51 ウルトラマンが光るのって漢のロマンだよね(ソフビ・ダイナ編その1)
あたしの求める究極のウルトラマンフィギュアへの道も、かなり進んだわね。
今考えてるゴールは、プライズのジャンボソフビのティガとウルトラマンの2つを
目が光って
カラータイマーが青く光って
赤の点滅に切り替えられて点滅音が鳴って
っていうところまで持っていくことなんだけど。
もちろん勝算はあるわ。
サウンドコレクションシリーズの基板があるからね!
この基板、スイッチ入れた時に変身音が鳴るし、ちょっと特殊なスイッチだけど赤点滅+点滅音や、掛け声だって出る。
ここに目と青の光を足せば、究極いけちゃうのよね。
まぁ、少なくともメインスイッチと、青・赤切替のスイッチがいるから、どうやって配線するか検討中なのよね~。
とりあえず、その前に更なる研鑽を積まなきゃ。
なにせサウンドコレクションシリーズは音が出るから、天さんに「うるさい」って言われちゃって、長時間の作業ができないのよ。
いくらウルトラマンの改造だからって、時間制限まで踏襲したくはないんだけどね。
ともかく、音の出ないやつで練習って考えて、素材として選んだのが、このプライズのソフビダイナよ。
こんなこと言うとなんだけど、あたしはダイナはそんなに好きじゃない。
あたしは優等生タイプのキャラが好きだから、ダイナに変身するアスカは好みじゃないし、ダイナ自身のデザインもイマイチ好きになれない。どこがどう悪いかって訊かれると説明しづらいんだけど、強いて言うなら、額のでっぱりと、腰部の中央に青が入ってることかなぁ。
ティガの腰部が、中央が赤、両脇が紫だったから、ダイナではそれを逆にして中央が青、両脇を赤にしたんだろうけど、どうも配色がしっくりこないのよねぇ。
この辺は、好みと印象の違いだから、人によりけりなんだろうけどさぁ。
ソルブレイバーとナイトファイヤーなんか、首から下は配色しか違わないのに、全然印象が違ったもんなぁ。
ともかく、あたしは、ダイナはそんなに好きじゃないんだけど、嫌いってこともないのよね。女心は複雑なのよ。
嫌いになれない一番の理由は、なんといってもカラータイマーよ!
逆五角形っぽいデザインで、光る面積がすごく大きくて。
しかも、光ってるところは、なんだか不思議なヒダ模様になってるように見える。
劇場版で、あのカラータイマーが消えた瞬間ときたら、何度見てもキュンとしちゃう♡
そんなわけで、ダイナもカラータイマーを光らせたいとは思ってたのよ。ハイパーウルトラマンの方は光らせたけどさ。
今回のソフビは、目がゴムっぽい弾力のあるクリア素材でできてるけど、カラータイマーは普通のソフビ一体成形で作られてる。
そのせいで、カラータイマーのモールドが単調なのよね。
普通に売られている身長18cmくらいのソフビなら気にならないところなんだけど、25cmサイズになると、ちょっと物足りない。
なので、トリプルサウンドのダイナのカラータイマーから型を取ることにした。
ま、身長はあんま変わらないくせにトリプルサウンドの方がカラータイマーが小さい──というより、ソフビのカラータイマーが幅広すぎなんだよね、これは。
とにかく、レジンでカラータイマー作るのと平行して、ソフビの方のカラータイマー部分をくり抜くのと、顔面を切り離す作業が必要だね。
このダイナ、胴体の中にLEDを突っ込んで頭部の内側から光らせてみたけど、首から光が透けるだけで、目なんか光りゃしない。
たぶん、目の裏側にガッツリ肉が──ええと、ソフビの材質が詰まってんのよね。
だから、顔面の銀色と赤の境目のところで切り離して、裏側から作業する必要があるわけよ。
前に作ったガイアや、今作業中のティガなんかは、顔面と後頭部(+上半身)が別パーツだから、接着面を剥がす感じだったけど、ダイナは一回り小さいからか、顔面も上半身と一体成形なのよね~。
ソフビを綺麗に切るコツは、温めることだっていうから、ちょっとエアコンの風に当てて温めてから作業してみたら、さっくり切れた。
うん、上デキね!
切り取った顔面を裏から見てみると、バッチリ赤いソフビ材質で裏打ちされてた。
カッターでソフビを削っていくと、目の透明素材が見えてきた。どうやら、透明な目のパーツの裏側にクリーム色の塗料みたいなものがついているらしい。
ダイナの目は、乳白色に光るから、これはこのまま残すとして、赤い裏打ちは全部削り取らないとね。
さて、削りきったわね。裏から光を当ててみましょうか。
電球色だと…オレンジになりすぎるなぁ。白だと…うん、いい感じ。ただ、透明なところは光が素通りするからまぶしいなぁ。クリアイエローと白のレジンでカバーするか。
よし、次は電飾ね!
