244 野望の成就(へんてこりんな世界のタイムリミット)
何度も言うようだけど、あたしは執念深い。
欲しいと思ったものは、何十年でも虎視眈々と狙い続ける。
「行くぜ決勝!」とかね。
そんな目標を、この前、遂に達成した。
1976年放映のタツノコアニメ「ポールのミラクル大作戦」というのがある。
主人公のポールが、犬のドッペ、妖精のパックンと共に異世界に行って魔王ベルト・サタンと戦う物語だ。
メルヘンチックなキャラデザで、OPの歌詞も
飛んでる魚のへんてこりんな世界
もの言うキノコのへんてこりんな世界
大人は誰も信じちゃくれない
へんてこりんな世界に飛び込もう
とほんわかしてる。
ところが!
実態は結構なトラウマアニメだったらしい。
「らしい」というのは、あたしはそういう印象を持ってないから。
この前覗いたサイトでは、トラウマ扱いされてた。
実はこの作品、もう1人重要なレギュラーキャラがいる。
ポールのガールフレンドのニーナだ。
1話で、初めて異世界に行った際、ニーナはベルト・サタンに囚われてしまったのだ。
ポール達が異世界に滞在できる時間には制限があり、それを過ぎると死んでしまう。
ニーナはベルト・サタンの庇護下にあるので大丈夫らしい。
以後、ポールが異世界に行く目的は、ニーナ救出のためということになるんだけど。
現実世界では、ニーナは行方不明扱いになっていたりする。
どういうわけか、この辺りの展開はリアル寄りになっていて、10歳のポールの言葉など誰も聞いてくれず、誘拐事件レベルで扱われていたらしい。
この辺もあたしには、悲惨だったっていう印象がないんだけど。
攫われたニーナを取り戻す戦いをしていたことは覚えてるんだけどなぁ?
OPの歌詞の続きは
僕のニーナを救い出すまで
2人で仲良く帰る日まで
不思議な扉くぐりぬけ
いくぞ ドッペと戦い続けるぞ
となっていて、この物語がニーナを救い出して終わることを暗示してる。
…んだけど、実はニーナは17話で救い出され、そこから50話まではニーナを加えた4人でベルト・サタンを倒すため戦うという展開に変わっちゃうのだ。
あたしの印象は、この辺りの方が強い。
まぁ、そっちの方が圧倒的に長いからね。
この辺りは、現実世界でのポールの立場があまりにひどいから路線変更したんじゃないかって言われてるみたい。
当時のタツノコアニメは、半年契約で、好調なら半年延長ってパターンが多かったから、この作品も半年か1年で訪れる最終回でニーナを救い出す予定だったんだろうね。
まさか半年持たせられないレベルで辛い作品になるとは思ってなかったんだろうなぁ。
ポール達が乗ってる空飛ぶ船は、たしかポピニカで出てたはず。
陸海空で使える万能さには憧れたなぁ。
前置きが長くなっちゃったけど、あたしが今回作ったのは、“パックンのタイマーの音”。
ポール達が異世界にいられるタイムリミットが近付くと、パックンの胸のペンダントが点滅してタイマー音が鳴る。
そうすると、パックンがオカルトハンマーで壁や床を叩いて扉を開いて現実世界に戻るわけ。
あたしは、この扉のデザインやタイマーの音が大好きだった。
友達相手に、タイムアップの表現として「ピコピコポン、ピコピコポン、ピコピコポン、ピコン!」と口で言うくらいに好きなのだ。
最後の「ピコン!」はオカルトハンマーの音ね。
実際に音を鳴らせたいとか思ってたのよ。
これまで、あたしのiPhoneのカレンダーのタイマーは、イーヴィルティガのカラータイマーの音にしてた。
カラータイマーの音も「時間が来た!」って感じだけど、あたし的にはパックンのタイマーの方が「早く早く!」って感じでいいと思うのよ。
あたしは音源がないと着信音が作れないから、音源を探してた。
で、この前、遂に音源を手に入れたのだ。
もちろん合法的によ?
着信音なんて随分久しぶりに作ったから、手順を間違えて3回失敗したのは内緒だ。
ようやくカレンダーの通知音がパックンになった♡
これでまた1つ、梓ちゃんのささやかな野望が成就したのだ。




