57 ついつい歌っちゃうのよね♪
「ドとレとミとファとソとラとシの音が~出な~い♪」
職場に、高校時代クラリネットをやっていたという子がいたので、つい、歌ってしまった。あたしにとって、クラリネットといえばこれしかないってくらい定番の歌だ。
「やだ、鷹野さん、それじゃ全然音出ないじゃないですか~」
「そうそう、なんせ壊れてるから」
うちの職場、フルートやってる人とか、バンドやってる人とかいたりして、音楽好きが多いみたい。
あたしは、音感ないし、リズム感もないしで、そういうのには縁がないんだけど。
職場の飲み会で、昔は二次会にカラオケ行きたがる人が結構いて、あたしは随分困ったもんだ。なにせ正体隠してるからね。
いまなら、山本正之の「戦国武将のララバイ」みたいな、アニメ系じゃないコミカルソングとかもラインナップされてるから、そういうの歌ってごまかすんだろうけど、20年前のカラオケには、そんな曲は入ってなかったのだ。
仕方ないから、キャンディーズみたいな大昔のを歌ってお茶を濁してた。最近のわかんないからって。「年下の男の子」とか、一応サビなんかはフリ付きで歌えるからね。
あたしは、なんとなく替え歌にしたり、ちょっと聞き間違えたところからそのまま歌っちゃったりするので、天さんからよく怒られる。
この4月から変わった「グッド!モーニング」のOP曲が、多分
「Goodmorning Happyday♪」
とか言ってると思うんだけど、あたしは
「グッモーニングが来て~♪」
と歌ってる。番組タイトルみたいでおかしいし。
昔、「シャボン玉」って歌を、屋根が飛んでいって壊れる歌にしたら、天さんはそのイメージが定着したらしくって、今でもたまに話題に上る。もう10年以上前のことだけどね。
「ウルトラマンタロウ」の主題歌なんか、「タロウが飛び出す~、タロウが轢かれる~、タロウ、タロウ、タロウ、飛び出すなタロウ♪」とか歌っちゃうし、「百獣王ゴライオン」のOPだと、「恐れてひるんで退いて 勇気ない闘志ない友情ない ギブアップする 戦いの幕はさっき下ろされた」とか歌ってる。
決して、嫌いだから替え歌にしてるわけじゃないのよ。
好きだから、いじっちゃうの。
「コシアン・ルーレット」の歌詞を補完したりするのも、好きだから。
アンドロメロスを「アンドロギュヌス~♪」と歌って友達に怒られたこともあったっけ。ああ、でも、メロスは別に好きじゃなかったか。
どうも、あたしが替え歌にするとイメージが強く残るようで、依ちゃんなんか「もう、そうとしか聞こえない」なんて言ってる。
「愛の剣が折れ~♪」とか、負けてるじゃん! なんて、ね♡
壊れてる
梓は、「クラリネットをこわしちゃった」なんだから、全然音出なくなってもいいじゃん! とか思って歌っていたのだが、実は3番の歌詞は本当にこうなっている。音程までまんまだった。
今回、原稿を書くに当たって調べていてびっくりした。
反応からすると、職場の子も知らなかったものと思われる。
山本正之
シンガーソングライター。
「タイムボカン」シリーズや「銀河旋風ブライガー」などJ9シリーズの主題歌を手がけた人。
オリジナルアルバムも出しており、「戦国武将のララバイ」は、ファーストアルバムに収録されている曲。信長、秀吉、家康を情けない人のように歌っていて楽しい。梓は、かつて、盲腸で入院した友人の見舞いにこのアルバムを持って行き、爆笑させて入院を長引かせたという前科を持っている。
グッド!モーニング
テレビ朝日系で月~金の午前5時25分から放送している情報番組。
3月まではOPが6時に流れていたが、4月以降、5時25分の番組開始時に流れるようになった。
歌そのものは、昨年度のものと比べてどうこうということはないが、謎の怪光線がなくなったのは少し寂しい。
シャボン玉
童謡。梓のお気に入りのネタの1つ。
歌詞は全くいじらず解釈だけ変えて、とんでもない歌にしてしまった。
詳しくは、「奥様はオタク」シリーズ「シャボン玉」を参照。
https://ncode.syosetu.com/n5516ek/
「ウルトラマンタロウ」
1973年放映のウルトラマンシリーズ第5作。
