66 ウルトラマンが光るのって漢のロマンだよね(HONDAベータ-カプセルライト修復編)
今回は、第15回で修復できなかったベーターカプセルの修復です。
自慢じゃないけど、あたしは執念深い。
欲しいと思ったら、大抵は手に入れるまで騒ぎ続ける。
ポピニカのホバーパイルダーなんか、手に入れるまで20年掛かった。
もちろん、20年ずっとあちこち覗いていたってわけじゃないんだけど、チャンスがあれば手に入れたいと思って、中古屋とか行ったら大抵探してた。
手に入れたのも今から四半世紀前で、当時はまだネットが発達していなかった。そんな時代の話だ。
で、何の話かというと。
去年のお正月に修理を断念したHONDAのベーターカプセルだけど、あたしはまだ諦めていないのだ。
所詮素人でしかないあたしが、すぐに直せなかったからって、本当に修復不能とは限らない。
あたしは、別に、テスターとか使って通電状況を調べていないし、仮の回路や電源を接続して動作確認してるわけでもない。
電池にコードを繋いだものをあちこち触れさせて、動作するか見ているだけだ。つまり。あたしのやり方が悪くて故障箇所を見付けられないだけかもしれないのだ。
そんなわけで、この1年半、あたしは時々思い出しては、どこが悪いのか調べていた。
あの時は「ICがいかれたっぽくて修復不能」なんて思ったけど、あたしの早とちりの可能性が高い。だって、その半年前まで使えたのに、突然ICがダメになるなんて、よく考えてみればおかしいじゃない。
あの時どうしてすぐ気が付かないのかってツッコミはあると思うけど、却下。あん時は、そう思っちゃったのよ。それで捨てたとかってわけじゃないから、ノーカンよ。
で、また色々試してみる。
このベータカプセルの仕組みは、ボタン電池3個を電池ボックスに入れて、それをスライドスイッチで基板に繋ぎ、基板上のタクタイルスイッチとICの組み合わせでON・OFFの認識をするというものだった。タクタイルスイッチは、押している間だけ電流が通るんだけど、ICとかと繋ぐと、押された回数に応じて違う動作をさせることができるのよ。
メインスイッチがONの状態で、ベータカプセルの赤いボタンを押すと、その下のタクタイルスイッチが押され、変身音が鳴ってLEDが点く。もう一度赤いボタンを押すと、タクタイルスイッチがまた押されてLEDが消灯する。要するに、変身音が鳴るだけの懐中電灯だ。
よくある“押すとON、もう一度押すとOFF”の押しボタンスイッチじゃないのは、外見上、赤いボタンがへこんだ状態にならないようにってことと、メインスイッチが切れた時の安全装置的な部分かもしれない。
どういうことかというと、点灯状態でメインスイッチが切れた場合、押しボタンスイッチだと、次にメインスイッチを入れた時にいきなり点くけど、タクタイルスイッチだとメインスイッチが切られたことでリセットされるから、次にメインスイッチを入れてもOFF状態から始まるってこと。
去年のお正月当時は、そこまでわからなかったんだよね。タクタイルスイッチを初めて使ったのは、去年のGWのソフビ・ガイアだったから。
で、タクタイルスイッチとICなんかの組み合わせでON・OFFできるスイッチが作れるって知ったのは、今年のGWのソフビ・ダイナと変身アイテムセット版アグレイターの時だったから。
あたしがいつまでも同じ力だと思うな!
つまり、1年半経って経験積んだことで、以前は気付かなかった故障原因に思い至るかもしれないってことなのよ。
そんなわけで、スライドスイッチそのものの接触不良も疑ってみよう。
スライドスイッチの接点同士を金属棒で押さえてショートさせた状態でタクタイルスイッチを押す…点かない、鳴らない。
スライドスイッチから伸びてる経路を少しずつずらしながら、別に用意した電源を繋ぎながらタクタイルスイッチを押していくと、変身音が鳴った!
やっぱりICは生きてた!
詳しく調べてみたら、基板に繋がってるコードの1本が断線してるっぽい。
これを繋ぎ直せば、復活してくれそう。
ふっふっふ。
まだ直っていないけど、敢えて言おう!
あたしってば、天才!
うんうん、ネタさえ割れればどうということはないね。
要するに、皮膜の中で断線してたけど、皮膜に押さえ込まれてるから、角度によって時々接触して通電してた、と。そりゃ気付けなかったわけだね。
つまりは、安普請ってことなんだね。
いじってるうちにLEDのコードも千切れちゃったんだけど、コードの被膜剥いたら、銅線細! 1本…ではさすがにないけど、2~3本? こんな手抜きな銅線ってあるんだぁ…。
これは、すぐ断線するのもわかるね。銅線よっか皮膜の方が強度あるじゃん。
とにかく、3本ハンダ付けし直せばよさそう。
作業中に、もう1本電源のコードが切れたけど、それも含めて無事修復済み。
さぁ、スイッチ入れるよ。
シュワッシュワシュワ…
OK! 無事復活!
1年半の時を超え、今ここに甦った!
何度でも言ってやる、あたしってば天才!
