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108/270

108 ウルトラマンが光るのって漢のロマンだよね(光怪獣プリズ魔編)

 ちなみに108の煩悩とは、眼・耳・鼻・舌・身・意の六根のそれぞれに悩みが六つあって、これが過去・現在・未来にそれぞれあるので、36×3=108だそうです。


 梓の煩悩は尽きることが無いようです。

 ネットでその写真を見た時、あたしは目を疑った。

 画面に映っている写真は、ガシャポンのプリズ魔。

 こんなものが、こんなハイクオリティで商品化されるなんて、あり得ない。

 いや、あり得ないったって、実際目にしてるんだから、あるに決まってるんだけど。現実はちゃんと見なきゃいけない。

 挿絵(By みてみん)


 プリズ魔というのは、「帰ってきたウルトラマン」35話に登場する怪獣だ。

 光怪獣という冠がついていて、限りなく物質化した光の塊らしい。

 プリズ魔が発する光線を浴びたものは、生物非生物を問わず光になってしまう。

 思わず「光になれ~~~~!」と叫びたくなるような技だけど、どうやらプリズ魔はそうやって光にしたものを吸収してエネルギー源にしているらしい。

 まぁ、新マンには、星より大きいザニカみたいなトンデモ怪獣が何体かいるんだけど、プリズ魔はその1体だ。

 着ぐるみはなく、大きなオブジェが作られていて、新マンはそれと戦った。

 「ウルトラマン」のブルトンみたいなもの、と言えばわかりやすいかな?

 プリズ魔が登場する回の脚本は、なんと坂田さん役で出演していた岸田森さんだったりする。

 なかなかに幻想的な映像になっていて、光に惹かれて現れるプリズ魔もそれなりに美しく、恐ろしく描かれていた。

 まぁ、でっかいオブジェ相手に殴ったり蹴ったりしている新マンの絵面は、結構マヌケではあるんだけど。

 この光るだけのオブジェを相手に、新マンは、MATが冷やしたプリズ魔の体内にわざと吸収され、体内からスペシウム光線を照射し続けて熱膨張で破壊する──冷えたコップに熱湯を注ぐと割れる理屈──という方法で倒した。


 今回のガシャポンは、ヒカルナルシリーズではないのに、ヒカルナルユニットを3つも入れて光らせることができるのがウリ。

 カルト的な人気や知名度はともかく、一般にはマイナーなこの怪獣が、どうしてラインナップされたかというと、これが“樋口真嗣セレクション”だから。

 樋口真嗣さんは、平成ガメラシリーズや「シン・ゴジラ」の特撮監督を務めたことで有名な人なんだけど、今、「シン・ウルトラマン」の監督もやっている。

 その縁で、ウルトラシリーズからいくつかチョイスしてもらって商品化したらしい。

 造形やギミックについて、どれくらい口を出したのかは知らないけど。

 ちなみに他のラインナップは、シン・ウルトラマン、メロス(漫画「ザ・ウルトラマン」に登場)、ゴモラとなっている。

 メロスをチョイスっていうのが世代を感じさせるなぁ。すっごく濃い。

 まぁ、事情はともかく、プリズ魔(これ)は結構なお宝だ。

 プリズ魔がメジャーレーベルで商品化されるなんて幸運、そうそうないよ。なにせソフビ人形にしてもでかいばっかりで売れそうにないもの。

 しかもぉ! ルミナスユニット(別売り)で光らせるギミックがあるってことは、素材が半透明で中空ってこと!

 これは、USBメモリのプリズ魔とかいう滅茶苦茶シュールなものが作れるのではなかろうか。

 となれば、手に入れないという選択肢は存在しないよね!

 ルミナスユニットは電球色だけど、プリズ魔は白く光ってたはずだ(プロップは蛍光灯で光らせていたらしい)から、白のLEDをいくつか仕込めばいいよね。

 よしよし、まずはプリズ魔をゲットしなきゃね。

 絵に描いた餅じゃ、しょうがないから。




 通販でゲットしたプリズ魔が届いた。

 本来だと点滅するはずの光線発射部の盛り上がりは塗装で光らない仕様だった。むぅん。

 しかも、頭頂部の突起は別パーツ。これじゃ、光らないんじゃない?