セブンタイプの目と赤い体にカラータイマーを付け、更にウルトラの父で好評だった角を加えたデザイン。
タイトルは、当初「ウルトラマンジャック」の予定だったが、ハイジャックにより、「ジャック」という言葉に悪いイメージが付いたため、英語のジャックに相当する“日本人によくある名前”として太郎になった、というのは有名。
ウルトラダイナマイトという自爆技を持っていて、1回使うと20年寿命が縮むとなっているが、梓は小学生時代にその記事を読んで、10万年は生きられるタロウにとっての20年は、人間にとって7日くらいかなぁ、全然大したことないね、と可愛くないことを考えていた。
2019年放映の「ウルトラマンタイガ」に登場するタイガは、タロウの息子という設定である。
変身アイテムであるウルトラバッジは、当初、ZATの隊服の左胸(心臓の上)に着ける設定だったが、演技に支障が出るということで、左上腕に着けることになった。
主演の篠田三郎氏は、番組終了後、長らくウルトラ関係の作品には全く出演しなかったため、その後のタロウの声は石丸博也氏が演じている。篠田氏は、「ウルトラマンメビウス」でも、シリーズ各番組の主演役者が全員出演している中、ただ1人、声の出演すらしていない。
「百獣王ゴライオン」
1981年放送の東映動画アニメ。
遙かな昔に作られ、神に挑んで敗れたため5体に分割されてしまったという伝説のロボット。
5機(5色)のメカライオンが「レーッツ・ゴー!ライオン!」の掛け声で合体する。
両拳、両足首がまんまライオンの顔という、当時としては斬新なデザイン。
ライオンをモチーフにしているのに、どのライオンもたてがみがないという変わったデザインである。
黄金(黒獅子)、銀(青獅子)、黒鋼(赤獅子)、青銅(黄獅子)、錫石(緑獅子)と、パイロットの名字の色とライオンの色が合っていない。
しかも、金属で統一された名字だったにもかかわらず、6話という序盤で銀が死んでしまい、色名も金属名も付かないファーラ姫がパイロットに加わるというとんでもない展開を見せた。姫がパイロットって(^^;)
「コシアン・ルーレット」
1985年放映のサンライズ制作のアニメ「ダーティペア」のOP「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」の替え歌。
この替え歌は、1986年に「アニメック」に矢野健太郎が連載したマンガ「プレハブラプソディ」中で、キャラの1人が歌っているもの。
「今夜秘密の菓子屋においでよ たまにゃ無謀な甘みに酔いしれ」というフレーズが気に入った梓は、「甘くない菓子などつまらない」や「今すぐ餡子に白赤つけて」などと勝手に歌詞を付け足して歌っていた。
ちなみに、「ダーティペア」の原作は、高千穂遙のSF小説。WWWAという犯罪トラブルコンサルタントに所属するエージェント:ラブリーエンゼルの活躍を描く。事件は解決するが常に被害甚大という2人は、コードネームではなく「ダーティペア」とあだ名で呼ばれる。
アニメ版は、同じサンライズの「機動戦士Ζガンダム」と同時期の放映で、5話「クリアドスのどっくんどっくん」は、シナリオ名が「クリアドスの鼓動」だったのを、2週間前に「Ζガンダム」で「ゼータの鼓動」というサブタイトルがあったために変更されたという逸話がある。
「プレハブラプソディ」
新聞部・アニメ研究会・SF研究会・マンガ研究会の部室がクレーン事故で壊れたことから、これ幸いと各部を取り潰そうとして嫌がらせしてくる生徒会。ついには、文化祭において校舎の使用や取材を禁止されてしまう。このままでは、文化祭での活動実績がないことを理由に廃部に追い込まれると危機感を持った各部は、協力し、なんとか“校庭の外れで、テントの中でなら展示可”という譲歩を引き出した。
そして、“校門の正面から見えるところにシールドマシン用の巨大なテントをクレーンで吊り下げ、それによって生まれた大空間内を文化祭の会場だと来場者に思わせて文化祭を乗っ取る”ことに成功し、存続を勝ち取った、というお話。
主人公は、新聞部の1年生で、特に何か特技を持っているわけではないのだが、軽口で言ったことが仲間のインスピレーションを刺激する役回りで、最終的な成功の立役者となっている。
