53 たまにはライダーも(MEMORYのメモリ)
ソフビのダイナのハンダ付けで大苦戦していたあたしは、気分転換も兼ねてガイアメモリに手を着けることにした。
昨日、無事、変身アイテムセット版アグレイターの改造を終えたのに何が気分転換かって気もしないでもないけど、そこはそれ、詰まってる時は気分を変えないとね。
あ、こういう時、よく「煮詰まった」って表現を使う人がいるけど、それ、誤用だから。「煮詰まる」は、煮物の完成が近づいている状態だから、「議論が煮詰まる」は「議論が進んでもうじき結論が出そう」な状態だからね。
それはともかく。
もう10年来放置してきた「MEMORYのガイアメモリをUSBメモリにする」計画を、そろそろ進めようかな。
「メモリーのメモリ」…いいよね。「詩織の栞」くらい楽しいよね。
実は、この前、“目とカラータイマー(青)が光るウルトラマンUSBメモリ”を作ろうとして失敗した後、代わりのUSBメモリを入手しようと分解したら、LEDがないどころか基板全体がUSBコネクタの中に収まっているなんてとんでもないシロモノだったのだ。こいつは、ウルトラマンには使えないけど、ガイアメモリ改造には使えるんじゃないかと思ったのよね。
MEMORYのガイアメモリは、2010年公開の映画「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE」に登場したやつで、あたしが持っているのは、カプセルガイアメモリシリーズ発展型の、コネクタ部先端にもスイッチが付いているタイプだ。というか、多分MEMORYにはそのタイプしかない。
メモリ表面のスイッチを押しても、コネクタを何か(例えば腕)に押しつけても、「メモリー!」と声が出る。
あたしが改造しあぐねていた理由は2つ。
1つは、組み立ててから塗装されているから、分解しづらいこと。下手をすると、大事なシールが切れちゃうかもしれない。そうなると修復不能だ。
2つめは、コネクタ部を切り取ると、ギミックがダメになりかねないこと。
コネクタ部のスイッチは、多分、メモリ表面のスイッチと、内部で接続されている。接続部で表面からの力も先端からの力も、基板のスイッチを押す力に変換されるようになっているはずだ。下手に壊すと、表面のスイッチもダメにしかねない。先端のスイッチはダメになっても諦めが付くけど、表面のスイッチは生き残らせないと。
これまであたしは、ガイアメモリのコネクタ部を切り取って四角い穴を開け、そこに小型のマイクロSDカードカードリーダをはめ込んできた。
先端部の白いところがカードリーダ
カプセルガイアメモリのWEATHERも、同じようにしている。
カプセルガイアメモリは、ガシャポンのカプセルに入れられるよう、前後で2分割されていて、スイッチは前部、基板は後部についている。そのため、スイッチは、内部で力の向きを90°変えて、後部との接続部分についた第2スイッチを押し込むようになっている。
本当のガシャポン版では、スイッチ直下とコネクタ部の間に空間があるから、そこにUSBメモリ(カードリーダ)を埋め込む余地があったんだよね。
でも、MEMORYは、ガシャポンじゃない。
番組終了後、プレミアムバンダイ限定で、本編に登場したガイアメモリのセットが発売された。このシリーズは、番組放送中に発売されたドーパントメモリじゃなく、カプセルガイアメモリの型を流用してる。理由としては、ドーパントメモリのサイズ(というか長さ)が実際と違うこと、基板はガシャポン版の方が安上がりだったこと、なんかだろうと思う。
ただ、コネクタ部にもう1つスイッチが入っていて、こっちは後部の第2スイッチをまっすぐ押し込む形になってるところが違う。
本音を言えば、埋め込んだUSBメモリをパソコンに繋いだ時にコネクタ部のスイッチが押されるような機能を持たせたかったんだけど、あたしの技術じゃ無理。それなりの強度を持ったスライド機構を組み込むのは、かなりの高等技術よ。そりゃ、モデラーさんなら簡単なのかもしれないけどさ。
とりあえず、コネクタの下側を削ってみたら、コネクタ部のスイッチを下手にいじるとギミックがダメになるおそれがあることがわかった。分解できれば解決できるかもしれないけど、壊さずに分解できる自信はない。
仕方がないから方針転換して、コネクタの上部は活かして、そこからUSBコネクタをはみ出させる形で接着することにした。
同型のWEATHERと比較
ガイアメモリのコネクタは肉抜きされててスカスカだから、まずレジンで囲って強度を上げる。
ん、まぁ、これでいいでしょ。接着、と。
もちろん、接着する前にUSB延長コードに繋いで、ちゃんと認識できる位置だって確認してるよ。
形ができあがったら、次は中身ね。
USBメモリは、名前とアイコンを変更できるから、写真から画像を加工してMEMORYのロゴをアイコンにする。BMPファイルで42×42ピクセルにして、拡張子を「.ico」にすればOK。これをautorunで指定しとけば、アイコンとして表示される。後は、プロパティからUSBメモリの名前を「MEMORY」に変更すれば終了っと。
「MEMORYのメモリ」、完成で~す!!
