302 大きな玉ねぎの下で
歌番組に久々に爆風スランプが出て、「大きな玉ねぎの下で」を歌ってた。
まぁ、そうだよね。
「ランナー」か「玉ねぎ」が一番メジャーだもんね。
あたし的には、「それから」が一番好きなんだけど。
昔、職場の人にカラオケ引っ張ってかれた時には、「玉ねぎ」のお世話になった。
一世を風靡した曲だから、歌っても誰も不思議に思わない。
正体隠してるあたしには、誰もが知ってる曲のレパートリーは貴重だったのだ。
それはそれとして。
あの歌って、今の若い人には意味不明っていうか、共感できないんじゃなかろうか。
「大きな玉ねぎの下で」は、一緒にコンサートに行こうと誘った女の子にすっぽかされた少年の心を謳った歌だ。
よくある話っちゃよくある話だけど、40年も前の歌だから、前提が今と違う。
具体的には、スマホもケータイもなかった時代なのだ。
まず、「ペンフレンド」が実感湧かないはず。
「文通」という、一度も会ったことのない同士が手紙だけでやりとりするなんてこと、今の若い人には想像も出来ないんじゃなかろうか。
手紙に同封された写真だけでしか相手の顔を知らない。
「大きな玉ねぎ」っていうのは、日本武道館の屋根の上の飾りのことで、要するに武道館コンサートのチケットを少年が買って少女に送り、現地集合で待ち合わせたのに、少女は来なくて、少年はコンサート途中で帰っちゃう、という歌だ。
少年が打たれ弱いなぁという感想は置いといて、“出先では連絡が取れない”という前提がわからないと、彼の心の動きは理解できないと思う。
まぁ、今だと既読スルーとかに近いのかな?
ただ、スルーされたことがわかるのとわからないのとじゃ、かなり違うかもしれない。
彼女は、少なくとも手紙では「行く」と返事しているわけで、“来ない”という事実についても
1 やっぱり行くのをやめた
2 朝から急に具合が悪くなった
3 途中で事故があり行けなくなった
4 最初から行く気はなく、からかっただけだった
と、色々なパターンが考えられる。
まぁ、少年は1だと思ってる節があるけど。
当時は、電話といえば家電しかないのが普通で、急に都合が悪くなっても伝える方法がなかった。
もっと言っちゃうと、ペンフレンドは電話番号を教え合っていないのが普通で、本当に手紙しか連絡手段がない。
当時、ポケベルはあったけど、そんなもの持ってるのは大人、もっと言っちゃうと営業マンくらいのものだった。
あたしの会社にも営業用のポケベルがあったなぁ。
鳴ったら会社に電話するっていう一番単純な使い方してたっけ。
普及当初の携帯電話は、地方では通じない(1995年7月当時、新潟県の6割は範囲外)、東京でも地下では使えないなど使いづらかったこともあり、ポケベルを併用(ポケベルに着信、ケータイ使えるところに移動して通話)する人が多かった。
ポケベル以外では、伝言ダイヤルみたいな“特定の番号を入力すると使える録音共有方法”もあったけど、あれが脚光浴びたのは1995年1月の阪神淡路大震災の後だったと思う。
今みたいに、下手すると小学生でもスマホを持ってて外で連絡を取り合えるなんて環境、四半世紀前は夢物語だったのよ。
あたしが初めてケータイ持ったのは、妊娠したことがわかった時。
何かあった時、天さんにすぐ連絡ができるようにってことで持つことにしたのよね。
それでも、職場にはケータイのこと内緒にしてた。
いつでも呼び出しできる態勢なんて、ノーサンキューだもの。
通信機器や環境の発達・普及は、一昔前ならSFの世界だったことを現実にもたらした。
40年前、個人間の通信というのは、トランシーバーのようなシステムが一般的だった。
ケータイと何が違うかと言えば、通信機同士が直接繋がること。
要するに、ケータイは電波の中継器を挟みつつ交換機で回線を繋ぐ、トランシーバーは2台の間を直接電波で繋ぐ。
使ってる側からするとあんまり違いがわからないけど、仕組みは全然違う。
「嵐の孤島」みたいなシチュエーションを考えるとわかりやすいんだけど、外と隔絶された建物の中では、隣に座ってる人と電話が通じない、なんてことになる。
トランシーバーなら、当然通じるのよ。
それこそ、あたしが小学生くらいの頃は、おもちゃとして子供用のトランシーバー(電波法の規制を受けない有効範囲が100mとかのもの)が売られてたくらい。
1984年放映の「宇宙刑事シャイダー」では、商品の1つとして「スーパーシャイダーホーン」という名前でトランシーバーのセットが出てた。
あれは、沢村大が使うヘッドセットタイプと、アニーが使う腕時計タイプのセットで、あたしはイベント会場内で仲間と連絡を取るのに使ったりもしてた。
うん、そのくらいの実用性はあった。
まぁ、トランシーバーなんて、腕に付けるにはちょっとゴツいんだけど、それでも通信機が腕にはめられるというのは感動だったなぁ。
以前「鷹良箱」5回で書いたみたいに、昔は常識だったことが、今では通じないなんてことは意外と多い。
銭湯なんて、東京ならともかく、田舎では絶滅寸前だよね。
あたし、初めて銭湯に入ったのは、東京の友人宅に泊まりに行ったときだったもの。
東京のアパートとかだと、風呂なし物件多かったみたいね。
一番単純な使い方
ポケベルには、液晶表示のあるタイプが多く、0~9の数字が表示できるようになっていた。
ポケベルの番号に掛けた後で、表示させたい番号を打ち込むとそれが表示されるという機能ね。
元々は、電話番号を表示して「ここに電話しろ」という使い方が予定されていたものと思われるが、利用者側で、数字の語呂合わせによるメッセージを送るという発展を見せた。
要するに「39」とか「4649」みたいのを表示するわけ。
仲間内でしか伝わらないような語呂合わせも多く、「これをどう読むか」がクイズにできたほど。
なお、1995年放映の「重甲ビーファイター」でビーファイターが装備している銃:インプットマグナムは、このシステムを踏襲しており、「818」「010」など、撃ち出すビームの属性を変える機能が付いている。
…のだが、今見ると違和感が凄まじい。
語呂合わせを理解して対応する銃ってどうよ?




