101 富野展に行ってきた
新津美術館で「富野由悠季の世界」展が開かれている。
本当は9月4日からの予定が、コロナ絡みで延期になり、富野氏のトークショーは中止になった。いや、トークショー自体はどうでもいいんだけどね。あの人、喋るのあんまり上手じゃないし。
夏休みに帰省してきた翼も行きたがってはいたんだけど、残念ながら夏休みが終わってからの開催だから、諦めざるを得ない。
翼はガンダムが好きだけど、意外と富野作品じゃないものの方が見てるの多いみたい。
ファーストなんか、全部は見てなくて主に劇場版の知識だし、「Ζ」もそう。「ΖΖ」はもっと見てなかったはず。
むしろ、「0083」とか「W」とか、「X」とか、あとガンダムエース系の漫画とかがメインっぽい。
お陰で、あたしとは好みも知識も重ならないところが多くて、あまり会話が弾まない。
実のところ、あたしが期待してるのは「トリトン」「ザンボット」「ダイターン」辺りの展示なので、あんまりガンダム関係ないんだけど。
この手のイベントだと、当時の合体ロボおもちゃも展示されてること多いけど、ザンボットの当時品は友達が持ってるのをいじったことがあるから、あんまり感動もなさそう。
「トリトン」に至っては、展示できるような商品なんてないだろうしね。
あたし自身、カップアイスくらいしか覚えてないし。
ソフビはあったみたいだけど、現物は見たことない。
あ、それが展示されてたら、ちょっとすごいかも。
翼は、物販でいいのがあったらあたしに買ってきてもらおうとか思ってるらしくて、ネットで確認してたらしい。
「お母さん、なんか変なのある」
そう言って翼が見せてきたのは、金色の扇。
ダイターンの絵が描いてある。
ん~、翼からすると、変に見えるのかもね。
でも、これはちゃんと意味があるのだよ、明智くん。
「これはアリだね。お母さんは買わないけど」
言ってやったら、翼は
「お父さんの言ったとおりだ…」
とか、わかりやすくショックを受けてた。
へぇ、天さん、あたしの反応読んでたんだ?
「ダイターン」はほとんど知らないはずだけどなぁ。愛を感じるね。
まぁ、翼に解説しとこうか。
「これはね、ダイターン3のネタアイテムなのよ。
ダイターンファンっていう扇状の武器があってね。盾として使うことも多いんだけど。
これは、それを元ネタにしてるわけ。ほら、要のところになんか分銅みたいなのが付いてるでしょ。これが特徴。
金色の扇でダイターンファンって、ネタとしてアリだと思うわよ。ちょっと絵がうるさいけどね。
お母さんの好みとしては、無地の方がほしいかなぁ」
ついでだから、 ダイターンファンの画像も見せてやった。
「ほら、この分銅ね。
こうやって、扇広げて攻撃防いだりすんのよ」
「ふ~ん」
ビームサーベルの傘とか箸とかアリなくせに、なんで扇はダメかね?
「天さん天さん、あたしがあの扇アリって言うと思ってたんだって?」
後で天さんに言いに行った。元ネタ知らないのに、よくわかったよね~って。
「だって、オタクってああいうよくわかんないの好きだろ。
きっとなんかあるんだろうって思っただけだ。
なんせ売ってたんだから、ネタあるんだろ?」
「え~、そんな理由なの?」
全然愛じゃないじゃない!
結局、翼はあたしが富野展行くのに合わせて帰ってきた。
そこまで見たかったか。
展示には、人間大のダイターン3の像があったのと、全長70センチくらいのイデオンのキットが飾ってあったくらいで、ほぼ絵コンテとかしかなかった。
あたしとしては、「ラ・セーヌの星」に富野さんが関わってたのが意外だったくらいで、特に目新しいものはなかった。
うん、ファーストガンダムの1話で、ガンダムが左手でビームサーベルを抜いているのが“画面上手にガンダムを置いて描くため”だったっていうのが面白かったくらいかな。
上手に置いたのは、そっちが上位だからってことらしい。
ガンダムが左手でビームサーベルを抜いたのは、4~5話くらいにもあるけど、あの時は両手でだった。
左手だけでっていうのは、1話だけなんだそうだ。
そのほかは、ちょっとした解説と絵コンテばかりで、見るものがあんまりない。
う~ん、思った以上にショボいなぁ。
ザンボットもダイターンも、パネルの絵は番宣時レベルの古いもので、いや、それはそれで貴重なのかもしれないけど、イマイチな感じ。
いくつかの番組ブースでは、10分足らずの名場面が上映されてる。
ザンボットのブースで「アキと勝平」でアキが爆死するシーンが流れてたのは、素直にすごいと思ったけどね。
翼を呼び止めて、そのシーンを見せ、「この娘、1話から出てた準レギュラーなんだよ」とか解説してやったけど、反応が薄い。
考えてみれば、「鉄血のオルフェンズ」でビスケットとか無意味に死んでくのを見慣れてる翼には、アキの死のショックはピンとこないのかもしれない。
時代の流れかなぁ。
「イデオン」のブースでは、劇場版のラスト、みんなが魂になって飛んでいくシーンが流れてた。
キッチンがコスモの脇に座るシーンで、“デッサンきっちりしてるよねぇ”とか思った。
あんだけきっちりした人体を描けるってのは、湖川さんってやっぱりすごいなぁ。胸とかでかすぎないし、足も長すぎないし。腰の肉感とか、ホントにリアル。
結局、翼はじっくりたっぷり2時間半かけて見終わった。それでも「最後、時間気にして駆け足になっちゃったなあ」とか言ってたけど。
うん、あたしは待ちくたびれちゃったよ。
物販の方は、あたしは何も買わず、翼がデスクマットみたいなのを買ったくらいだった。
だって、扇、小っちゃかったんだもん。
ザンボット
1977年放映のアニメ「無敵超人ザンボット3」のこと。
詳しくは「鷹良箱」第21回を参照。
150年前、母星をガイゾックに滅ぼされて地球に流れ着いたビアル星人の末裔神ファミリーは、先祖が隠して置いた宇宙船キングビアルを発掘した。
時を同じくして、ガイゾックが地球を襲い始め、神ファミリーはキングビアルとザンボット3でガイゾックを迎え撃つ。
神ファミリーが宇宙人の末裔であることから、当初、周囲は“ガイゾックは神ファミリーを狙っている”と考え、迫害した。
終盤、ガイゾックは人間を攫って爆弾を埋め込んで解放するという“人間爆弾作戦”を展開する。
ランダムな時限装置により、民衆の中で突如爆発する人間爆弾は、安上がりな割に有効な手段として、人間爆弾製造工場が破壊されるまで猛威を振るった。
人間爆弾は、右肩の裏に星形のアザがあるので見分けは付くが、いつ爆発するかわからないため、手術で爆弾を抜き取るなどの方法が採れず、救う方法はない。
アキは、解放されたところを勝平によって保護されたため、キングビアルの勝平の部屋で爆死した。
トラウマになった人多数。
最終回、ガイゾックは、悪しき生物の住む星を滅ぼすようプログラムされたコンピュータであることが明かされる。
同種同士で殺し合う地球人を悪しき生物と判断し、滅ぼそうとしていたのだった、という善悪の逆転が起きる。
ガイゾックの攻撃自体が残虐なので説得力に難があるが、「トリトン」が最終回でいきなり過ぎる感が否めないのに比べると、「ザンボット」の場合、序盤で地球人に迫害されているという事実があるので、非常にわかりやすい。




