30 ウルトラマンが光るのって漢のロマンだよね(夏休みの工作編1)
それは、9月15日のこと。
「やっとできた! ああ、もう! 8月中に間に合わなかった! くやしー!」
「何騒いでんだ、梓。何が間に合わなかったって?」
「夏休みの工作」
「誰の?」
「あたし」
「何の工作だって?」
「だから、夏休み! わかって言ってるでしょ!」
「いや、わからないって。なんでお前が夏休みの工作なんだよ」
「夏にやる工作って言ったら、夏休みの工作でしょ!」
「8月中に終わらせなきゃいけないわけでもあるのか? 第一、翼の夏休みだって、8月いっぱいじゃなかったろう」
「気分の問題よ! 目標の期限までに終わらなかったのが悔しいの!」
「はいはい。で? 何を作ろうとしたって?」
「これ」
あたしの手の中には、食玩のウルトラマンティガがある。
ライティングヒーローというシリーズだ。
元々ボタンを押すと目が光るというギミックだったのを、一緒にカラータイマーも青く光るように改造したのだ。
背中のボタンを押して、目とカラータイマーを光らせる。
目とカラータイマーが光っている。
中身。青のLEDを付け加えた。
「これ、作ったのか?」
「そう♪」
「暇人だな」
暇人!?
「あたしがどんなに苦労して作ったかも知らないで…。聞くも涙、語るも涙の大冒険が…よよよ…」
わざとらしく泣き真似をしたら、呆れた声で
「そういうのはいいから。
で? 何が苦労したって?」
と返された。
聞いてくれるだけマシって思っとこう。
「これ、元々は目しか光らなかったんだけど、カラータイマーも青く光るようにしたかったわけ。
ただね、目はオレンジで、カラータイマーは青でしょ。オレンジと青って、同時には光らせられないのよ」
「なんで?」
「光るのに必要な電圧も電流量も違うかららしいんだけどね、最近、それをクリアする方法を見付けたのよ!
要するに、並列に繋いで両方に抵抗を挟めばよかったの!」
まくしたてるあたしを、天さんは冷めた目で見てる。これはあれだ、よくわかってないんだ。
まぁ、天さん文系だしね。でも、あたしも文系なんだけど。
「とにかく、前に試した時は光ってくれなかったんだけどね、こいつ、元々LEDに抵抗付いてたから、繋ぐ場所変えたら、青も光るようになったのよ」
「…そう」
なんていうか、お愛想的な相鎚だ。
いや、わかるよ。天さんにとってはどうでもいいことだもんね。
最近、あたしが部屋に籠もってハンダ付けしまくってるの知ってるしね。
「これで、ようやくアレが作れるのよ」
「あれって何だよ」
「エスプレンダー。完成したら、見せてあげる」
まぁ、その前に、ライティングヒーローのウルトラマンも改造しないとね♪
もちろん改造済み
以前、変身アイテムセットのエスプレンダーを手に入れた。
これは、廉価版には珍しいLEDが光るギミック持ちなのだ。
といっても、DX版と違って、赤のLEDが1つ、ボタンを押してる間だけ光るって程度のものだけど。
そう、逆に、だからこそできることがある。
「ウルトラマンガイア」では、エスプレンダーの中にはガイアの赤い光が入っている。レンズ部分は青いのに、中の光は赤いという不思議仕様なんだけど、番組中盤でアグルの青い光を受け継いでからは、エスプレンダーの中に赤と青の光が並ぶようになったのだ。
DX版はLEDが5つ並んでいるから、赤と青が並ぶという形にするのは難しい。その点、元々1個しかLEDが入っていないセット版なら、真ん中の赤いLEDをどかして赤と青を並ばせることもできるはず。
ネックだった“赤と青は同時に光らない”点も解決した。
そして、遂に。
ビフォー
アフター(暗いけど、よく見ると左が青、右が赤に光っている)
「天さん、見て見て、完成よ!」
「ギャーギャー言いながらハンダ付けしてたのは、それか」
ギャーギャーというのは、多分、あたしがやたら失敗しながらハンダ付けしてたせいだろう。
短い鉄線の両端をハンダ付けしようとすると、鉄線自体が熱くなって、先にハンダ付けした方が溶けて外れてしまうことがあるのだ。途中で熱伝導を途切れさせる何かがあればいいんだけど、そこまで手が回らない。本当なら、ラジオペンチで挟んでいるだけでも相当熱が逃げるはずなのになぁ。
苦労の甲斐あって、ちゃあんと青と赤の光が同居してる。電池の出力の関係なんかもあって、ちょっと暗いけどね。
この“青いレンズの下に赤い光”というのは、ちょっと面白いから、アグレイターに続いてUSBメモリにしてみようと思ってるのよね。
アクセス時に赤い光を出すエスプレンダーUSBメモリ。今、外装を作ってるから、そのうち完成できるはず。
あと、ライティングヒーローがもう2個あれば、ずっと青く光るUSBメモリに付けて、カラータイマーが青く光るウルトラマンとか、アクセス時に赤く点滅するUSBメモリに付けて、カラータイマーが赤く点滅するウルトラマンとか作れそう。
お試し。上で紹介したティガの上半身を載っけたもの。もう1個あれば接着するのに。
くふふ…。夢は膨らむ、どこまでも♪
ライティングヒーロー
2013年発売の食玩シリーズ。1個300円。
背中のボタンを押している間、目が光る。
ウルトラマン、ティガ、ゼロ、ギンガの4種類が発売された。
電池内蔵の関係上、鳩胸だが、造形自体はそんなに悪くない。
変身アイテムセット
正しくは「ウルトラ兄弟変身アイテムセット」という、変身アイテムの廉価版トイセット。
3弾まで出ていて、2弾に、以前修復したアグレイターがあるほか、エスプレンダーがある。
エスプレンダーは、この手のチープトイには珍しく、赤いLEDが光る電飾ギミックがある。