今持ってるベーターカプセルは、これと、ウルトラレプリカ、フラッシュビーム、変身アイテムセット、ウルトラの星計画付属品、変身シーンダブルキーホルダーの6つ。
左から、キーホルダー、ウルトラの星、HONDA、フラッシュビーム、アイテムセット、レプリカ
ベーターカプセルの商品は、ほかにもあちこちから色々出てるし、バンダイ製だけでももっとあるけど、ギミックとか値段とか、諸々考えると、あと欲しいのは科特隊カレーとバンダイの本当にフラッシュが光るやつくらいかなぁ。
一応、USBメモリでベーターカプセルを作りたいとは思ってるけど、そっちは、タネにするガワがないから、塗装とかでごまかす感じだよねぇ。
HONDA「ウルトラベーターカプセルライト」
2010年に、ホンダで試乗・査定・商談すると応募出来たキャンペーンで4,600名に当たった景品だとか。
梓は、後に某所で手に入れたが、いつの間にか鳴らなくなっており、2019年の正月に修復しようとしてできなかったため、その後も時折分解してはどこが悪いか調べていた。
ウルトラレプリカ
2016年にプレミアムバンダイから限定で発売されたもの。スパークレンスと並んでシリーズ第1弾だった。
スイッチを押すと、LEDが光って変身音が鳴るほか、BGMが鳴ったり、約3分でカラータイマーの点滅音が鳴りつつフラッシュ部が赤く点滅するという、どこかズレたギミックの塊。
正直言わせてもらうと、せっかくメーカー製作なのだから、LEDではなく本物そっくりに眩く輝くフラッシュが欲しかった。
「フラッシュビーム ベーターカプセル」
1992年にバンダイが発売したもの。
本来の赤いスイッチは塗装だけのダミーで、その下の四角いスイッチが本命。押すと変身音がなると同時に、赤いLEDが激しく点滅する。
梓は、これを割と最近になって手に入れたが、いずれLEDを白に交換しようともくろんでいる。
変身アイテムセットを改造して懐中電灯にしたやつ
既にスパークレンス、エスプレンダー、アグレイターの改造でおなじみのチープトイセット。ベーターカプセルは、これの第1弾に入っている。
メインスイッチを入れた状態で赤いボタンを押すと変身音が鳴るというギミックがある。形状・色ともに本物に全然似てない。
梓は、5~6年前にネットで改造記事を見付け、光るようにしようと思い立った。
100円ショップの懐中電灯から外したLEDを、スピーカー出力に繋ぎ、赤いボタンを押している間だけ光り続ける懐中電灯に仕上げている。
当然、音のギミックも生きているので、赤いボタンを押すと、LEDが光ると同時に変身音が鳴りボタンを押し続けている間LEDが光り続けるというものになっている。
去年の正月、これも断線していたのを梓は修復した。
ウルトラの星計画付属のベーターカプセル
ウルトラの星計画は、2000年に、究極のウルトラマンフィギュアを目指して、バンダイ・海洋堂・ホビージャパンが共同で開発した可動フィギュアシリーズ。
可動素体に樹脂製のスーツを着せ、電飾を仕込み、というかなりの意欲作。
2000年発売のティガに続き、2001年に同じ素体を流用してウルトラマン(Cタイプ)も発売された。
胸部下に磁石スイッチが内蔵されており、磁石を近づけることでカラータイマーの青←→赤点滅を切り替えられる。
ウルトラマンの場合、その磁石がベーターカプセルに内蔵されている。
変身シーンダブルキーホルダー
バンプレストが出していたゲーセンの景品。
変身時の出現ポーズのディフォルメフィギュアと変身アイテムが一緒になったキーホルダー。
「ウルトラマンコスモス」放映時のものらしく、ラインナップはウルトラマン+ベーターカプセル、セブン+ウルトラアイ、ガイア+エスプレンダー、アグル+アグレイター、コスモス+コスモプラックとなっている。
変身で飛び出してこないセブンを入れるくらいなら、ティガかダイナを入れてほしかったと、梓は思っている。
なお、このウルトラマンは、胸にカラータイマーが付いている半端仕様である。
科特隊カレー
2011年にプレミアムバンダイが発売したレトルトカレー4食セット。
「ウルトラマン」34話「空の贈り物」で、科特隊員が揃ってカレーを食べている時にスカイドンが落下したとの報告が入り、慌てたハヤタがベーターカプセルと間違えてスプーンで変身しようとしたという逸話にちなんだもので、ダイキャストを使用したベーターカプセル(ギミックなし)が付属する。
というか、どう見てもベーターカプセルが主体である。
本当にフラッシュが光るやつ
1994年前後にバンダイが発売していた「ウルトラマン&セブン W変身セット」のベーターカプセル。この当時は、「ティガ」放映前の空白期間で、ベーターカプセルの商品などが盛んに発売されていた。
この商品は、形状は前述の「フラッシュビーム ベーターカプセル」と同様で、四角いボタンの右側を押すとチャージし、左側を押すとフラッシュが輝くギミックになっている。
要するに、写ルンですのフラッシュのように、チャージして輝くのである。
音は鳴らず、光るだけだったが、本当に眩く輝いた。
梓は、ウルトラレプリカにも、これくらいの輝きが欲しかった。
 