こんなこともあろうかと、壊れた点滅ライトをとっといたのよ。
スイッチを押すたびに点灯→早点滅→遅点滅って変わる優れものよ。
これの遅点滅がカラータイマーの点滅にいい感じなの。遅点滅状態で固定すれば、青→赤切替スイッチで青から赤点滅にできるじゃない。
さっそくテストテストっと。
電池直結で赤点滅…うん、いい感じ。これで一旦外して再度直結…あれ? 点灯になっちゃった。うそ! これって一度電源切るとリセットされちゃうの!?
…どうしよう。
① 目とカラータイマー(青)が光るだけにする
② 青→赤点灯→赤早点滅→赤遅点滅で我慢する
③ 点滅の回路を別に用意する
まぁ、この3つのどれかよね。
①だと、メインスイッチから並列で目とカラータイマー光らせて終わりだから楽なんだけど…。やっぱ、赤点滅、欲しいよねぇ。
となると、②か③か。
②は多少間抜けだけど、別にコンテストに出すとかじゃないから、いいっちゃいいのよねぇ。別の点滅回路用意できるアテはないし。
②の場合、メインスイッチのほかに、青→赤切替スイッチと、赤点滅のためのボタンも必要かぁ。
よし、やってみよう!
カラータイマーを光らせるには、青と赤のLEDをそれぞれ仕込まなきゃいけないわけだけど、スペース的に2つ仕込むのは難しい。そこで登場するのが、この前買った三極型LEDよ。メビウスに使ったやつね。1つのLEDから-の端子と青用+端子と赤用+端子の3本が生えてて、青にも赤にも光るっていう優れものよ!
白のLEDが2個ついてるライトからLEDを取り外して、三極型の-と赤+をハンダ付けして。
青+は宙に浮かせた状態で、それぞれ電池に繋ぐためのコードをハンダ付けする、と。
LEDの+側のコードは、3色とも電池の+側にハンダ付け、電池の-からメインスイッチに繋いで、メインスイッチから目の白の-と青赤切替スイッチに分波する。切替スイッチから青の-と赤の-に繋ぐ。
よし、できた。テストしてみよう。
…あれ? 赤だけ点いてる?
目も点かないの?
切替スイッチを青側にしても赤側にしても、赤だけ点きっぱなしで、点滅スイッチも効かない。どういうこと?
…あっ! 赤が優先で点くからか!
そうだった。青や白に比べて、赤は必要電圧が小さいから、並列で繋ぐと赤だけが点くんだった。
色々試してみてわかったことは、点滅スイッチが+側に作用してることと、青を光らせるための-が赤に電流を供給しちゃうらしいってこと。そういや、リアルホビーのウルトラマンでもそんなことがあったっけ。
こういうとこは、-の端子を共用しちゃってる三極型の弱点よねぇ。次の時はもっと考えなきゃね。
それはともかく、対応策を考えなきゃ。
根本の考え方を変えよう。
青赤切替スイッチじゃなくて、青用のスイッチ。こっちを-で繋いでおけば、スイッチを切ることで、三極型LEDは通電しない。
で、赤の方は、+も-も電池に直結させて、点滅スイッチだけで操作する、と。
それを前提に、ちょっと回線繋いでテストしてみようか。
電池に青・赤両方の+端子を直結して、まず青の-を繋いでみる。青が点く。これはOK。
次に、青の-を外して赤の-を繋ぐ。どっちも光らない。点滅スイッチを押すと赤が点滅する。ここまではいいね。この状態で白を電池に直結する。点かない。点滅スイッチを押す。赤と白が点滅する。…やっぱり、そうなるのか。
これ、赤が点いてない時に白が点いてるよね。赤と白が交互に点滅してるんだ。コンバットスーツの胸を光らせる時とかには使えそうなネタだね。
さて、それじゃ、次は、この状態で赤の+側に抵抗を付けてみようか。うん、問題ないね。白は点いて赤は点滅してる。
じゃあ、白を外して、さっきと同じように青と赤を繋いでみよう。
青の-を繋ぐと青が点く。ここはOK。
青の-を外して赤の-を繋いで点滅スイッチ押すと…青が点滅してる…?
なんで?
…ん~と、赤に抵抗が入ったことで、青より必要電圧が高くなっちゃったってこと? 青の方が必要電圧小さくなっちゃったから、青が点滅しちゃう、と。でも、抵抗外すと白が点かなくなるからなぁ。
整理すると、
抵抗赤>青>赤
って感じで、右から順に点くってことよね。
これでいけそうなんだけど…。白が入ると、また話がややこしくなるのよねぇ。あたしの頭じゃ、シミュレートしきれないのよ。
いやいや、弱気になっちゃだめよ。きっと大丈夫。あたしの勘を信じなきゃ。「お前は俺を信じなさい、それ信じなさい、それ信じなさい」よし、頑張れ、あたし!