ガイアメモリ
2009年放映「仮面ライダーW」に登場する“○○の記憶”を記録したアイテム。
USBメモリの大きいやつ、といった外見で、「W」においてはライダーも怪人も、このアイテムによって変身する。
商品展開的には、変身ベルトも武器も、ガイアメモリ側に“光る鳴る”の機能を持たせ、ガイアメモリ表面のスイッチ、コネクタ部左右にある隠しスイッチの組み合わせによって音声パターンなどが決まる。
変身ベルト自体には、このスイッチを押すためのギミックしか搭載されていないため、ほかの平成ライダーと違い、ベルトを解析して“今後どういう音声が出るか”を予測できないという効果があった。
同時に、このことから“ガイアメモリ自体が商品になる”という副次的効果を生み、“光る”機能をオミットして“鳴る”に特化させた廉価版ガイアメモリが、食玩やガシャポンとして発売された。ゲーセンでの当たりカードで貰える特別版、ケーキなどの季節商品や雑誌の付録などの限定版も多く出た。今に至る“変身ベルト付属品及び派製品の商品化”という道を開いたのは、ガイアメモリである。
ガイアメモリは、英単語の名称がついており、表面にその頭文字を、能力を暗示した意匠で描いている(MEMORYの場合は脳の意匠でM)。
また、ライダーのものとは外装のデザインが異なる怪人用のガイアメモリの人気も高く、放送中に敵首領であるTERRORのガイアメモリ(商品名:ドーパントメモリ)が発売された。これは、発売時点までの全ての怪人・幹部の名前を発声できる。
また、ガシャポンのガイアメモリでは、敵幹部や劇場版登場の死神博士のガイアメモリなどがラインナップされている。
詩織の栞
「詩織」は、ゲーム「ときめきメモリアル」のメインヒロイン:藤崎詩織のこと。
「ときめきメモリアル」は、主人公のパラメータを上げる育成パートと、ヒロインの好感度を上げるイベントパートからなる恋愛シミュレーションゲーム。
何かのパラメータが上がると連動してそのパラメータに関わるヒロインの好感度が上がるというシステムになっており、育成が進むほどヒロインが多数寄ってくるが、最終的に一番好感度が高いヒロインから告白され、自動的に付き合うことになる(プレイヤーは相手を選べない)という特殊な仕様になっている。
しかも、ヒロインからデートの誘いを受けた際に断ると、不満度が上がり、1人のヒロインの不満が一定値を超えると全ヒロインの好感度が下がるため、プレイヤーはある程度公平にヒロイン達を口説き続けなければならない。この辺のバランスがウケた要因となっている。
詩織は主人公の幼なじみでメインヒロインだが、好感度のほかに、全パラメータを最高ランクに上げる必要があり、難易度が非常に高いキャラになっている。好感度が最高でも、パラメータの値が基準に達していないと告白してこないという鬼畜キャラである。
なお、梓が最も攻略に苦労したのは、隠れキャラの館林見晴で、攻略時の経験からすると、詩織の好感度が1位でなく、ほかの複数のキャラの好感度が同率1位で、かつ、不満度の高いキャラがいない時にしか告白してこないものと思われる。
キャラグッズの一環として、ヒロイン全員について、デフォルメキャラの絵の付いた栞が発売されていた。
梓は、「しおりのしおり」というシャレのためだけにこの栞を買った。