46 布製マスクを作ってみた!
先日かっぽうに書いた、布製マスクを作った時のお話です。
使い捨てマスクを使い捨てしなくなって、もう随分になる。
裏打ちを挟んで、時々洗濯してっていう、これもう紙製品にやることじゃないよね!って状態だ。
それでも、さすがに1枚で2週間保たせるのは難しい。
2枚を取っかえ引っかえで使うにしても、やっぱり苦しい。
そんなわけで、あたしは天さんと一緒に、布マスクの材料探しのためホームセンターにやってきた。
来たんだけど。
噂には聞いてたけど、ゴム紐とか布とかガーゼとか、全滅してんじゃん。
これってつまり、作るなってことだよね。
「型紙とかは残ってんだな」
「そーね。絵に描いた餅だけどね」
「とりあえず貰ってこうぜ」
「うん」
置いてあった型紙──っていうか、単なる説明書かな──は、2種類。
いわゆる普通のガーゼマスク型と、立体裁断型だ。
作るならガーゼマスク型の方が簡単だと思うけど、これって実用性としてはどうなのかなぁ。
「いっそのこと、パンツのゴムでも使うか?」
なに言ってんの、天さん!?
「あたし、使用済みのパンツのゴム顔に触れさせたくないよ!」
「ん~、じゃあ新品で…」
「そんなもったいないことできるわけないでしょ!」
…あっ、閃いた!
「ねぇ天さん。要するに、鼻当てとゴム紐があればいいんだよね」
「まあ、そうだな」
「あるじゃない、ここに!」
あたしは、自分が着けてるマスクを指さした。
「だから、使い捨てマスクがなくなるから作るって話になってるわけだろ」
「そうじゃなくて!
この使い捨てマスクを切り取って利用するんだよ。
ここには、ゴム紐も鼻当てもついてるわけでしょ。それを切り取って包み込めばいいのよ」
「使い捨てマスクをわざわざ壊すのか?」
「使い終わって捨てるやつでいいの。
洗ってみたりもしたけど、これってかなり丈夫でしょ。
捨てる前に、いるとこ切り取ってとっとけばいいのよ」
「ふうん?」
天さん、ピンときてないって顔してるね。
百聞は一見にしかず、やってみせようじゃない!
数日後、何日も使った使い捨てマスクを捨てることになった。
これで作れるね。
布のとこは、ユニクロの回収に持ってくつもりだった古いカラーワイシャツから切り取ることにした。
まず、使い捨てマスクのサイズを測る。
うちで使ってるのは、プリーツタイプのやつだから、まず平面にした状態で測ってみると、縦9cm、横15cmだった。
次に、プリーツ部分を最大に伸ばした状態で測る。縦は17cmだった。倍近くまで伸びるのねぇ。
ということは、縫い代として左右に1cm、上下に1.5cmずつとるとして…、縦20cm、横17cmで切り出せばいいね。
そして、使い捨てマスクの口に当たる部分を切り取って捨てる。こうすると、マスク上下の端の部分からゴム紐が繋がった状態で大きな輪っかになって残る。
さて、布の処理ね。
まず、左右のほつれ防止に縫う。普通の手作りマスクだと、この左右の端に縦にゴム紐を通すんだけど、あたしのやり方だと、ここは単なるほつれ防止の縫い込みになる。
左右が終わったら、次は上下よ。
使い捨てマスクの下の端を、布の下の部分で挟み込んで縫い付ける。使い捨てマスクの下部分の左右がちょうど布の幅に収まるように挟み込んで、と。
下が終わったら上ね。
鼻当てのところは、ほかより力が掛かるだろうから、特に念入りに縫い付けて、と。
まだ上下の方が長い不格好だけど、プリーツをつければOKよ。
見本にした使い捨てマスクには、上下2段ずつ、計4段のプリーツがついてたから、同じように。片側ずつ織り込んで縫う。
なんか餃子のヒダ作ってる気分ね。
さぁ、梓ちゃん流・布製マスクの完成で~す!
あたしは不器用だから、結構縫い目がガタガタだけど、自分で使うんだし、多少のことはもちろん目をつぶるわよ。
「ほらほら天さん、ちゃんとできたよ!」
「お、すごいじゃないか。綺麗にできてる。
へ~、使い捨てマスク使って作るの、ありだな」
「でしょでしょ♡
惚れ直した?」
「はいはい、そういうのはいいから」
「む~~~」
こうして、布製マスク試作1号は、無事完成した。
後は、洗い替えとか含めて、同じようにいくつか作らないと。
今回のは、女性用の小さいサイズだったけど、サイズが違っても、元になる使い捨てマスクのサイズに、左右1cmずつ上下1.5cmずつの縫い代を足すだけだから、サイズ変更も思いのまま。
ユニクロのカラーワイシャツは、そこそこ厚手の割には布も柔らかいし、息も苦しくならなくていいね。1着からマスク5~6枚は作れるんじゃないかって期待してる。
ふっふっふ。あたしは、ウルトラマンだけの女じゃないのだ!
この作り方だと、ウルトラマン模様は作れませんでした。残念。