 ともかく、まずはデフォルトのギミックであるルミナスユニットを試そう。

 挿絵(By みてみん)


 …予想どおり、かな。

 確かに光ってるし、本編を知らなきゃ満足できるんだけど、やっぱりコレジャナイ感が拭えない。

 やっぱりプリズ魔は白く光ってくれないと。

 電球色で光るのは、光線発射部だけでいいよ。


 次に、白のLEDを突っ込んで光らせてみる。

 1個じゃ光量足んないけど、やっぱりこっちの方がしっくりくるなぁ。

 以前百均で買った懐中電灯から外した、チップ型のLEDが並んでる基板を入れてみる。

 USBメモリのスパークレンスとかウルトラバッジとかに使っちゃって残り3つだけど、逆に、ちょうどプリズ魔の中に入れられるサイズになってた。

 テーブルの上に基板を置いてプリズ魔をかぶせ、電池を繋ぐ。

 うん、これよこれ!

 電池の出力の問題かLEDの配置の問題か、イマイチ光量が足りない気がするけど、かなりらしい(・・・)光り方になった!

 プレバン限定のアルティメットルミナスについてる白いルミナスユニットだと、こんな感じになりそうだなぁ。


 とはいえ、ルミナスユニットのLEDを交換とかすると、本来の使用用途(要するにウルトラマン)に差し支えるし。

 さて、どうしよう。

 どのみち、スイッチやら電池やら考えると、何か台の上に置いて光らせるとかになっちゃいそうだし、普通に電池仕込んで光るオブジェにしちゃうのもありだねぇ。

 理想を言えば、全体が常に白く光る中、光線発射部だけ電球色とか黄色で点滅するようにしたいなぁ。

 そこだけUSBメモリのアクセスランプにして全体は常に光る、というのもありだけど、USBメモリを電池付きにするのもなぁ。

 これだと、パソコンに繋がないとプリズ魔を楽しめないってことだし。

 てなわけで、USBメモリ計画はなしね。


 となると、発射部の点滅をどう処理するかが問題ね。

 点滅回路か自動点滅のLEDが必要ね。




 とりあえず。

 上部の突起部分がポロポロ外れるのと、やっぱり光が届いてないのを何とかしよう。

 光が届かないのは、本体が塞がってるから。

 突起部分で隠れる部分の天井を切り取って、突起部分まで光が届きやすいようにする。で、突起部分は接着する。

 次に、おゆまるくんで発射部を型取りして、クリアイエローのレジンで複製、本体から発射部を削り取ってレジンの複製を接着。

 この状態で光らせてみる。

 いい感じに光ってくれた。

 電池は、磁石スイッチを手に入れた時のライトの電池ボックスが使えるね。

 LR-44が3つ入るやつ。これのお陰で、LEDが眩く輝くね!

 後は、固定位置の確認とか、電池やスイッチを入れるための台座選び、発射部の点滅LEDをどう作るか、ね。




 まずは、LEDをどうするかね。

 発射部以外に黄色い光が漏れないよう、工夫もいるわ。

 そして、最大の問題は、点滅させる方法よ。

 プリズ魔の下に置くことになる台座は、大きいものにはできない。

 電池ボックスがそこそこスペース取るんだから、ダイナやイーヴィルティガの時みたいに、別系統の電源を取ることは避けたい。

 となると、点灯→点滅みたいな二段階のやり方じゃなくて、スイッチ1つで白点灯と黄点滅ができるような回路にしなきゃいけないんだけど。

 これがなかなか難しい。

 そもそも、そんなやり方を知ってたら、ダイナの時にやってる。




 点滅の方法がネックになって、9月にプリズ魔を手に入れてからずっと手をこまねいていたんだけど、ようやく光明が見えた。

 クリスマス時期になると、百均に点滅系のLEDが出回るという話を聞いたのだ。

 クリスマスツリーとかの飾りに使う、電池ボックスから長い銅線が出ていて途中にLEDがいっぱい付いてるやつとか、キャンドル型の光の揺らぐLEDライトとかが出てくるらしい。

