13 お題SS「ザクロが落ちていた」
お気に入り様の宮里蒔灯さまのエッセイにあったお題「道端に、ザクロが落ちていた。」から始まるSSです。
11月28日の活動報告に書いたものを一部修正しました。
道端に、ザクロが落ちていた。
ザクロかぁ…。今時、あんまり見ないよね。
昔、おじいちゃんと食べたっけ。酸っぱいんだよね、これ。
おじいちゃん、くだもの食べない人だったけど、ザクロは食べたんだよねぇ。
食べた後、手が真っ赤になって。血がダラダラ流れてるのを「ザクロが爆ぜたように」って喩えられるのわかるなぁって思ったんだっけ。
あたしのイメージだと、ザクロは赤インクっぽいんだけど。
ま、同じか。
幼稚園の頃、お父さんの仕事場に遊びに行って、赤のデスクペンで手をインクでだらだらにして「血だ〜〜〜」ってやって、すっごく怒られたなぁ。
おじいちゃんもお父さんも、もういないけど、ちゃんとあたしの中にいるんだねぇ。
あたしも、死んじゃったら、翼や天さんの中で生きていくのかなぁ。
天さんの手を握って「幸せだったよ」って言って死にたいなぁ。
それで、天さんの中でずっと生きていられたら、最高だよね。