(つづく)
サウンドコレクションシリーズ
2002年頃バンダイから発売されたと思われるウルトラマン玩具。
ウルトラマン、ティガ、コスモス(エクリプスモード)の3種の存在を確認しているが、バンダイのサイトからは見付けられなかった。
梓は、ジャンクでウルトラマンとティガを入手したが、ウルトラマンは外装がボロボロすぎて、内部の電子部品だけ残して後は捨ててしまった。ティガは両手と両足首がない。
スイッチを入れると、カラータイマーが赤く点滅しつつ変身音が鳴り、背中のボタンを押すと掛け声が出る。また、仰向けに傾けるとカラータイマーが赤点滅しつつ点滅音が鳴り、起こすと「ダァーッ!」と声が出る。うつ伏せにすると、飛行音が鳴る。
ティガについては、トリプルサウンドのティガ人形と同じ原型から作られているようで形状はそっくりだが、内部基板の形状、電池の装填数(トリプルサウンドは3本、サウンドコレクションは2本)などの違いから、パーツの分割位置や内部の構造はかなり異なる。また、目がクリアではない。
梓は、これの基板は究極のウルトラマンフィギュア作成に使えると思って保存していた。
ソルブレイバーとナイトファイヤー
1991年放映の「特救指令ソルブレイン」に登場するヒーロー。
ソルブレイバーが主役で、ナイトファイヤーは前作「特警ウインスペクター」の主人公ファイヤーのパワーアップバージョン。
ソルブレイバーが青と黄色、銀を主体としたデザインなのに対し、ナイトファイヤーは黒と赤、銀を主体としたデザイン(ソルブレイバーの青い部分が黒、黄色い部分が赤)になっている。
頭部の形状こそ全く違うが、首から下は色違いでしかないのに、ナイトファイヤーはシャープに感じられる。有り体に言うと、ソルブレイバーはデブに見える。梓の口の悪い友人は「ソルブタイバー」と呼んでいた。あくまでデザインの話である。
劇場版でカラータイマーが消えた瞬間
ダイナ劇場版「光の国の戦士たち」終盤で、ダイナはモネラ星人の策略にはまって巨大怪獣クイーンモネラの体表の檻に閉じ込められ、エネルギーが切れて力尽きる。
この時、カラータイマーが消灯すると同時にカラータイマー表面から煙のようなものが一瞬立ち昇り、ダイナが首を垂れて目の光が消える。
梓はこのシーンが大好きで、年に数回、この部分から先を見ている。
ちなみに、ティガは20話「GUTSよ宙へ・後編」で、エネルギーが切れるとダイゴに戻ってしまった。
リアルホビー・ウルトラマン
リアルホビーは、1983年にバンダイから発売されていた、年長者向けのフィギュアシリーズ。
バルタン星人、ウルトラマン、大魔神、ゴジラがある。ゴジラに至っては、尻尾まで含めると60cmくらいある。
ウルトラマンの場合、クリア素材のA、B、C3タイプの顔と、通常の足首とBタイプ用のつま先の反った足首が付属しており、マスプロ製品で初めてウルトラマンのタイプ別再現がなされている。
目に黄色の、カラータイマーに緑と赤のLEDが使われている。2つの磁石スイッチが仕込まれており、メインスイッチに磁石を近づけることで目とカラータイマー(緑)が点灯し、切替スイッチに磁石を近づけると緑→赤点滅に切り替わる。もちろん、緑に戻せる。
梓は、これを青と赤に変えようとして、三極型のLEDを仕込んでみたが、基板の電力供給が-端子側の切替だったらしく、青が光るべき時も赤が光るべき時も、結局共通の-端子に電流が流れることになるため、常に赤が光ることになってしまい、失敗した。現在は、青と赤のLEDをそれぞれ接続したことで、青→赤点滅が切り替わるようになっている。
コンバットスーツの胸を光らせる
1982年からスタートした東映特撮「宇宙刑事ギャバン」から始まる宇宙刑事シリーズのこと。
このシリーズでは、変身を“母艦からコンバットスーツが電送されてくる”という形にしている。
FRPを使用した鎧のようなメタリックなスーツに、ゴーグル状の目が特徴。必殺技の際などにゴーグルの奥で目が光るという演出がなされている。
また、名乗りの際などに、身体のあちこちにあるランプが点滅しており、未来の鎧:パワードスーツをイメージさせた。
梓は、いつか機会があれば目の光るシャリバンを作ってみたいと思っている。
宇宙刑事シリーズは、ギャバン・シャリバン・シャイダーと続いた後、「巨獣特捜ジャスピオン」「時空戦士スピルバン」と続き、「メタルヒーローシリーズ」と呼ばれるようになった。ちなみに、「スピルバン」の次が「超人機メタルダー」である。
「お前は俺を信じなさい」
「ウルトラマンA」23話「逆転!ゾフィ只今参上」で、異次元人ヤプールが化けた老人が歌っている歌。
なんとなく詐欺師っぽくて、梓は好んで歌うが、周囲に元ネタを知っている人間がほとんどいないため、単なる怪しい歌と認識されることが多い。




