225 米不足
なんか、米が足りないとかいう報道がバンバン出ていて、スーパーやホームセンターの米売場が空っぽになってるらしい。
鷹野家は、30kgの玄米を買ってコイン精米で精米することが多い。
たまたま安い精米が出てれば、そっちを買うこともあるけど。
天さんが独身時代に使ってた30kg用の米びつがあるから、そういう買い方をする。
買うのは、主に蒲原産のコシヒカリ。
「蒲原」っていうのは、新潟県下越地方にあるんだけど、ちょっと山の方なんで、ここの米は美味しいのだ。
米の味って、昼夜の温度差なんかによる影響が大きいみたいで、山の中みたいに夜気温が下がる場所で採れた米は、平野で採れたものより美味しい傾向がある。
個人的には、蒲原産のコシヒカリは、南魚沼産に匹敵すると思う。
品種としては、やっぱりコシヒカリが一番。
あたしが初めてコシヒカリの美味しさを実感したのは、高2の秋。
京都・広島に修学旅行(うちの高校は2年で行くのだ)から帰ってきて、ちょうど新米のコシヒカリを食べて。
米ってこんなに美味しいんだ! って感動したわ。
新銘柄の「新之輔」は、冷めても味が落ちないけど、そもそも最初からコシヒカリに敵わない。
第一、コシヒカリだって、冷めても味が落ちないよ。
もっとも、去年の米はダメだった。
夏の高温と熱帯夜の影響で、二等米比率がやたら高かったとか。
二等米も味は同じとか言ってたけど、実際にいつものホームセンターで買ってきたいつものコシヒカリは、味が一段も二段も下だった。
黒い米が~~とか、割れてる米が~~とか、そういうのはおいといても、確実に味が悪い。
う~ん、“不味い”ってほどじゃないのよね、話が面倒だけど。
要するに“美味しくない”のよ。
あたしにとって“美味しい米”っていうのは、魚とか肉とかと一緒に頬張った時に「美味しい!」って思えるものなのよね。
抽象的で悪いけど、おかずと一緒に食べておかずが進むのがご飯の美味しさだと思うわけ。
もちろん、あたしの個人的なものさしだから、他人に押しつける気はないけど。
とにかく、去年産の米は美味しくなかったの。
でも、まさか米不足になるとは思わなかったわね。
鷹野家では、夫婦2人で月10kgくらい食べるんで、3か月ごとくらいで米を買いに行くんだけど、ちょうど買いに行かなきゃって時期に、この米不足の話が出た。
で、いつものホームセンターに行ったら、見事に全滅。
しょうがないから、行きつけのスーパーで5kgのやつを買ってみた。
なんか「新潟米」って書いてある、品種も何もわからないブレンドもの。
5kgだと2週間しかもたないから、新米の時期までもたせようと思ったら、あと10kgくらい必要よね。
とか思ったけど、翌日にはスーパーも全滅だった。
てなわけで、別のホームセンターまで足を伸ばしたら、「みずほの輝き」10kgが5個残ってたから、1個買ってきた。
調べてみたら、「みずほの輝き」っていうのは、上越地方で品種改良された米で、主におにぎりとか弁当とか業務用で使われてる米らしい。
新潟のコンビニでおにぎり見ると、新潟産コシヒカリを使ってることになってるし、街のおにぎり専門店みたいなとこでもコシヒカリ使用を売り文句にしてるし、どこで使ってるのかな?
ちなみに、福島のセブンイレブンで買ったおにぎりには福島産の米が使われてた。
ついでに言うと、あたしの感覚では美味しくない米だった。
今回の米不足、政府は十分に数があるみたいなこと言ってるけど、具体的にどこにどれくらいあるのか言ってないから、却って不安を煽ってるんじゃないかって思う。
ちょっと前のトレペ不足の時もそうだったし、コロナの頃のマスク不足の時もそうだったけど、「足りない」って言われた途端、欲しい病に罹る人が多いから、本来なら“ちょっと少ない”程度のものが“どこにもない”レベルに拡がっちゃうのよ。
使い捨てマスクが1万円超とか、何の冗談よ。
この辺、報道も気を付けてほしいところよね。
「米不足」って聞いて思い出すのは、平成6年のこと。
あのときは、前年が冷夏で不作になって、本当に米が足りなかったらしい。
それで、米を輸入するとかいう情けないことになった。
米が余ってるから減反、とか言い続けて、足りないから輸入って、どういうことよ?
輸入米は、ケータリング系のお弁当で食べたことあるけど、すっごい不味かったなぁ。
米不足とか言っても、コンビニのお弁当とかおにぎりはちゃんと並んでるから、ちゃんと在庫はあると思うのよ。
オイルショックの頃からちっとも改善してないヒステリックな買い走りは、本当にどうにかしてほしいわね。