例:「いっそサーカスのテントみたいなでっかいの持って来て、その中で文化祭やってくれりゃいいのになあ」→文化祭乗っ取り、「(巨大なテントは)上から吊せるようなもんじゃないしなあ」→クレーンで吊り下げられる、など。主人公は、「あんたは最強のオッドマンや!」と絶賛された。
オッドマンが何かは、作中では全く説明されていなかったが、ちょうどこの作品の数か月前に、同じ雑誌内の質問コーナーに「オッドマンってなんですか?」という質問があり、「門外漢だが、専門家にインスピレーションを与えることができる人」というような説明があったばかりだったので、わかりやすかった。
「アンドロメロス」
1981年から雑誌媒体で発表されたウルトラマンシリーズの番外編的存在。後に一部でテレビ放映もされたらしい。
コスモテクターという鎧を着けた戦士で、カラータイマーがない。
依ちゃん
相沢依子。第8回「ガーゼなでなで」に登場。
梓の友人で、夫婦揃って──というか親子揃ってオタクな人。
梓と同い年で、梓の1年後に結婚し、梓の1か月後に長男を出産した。故にママ友でもある。
梓が「おかあさんといっしょ」の歌の数々を替え歌で歌っていたため、原曲を歌えなくなるという被害に遭った。
愛の剣が折れ
「ドリームハンター麗夢」の主題歌「ドリームハンター麗夢」の歌詞。歌のタイトルが作品名と同じ。
正しくは「愛の剣がOh麗夢 キラリ光ればOh 麗夢」である。
…だって、そう聞こえるんだもん。
ちなみに、2番の「麗しい夢見せて Feed back」は「麗しい夢見せてフィーバー」に聞こえる。
「ドリームハンター麗夢」
1985年6月からスタートしたOVAシリーズ。他人の夢の中に入り込むことのできる主人公:麗夢が夢魔などを相手に活躍する。
「幻夢戦記レダ」に始まる“異世界で戦うビキニアーマーの美少女戦士”の流れを汲む。
声優:松井菜桜子の初主演作。
麗夢は夢の中ではビキニアーマーに剣、現実世界ではコルト44マグナムと十字を彫った銀の弾丸を武器に戦う。乗っている車にはミサイルランチャーも装備。麗夢の台詞によると、違法に所持しているらしい。
実は、このシリーズの第1作は元々は18禁のアダルトアニメであり、人気を博したことから一般向けに改変の上、シリーズ化された。
18禁版での、麗夢が股間からビームを放つ(ように見える)シーンが有名。
一般向けにされるに当たり、18禁版もその手のシーンだけ作り直している。そのため、18禁版では麗夢が自分の体を餌に夢魔を現実世界に引きずり出すところを、一般向けでは目覚まし時計で目覚めた麗夢が「悔しかったら追ってきなさい」と挑発する形になっている。また、改変が最小限に抑えられているため、夢に入った直後、妙なキノコが林立しているのを見ての「このお嬢さん、欲求不満なんじゃないの?」という台詞が「そんなに怖い夢には見えないけど」と変えられるに留まり画面がそのままのため、元を知っていると失笑を禁じ得ない。
18禁版と一般向けで声優は変わっておらず、速水奨や龍田直樹など有名どころが出演している。
シリーズは、麗夢の出自が明かされるなどしたものの、はっきり完結という形にならないまま終了している。
「幻夢戦記レダ」
1985年3月に発売されたOVA。
異世界アシャンティに引きずり込まれた主人公:朝霧陽子が伝説のレダの戦士となって元の世界に帰るべく戦う物語。作中では、陽子が作曲したメロディがレダ発動のキーとなる。
ビキニアーマーだが下品にならないように、と気を付けたとのこと。
キャラクターデザインがいのまたむつみで、アニメーターにいのまたむつみ、影山楙倫、土器手司など豪華なラインナップになっている。
声の方も、鶴ひろみ、富山敬、池田秀一と豪華。
脚本では、陽子が自作の曲を聴くのに使っているものを「ウォークマン」と言っていたが、商標に引っかかるため実際の作品では「ヘッドホンステレオ」と言い換えられている。
また、同じような理由と思われるが「女子高生」も「女子高校生」に変えられている。
飛行機からロボットに変形するメカが登場するが、スタッフの誰かが実際に変形できる模型を作っていた。
続編の予定もあったらしいが立ち消えた。