 そんなわけで、早速探してみたんだけど、見付からない。

 新潟市内の主立った百均は全部回ってみたんだけど、見付からない。

 1か所だけ、ツリー用みたいなLED回路は見付けたんだけど、なんと点灯オンリー! いや、まぁ、そういうのも需要あるのかもしれないけどさ…。

 仕方がないから、通販で買い物する時、一緒にキャンドル型のLEDを注文した。これだと送料掛からないし。

 400円ちょいしたけどね。ちっ、百均なら110円なのに。




 んで、到着待ちの間に出掛けた市外で、点滅するLEDを見付けてしまった。百均で。

 なんでこんな出先で見付けちゃうかなぁ。

 まぁ、せっかく見付けたんだし、買っとこう。

 挿絵(By みてみん)


 多分、キャンドル分解するより、こっちのが楽だろうし。

 家に帰って見てみたら、点滅回路が組み込んであるんじゃなくて点滅型LEDなんだ、これ。

 点滅型LEDなんて初めて見たよ。

 どういう仕組みなんだろ?

 昔のクリスマスツリーの電球なんかはフィラメントが2種類の金属でできていて、熱による膨張率の違いからくっついたり離れたりする仕組みだったけど、LEDでそれはないだろうしなぁ。

 それはともかく、このLEDは白だね。

 白だと黄色が飛びそうだなぁ。

 くっつける都合もあるから、先端をクリアイエローのレジンで固めちゃおう。

 例によって、ボール紙にガムテープ貼って、クリアイエローのレジン垂らして点滅LEDを突き立てる。

 新潟の冬場って陽の差す時間が短いから大変なんだよねぇ。


 一応できたものの、やっぱり光は白っぽい。

 で、ちょっとネックになるのが、点滅が単調ってこと。

 いや、まぁ、今までカラータイマーの点滅で使ってた点滅回路だって、基本は一本調子なんだけどさ、なんていうか、プリズ魔が白く光る中で発射部だけ単調に点滅してるのってどうなのかなぁとか思っちゃったのよ。

 う~ん、元々プリズ魔って無機質な怪獣だから、無機的な点滅でいいとは思うんだけどね。

 オブジェとして考えた時、それってつまんないんじゃ無いかなぁとか思っちゃうのよ。

 そんなこと考えちゃうのは、キャンドルライト買っちゃったからなんだけどさ。

 キャンドルライトばらして、組み込めるかやってみようか。




 うわ、これはびっくり。

 何の回路もなくて、砲弾型のLEDが1個付いてるだけ。

 え、つまりこのLED自体が勝手に明るさ変えながら光るってこと!?

 それは想定外だったなぁ。

 てっきり、チップ型のLEDがいくつか並んでて、別々のタイミングで点滅してるもんだと思ってたのに。

 点滅すらせずに、明るさを変えながら光ってるだけだったんだねぇ。

 とりあえず、キャンドルは2個あるから、こっちはばらして銅線に繋いでみよう。


 んで、白のLEDと並列に電池に繋いでみる。

 …あ~、そうくるか。

 白のLEDが点滅始めちゃった。

 多分、キャンドルのLEDは明るさが変わるごとに電圧が変わるんだ。

 暗くなった時は電圧が低くなるから、白の方には電流が行かなくなるんだね。

 必要電圧が違うLEDを並列に繋ぐと、必要電圧の低いLEDにだけ電流が流れるっていうLEDの特性だね。

 つまり、このキャンドルのLEDは、電圧が変化するというわけのわからない存在である、と。

 これじゃあ抵抗挟んでも対応できないだろうし、このLEDは使えないね。

 せっかくばらしたのに悔しいから、今度何か使い途を考えよう。キングジョーの胸とかに使えるかも。

 あ、こいつに白とか青とか電球色を繋ぐと、点滅回路の代わりにできるんじゃない? 今度何かに使おう!

