表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

冬怪談

幽霊2


はぁ、やっと居なくなってくれたか・・・。


俺はさっきまで親密そうな雰囲気を演じさせていた、女の手を振り払った。


「あら、つれないのね?」


女はわざとらしそうに手を摩りながらニヤニヤ笑みを浮かべるものだから、俺は舌打ちしてから後部座席にドカッと腰を下ろした。


女はそれに合わせそこが自分の居場所であると言わんばかりに俺の横に腰かけた。


「わざわざ外にまで連れ出してくれるものだから何を企んでいるのかと思ったけど、かわいいストーカーさんね?」


「うるせぇーよ」


俺はぶっきらぼうに女に返答すると事の次第を回想した。


一か月ほど前からだろうか?


俺はストーカー被害に苦しんでいた。


しかも質が悪いことに相手は幽霊だ。


一般の人間なら幽霊を見ることができないから気にもならないのだろうが、残念なことにおれは霊能力者だ。


名のある神社の家に生まれたせいだろうか?


幼いころから幽霊を嫌というほど見てきて苦労している。


それこそ、一部例外もいるようだが、奴らは自分が死んだことを理解していないので、こちらの迷惑も考えずにズカズカ干渉してくる。


「でも大したことない子ね。あなたに添い人がいることを知っただけで、諦めちゃうなんて・・・」


「それが普通なんだよ」


「そうかしら? 三角関係は物語を盛り上げる上ではお決まりの展開じゃないかしら?」


「これはリアル、現実だ。 作り話と一緒にするな」


俺はため息交じりに返答した。


「というか、お前はいつになったら諦めてくれるわけ?」


「そうねぇ、それこそ死ぬまでじゃないかしら?」


「ちっ!知ってるくせによ」


女はクスっと笑ってから、先に部屋に戻ると言い残し、バスをすり抜けていった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