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19 チラッと見えた、あの顔は…えり子!?

 これは、4~5年前のお話。

 今回は、敬称略でお送りします。

 「そろそろ寝るか?」


 「そうだね」


 うちは毎朝「やじうまテレビ」を見てるから、寝る前にチャンネルをテレ朝に変えてからスイッチを切る。

 そんなわけでチャンネルを変えると、「マツコ&有吉の怒り新党」をやってた。

 この番組では、毎週「新・三大○○」とかいう特集をやっていて、古い特撮番組を扱ったりするので、時たま見ている。「アイアンキング」とか「鉄人タイガーセブン」とか。

 今日は何かな? まぁ、寝るけど。

 スイッチを切る瞬間、どこかで見たような女の子の絵が…。

 「えり子!?」

 慌てて二度見しても、もう遅い。スイッチ切っちゃった。しかし、今のは、えり子ではなかろうか。

 え~い、も一度スイッチオンだ! ワン!ツー!スリー!


 「やっぱり…えり子」


 1人で頷いてると、天さんからツッコミを受けた。

 「なあ、今、すごい勢いで振り返ったけど、それ、なんだ?」


 「すごい勢い?」

 一応、自覚はあるけど。だって驚いたんだもん。


 「なんていうか、まるで昔の同級生とすれ違って、“はっ!”って振り向いたみたいだった。そのアニメの女の子、お前の同級生だったのか?」


 アニメのキャラが同級生とか、あるわけないのに、天さんはあたしをからかってくる。そりゃあ劇的な反応だったろうとは思うけどさ。

 「これはね、“アイドル伝説えり子”っていう昔のアニメなの。あたし、一度しか見たことなかったけど、すっごくシュールだったよ。

  アイドルの少女が主人公なんだけど、冒頭にね、女のナレーションが重々しい口調で、えり子がアイドル水泳大会に出ることになったって説明しててね。“えり子は、泳げなかったのだ!(ど~ん!)”って感じで言うの。

  あたし、目が点になってね。あとは見てないんだけど、えり子っていうと、あのシーンが頭に浮かんで笑っちゃうのよね」


 要するに、大映ドラマのノリのアニメって感じだったんだけど。

 天さんに説明してたら、正にそのシーンが流れた。


 「…なんだ、これ?」


 「だから、えり子。やっぱりイロモノだよね」


 「お前、こういうのも好きだったのか?」


 なんか疲れた声で天さんが言うけど、言っとくけど、あたし、その冒頭のシーンしか見てないからね!

 「あまりの大映ノリに、ついていけなかった」


 「大映ノリって何だよ?」


 むう。やっぱりそこから説明がいるわけね。

 「大映ドラマって知らない? スチュワーデス物語とか赤い○○とか」


 「スチュワーデス物語って、ドジで間抜けな亀か?」


 「そうそう! なんだ、やればできるじゃない! そのノリよ。妙に暑苦しくって、針小棒大な感じの!」


 「好きじゃない割には、ほんとにすごい勢いで振り向いてたけど」


 「それは、ほら、この番組のことだし、何やるかなって」


 「それは好きってことじゃないのか?」


 「好きじゃないんだよねぇ。OPは好きだけど」

 複雑なのよ。そこんとこは。

「やじうまテレビ」

 テレビ朝日系で、毎朝5時20分からやっている番組。現在のタイトルは「グッド!モーニング」。

 新聞の見出しを元に番組構成するという、当時としては斬新というか珍しい作りだった。

 梓は、この番組の「林先生のことば検定」のコーナーが大好きだが、最近は出勤時間の関係で、見ることができないでいる。



「アイドル伝説えり子」

 1989年放送のアニメ。

 ヒロイン:田村えり子がアイドルとして奮闘するアニメ。声は矢島晶子(初代クレヨンしんちゃんの声)が演じているが、現実に存在するアイドル田村英里子とのタイアップ企画であり、OP「涙の半分」も田村英里子が歌っている。

 田村英里子は、1990年末に、翌年のカレンダー写真として、布で体を隠しただけの半裸になって話題を呼んだが、少し後に宮沢りえのカレンダーでふんどし姿が発表されると、あっという間に下火になった。元の知名度の差か。結局、アメリカに進出してそれなりに成功したようだ。



「マツコ&有吉の怒り新党」

 テレビ朝日系で深夜にやっていた番組。

 視聴者からのお題に対して、2人が好き勝手言ってる番組だった。今も似たような感じの番組をやっている。

 「新・三大○○」というコーナーがあり、毎回何かしらのテーマで3つ取り上げる。何が「新」なのかはわからない。時折、超マイナーな特撮番組を取り上げることがあるので、梓はチェックしていた。



「アイアンキング」

 1972年放送の特撮ヒーロー番組。「シルバー仮面」と同じく宣弘社制作。

 国家警備機構に所属するエージェント:(しずか)弦太郎(げんたろう)と霧島五郎のコンビが、日本政府転覆を謀る不知火一族などと戦う。

 最大の特徴は、ダブル主人公構成で、アイアンキングに変身するのはメインを張る弦太郎ではなく三枚目の五郎の方だということ。また、アイアンキング自身は強くないため、弦太郎のサポートなしにはほとんど勝てず、“巨大なヒーローやロボットより弦太郎の方が強い”という不思議な状態になっていること。

 アイアンキングは、水をエネルギーとして動くが、活動時間が1分と短い。その短い間に、胸に2つ、額に1つのカラータイマー系のパーツが光を失っていくので、非常に忙しい。もっとも、実際には1分以上戦っていることはざら。そこは突っ込まないのがお約束である。

 ちなみに、マイナーな上にカラータイマーもどきがあるせいで、こいつもウルトラマンの一種だと思ってしまう人が多いらしい。



「鉄人タイガーセブン」

 1973年放送の特撮ヒーロー番組。「怪傑ライオン丸」と同じピープロ制作。

 番組自体は知名度は低いが、タイガーセブンに変身する滝川剛が子供を轢き殺したり、“戦いの時にいつもいない”と仲間から責められるなど、カルト的な面で有名だったりする。

 ちなみに、エネルギーの源である人工心臓SPはあと1年くらいで止まってしまうので、最終回時点で、間もなく死ぬことが確定している。

 こんな寿命設定を持っているのは「ミラクル少女リミットちゃん」と「機動刑事ジバン」くらいのものである。



スイッチオン!ワン!ツー!スリー!

 毎度おなじみ「人造人間キカイダー」。「チェーンジ!スイッチオン!ワン!ツー!スリー!」で変身する。ワンで右手を左肩に、ツーで左手を右肩に触れさせ、スリーで両手を斜め上に挙げる。肩についているスイッチを押す動作ということになっている。

 まぁ、スイッチオンといえば、「ぽちっとな」か「ワン!ツー!スリー!」だよね。



「スチュワーデス物語」

 1983年放送の大映制作のドラマ。主演は、最近ガンを公表した堀ちえみ。

 なにかというと「私はドジでノロマな亀です」というのが決めぜりふ。ライバル役の片平なぎさが手袋を噛んで脱ぎ、義手を見せるシーンもお約束だった。

 一応言っておくと、一般ウケして一世を風靡した番組である。



「赤い○○」

 大映ドラマで、山口百恵主演のシリーズ。その場を盛り上げるためだけの中味のない台詞や演出、行き当たりばったりな展開がウリ。足を怪我したキャラについて「二度と歩けなかった」というナレーションが流れたのに、翌週には踊っているとか、ナレーションさえ嘘吐き。もう何を信じていいのかわからない。けど、当時はめちゃめちゃ受けた。

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