 こりゃいい拾いものしたわ♪




 それはさておき、プリズ魔ね。

 使うのは点滅LEDって決まったわけだから、あとは組み立てるだけ。

 百均で買ってきた薄いケースに穴を開ける。

 リーフラッシャーのUSBメモリとかに使ってた白のチップ型LED3連に、プリズ魔頭頂部用に砲弾型LEDを1つ繋いで、点滅LEDも繋いで。

 スイッチは一旦外して、ケースの蓋(というか逆さまに使うから底)の穴に銅線通してからハンダ付けし直して、ケースに接着。

 挿絵(By みてみん)


 そして、ここで新兵器! ブラックライトぉ~。

 やっぱ冬の新潟では太陽がなかなか見られないからね、レジンを固めるのにとうとう買っちゃったのだ。

 せっかく内部に無理なく紫外線を当てられるようになったんだから、まず、プリズ魔が青く光る凸の部分の裏側にクリアブルーのレジンを塗って、ブラックライトで固める。

 中で光らせてもイマイチ強調されないけど、気持ち青くなったかな?

 で、次に、プリズ魔の発射部を外して穴を開け、クリアイエローのレジンを垂らした点滅LEDを当ててブラックライトで固める。

 挿絵(By みてみん)


 固定できたら、穴の仲をクリアイエローで埋めて、そのはみ出し部分を接着剤代わりに発射部を再度載せて、再びブラックライト。

 

 頭頂部に砲弾型LEDを入れて、銅線をプリズ魔の内側に予め開けといた穴にネジを通し、プリズ魔を固定する。

 プリズ魔の完成で~~す!

 超明るいよ!

 挿絵(By みてみん)


 挿絵(By みてみん)

プリズ魔

 「帰ってきたウルトラマン」35話「残酷!光怪獣プリズ魔」。

 独特の雰囲気を持った一編。俗に言う「11月の傑作群」の次に入るエピソードであり、傑作群には数えられていない。

 光に惹かれ、あらゆる物体を光に変えて吸収するプリズ魔が登場する。

 プリズ魔は、物質化した光の結晶のような存在で、光を食料とする。南極の氷の中に閉じ込められていたが、太陽黒点の異常により復活したらしい。

 昼は、霧のようになって太陽の光を吸収しているが、夜になると光を求めて実体化し、光るものを吸収し、その周辺の光らないものは光に変えて吸収する(例えば船の明かりに惹かれて近寄り、船全体を光に変えて吸収する)。

 船などを襲いながら移動し、日本に流れ着いた。

 女性的な声で「オーーローラー」と鳴く。

 MATは、東京近郊のあらゆる明かりを消させることで、野球場にプリズ魔をおびき出して冷凍弾で凍らせる作戦に出た。

 最終的には、半分凍り付いたプリズ魔の体内に、小さくなったウルトラマンが入り込み、体内でスペシウム光線を照射することで、熱膨張でプリズ魔を破壊して倒した。


 光がテーマのため、全体的に暗く叙情的な画面になっているほか、ラストの倒し方の伏線として、次郎がガラスコップに熱湯を入れて割ってしまうシーンがある。



 ただ、整合性などには難があり、坂田家がメインなのにアキが登場しない(この頃、役者のスケジュールの関係でアキは登場していない。この翌々週、ナックル星人に殺されたのも、スケジュール調整が付かなくなっての降板)、光に寄ってくる性質を郷から聞いていたはずの坂田がプリズ魔から逃げる際、車のヘッドライトを点ける、グラウンドで冷凍弾を使っているのに、観客席に生身の隊員を配置して凍死させかけるなど、ツッコミどころも多い。



 プリズ魔と新マンの初戦では、新マンがプリズ魔の光線を浴びて苦しむ描写として、光学処理された背景の前で影絵になっている。

 その際、「ウルトラマンA」OPのバックに使われている映像やら、「ウルトラマンレオ」でのウルトラ念力のエフェクトやらが使われている。もちろん、どっちもこちらが初出。



 余談になるが、テレビ版「新世紀エヴァンゲリオン」5、6話に登場する使徒ラミエル(正八面体の外見で、ポジトロンライフルの超遠距離射撃で撃破)は、プリズ魔がモデルだそうだ。

 そうすると、ヤシマ作戦で電力供給のため日本中を停電させたのも本作のオマージュかもしれない。

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[良い点] プリズマ マニアックなやつを売り出したもんだ この大きさでUSBメモリはきついかも [気になる点] うさぎランタン組み込んで常夜灯にすればベッドサイドに持ち込めるかも https://…
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