思います。←手前味噌(笑)

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