27 久しぶりに翔太郎を見掛けた!
それは、家族でNHKドラマ「それは経費で落ちません!」を見ていた時のこと。
天さんは、主演の多部未華子さんが「デカワンコ」以来大好きなので、このドラマを見るようになった。
大真面目な顔でお馬鹿なコメディを演じる彼女は、あたしも好きだ。
しかも、「デカワンコ」でも共演していた吹越満さんも出てる!
というわけで、あたしもお付き合いして見ることになった。
ん~。出演者の中に、なんか見たことある顔がいるなぁ。
しばらく見ていて気が付いた。桐山漣くんだ!
桐山漣くんは、「仮面ライダーW」で、Wに変身する片割れの左翔太郎を演じていた人だ。
「W」から10年経ってるから、やっぱり顔とかそれなりにお肌が年を取ってる。
相方のフィリップくんがどんどんメジャーになっていく中、あまり見掛けなくて心配してたんだけど、久しぶりに元気な姿が見られて嬉しい。
しかも、メイン脇役だよ! 主人公とくっついちゃうかもしれないキャラの恋敵役だよ! よかった! ちゃんと頑張ってるよ!
喜んで見ていると、翼も「なんだか見たことあるような気がする顔だ」とか言い出した。
「翔太郎だよ」って言ったら、ちゃんと通じた。ああ、翼も覚えてるんだね。嬉しいなぁ。一緒に劇場版も見に行ったよね。
天さんはピンと来なかったようで、
「しょうたろうって誰?」
って首を捻ってたから、
「フィリップくんの相棒」
って言ったら通じた。
鷹野家では、菅田将暉くんのことを今でも「フィリップくん」と呼んでる。
「W」は翼が小学生の頃の番組で、親子で見ていたし、あたしが大好きで色々やったから、天さんもよく覚えてるのだ。
色々…。うん。色々。
「W」では、商品展開の中心がガイアメモリというUSBメモリ型のアイテムで、変身ベルトや銃などのオモチャの音声はガイアメモリから出てくるようになっている。
そして、ベルトや銃に付属しているガイアメモリのほかに、ガシャポンや食玩でも廉価版のガイアメモリが発売されたのだ。
DX版がLED内蔵で、スイッチと隠しスイッチとの組み合わせで複数の音声を選択しているのに対して、廉価版は、LEDはないし、スイッチは1個だけで、押すと順番に音声が出るだけ、という違いはあるけど、300円前後でガイアメモリが手に入るというのは、結構おいしかった。
あたしは、「サイクロン」と「ジョーカー」の食玩ガイアメモリを買ってきて、先端を切ってUSBメモリを内蔵させた。
当時流行った“ガイアメモリ型USBメモリ”というのを作ってみたのだ。
元々ガイアメモリはUSBメモリを基にしたデザインだから、やりたくなるのも当然だよね。
ベルトに挿さない前提だから、オミットされているスイッチ表面の銀色も再現した。
一応、WAVE音声ファイルも作って、パソコンに挿すと自動起動で「サイクロン!」とか声が出るようにしてある。
ガシャポンのガイアメモリでは、敵方のガイアメモリも出ていたので、ウェザーも作った。
あと、劇場版に登場したメモリーのガイアメモリも手に入れたので、いずれ“メモリーのメモリ”も作る予定。こっちは、完成状態で売っているので、シールを駄目にしないように分解する段階で苦労していて、まだ手を着けられないでいる。
ちなみに、「W」には、1回だけ“木でできたガイアメモリ”が登場している。
他人の夢を操る怪人が登場する回で、江戸時代風の夢なものだから「サイクロン」「ジョーカー」のメモリが、「疾風」「切札」と墨で書かれた木の板になっているのだ。
ガシャポンのカプセルガイアメモリシリーズには、ちゃんと「疾風!」「切札!」と声の出るものがラインナップされていた。
この2つはレアだったから、ヤフオクとかでもメチャ高だったんだけど、ネットで調べているうちに面白い情報を手に入れた。
このシリーズでは、1つの基板を使って、配線の違いで4つのガイアメモリにしているのだ!
つまり、同時期に発売されたカプセルガイアメモリは、中の基板が共通だから、外装を気にしなければ、配線を変えるだけで音声を変えられるってわけ。
それを知ったあたしは、同時期発売のカプセルガイアメモリを2つ手に入れて、ハンダ付けされている部分をカットし、それぞれ「疾風!」「切札!」の音声が出る端子と繋ぎ直した。
「ほんとによくやるよなあ」
とか、天さんに超呆れられたけど。
翼は素直に驚いてたなぁ。あの頃は、本当に素直ないい子だった。いや、今でもいい子だけどね。素直とは言えないよねぇ。まぁ、男の子だし、いつまでもお母さんべったりだったら、逆に心配しなきゃいけないし。
この「疾風」「切札」メモリについては、もう1つネタがある。
“千社札”という、小さな木の板に文字や絵を刻印したものがあるんだけど、近所に、好きな文字を入れてくれるお店があったので、「疾風」「切札」の文字を両面に入れてもらったのだ。
画面からキャプチャーした画像を基に図版を作って、そのjpgデータを持って行って「これで作ってください」って。
木材の質感とか、狙ったものとちょっと違ったけど、今でも車のキーに付けている。
欲しい物は手に入れる! なければ自分で作る!
あたしの主義は、今も昔も変わらないのだ!
それはそれとして、「経費で落ちません!」は、今後も家族で見ることになりそう。
「仮面ライダーW」
平成仮面ライダー第11作。この作品から、放送開始時期が9月に変わった。
“2人で1人の仮面ライダーに変身する”のが特徴で、「W」字型のベルトの左右のスリットに、それぞれガイアメモリを差し込むことで変身し、基本形で9種類の姿と能力を発揮する(パワーアップすると更に増える)。
基本9形態では、左翔太郎の体にフィリップの精神が憑依しており、右半身をフィリップが、左半身を翔太郎が操る。
フィリップは、当初記憶喪失だったが、後に本名が園咲来人と判明。正に右と左だった。
前作「仮面ライダーディケイド」での、ゲームセンターの「ガンバライド」というゲーム機で遊ぶと出てくるカードを変身ベルトに入れると音声が聞ける、という展開を一歩進め、ベルトなどで使えるガイアメモリを食玩やガシャポンなどで発売するようになった。
“特定の商品にのみ付属する特別な音声を聞けるガイアメモリ”という新たな販路も開いた。
敵も味方もガイアメモリで変身するという共通性のため、ガシャポンなどで敵方のガイアメモリもいくつかラインナップされている。
特にプレミアムバンダイの通販限定ではあったものの、敵方のガイアメモリや劇場版でちょっと映っただけのガイアメモリまで全て発売されたというのは、驚異的。
また、前述のとおり、ガイアメモリはUSBメモリをモチーフにデザインされているので、本当にUSBメモリに被せるタイプのガイアメモリ(サイズが通常のUSBメモリ並)も存在する。
ちなみに、変身アイテムに関し、「ディケイド」はカード1枚、「W」はメモリ2本、「OOO」はメダル3枚、「フォーゼ」はスイッチ4個と、年々増えていた。




