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10 ウルトラマンが光るのって漢のロマンだよね(アグレイター修復編)

 ちょっと脇道ですが、アグレイターの修復です。

 今回も濃いです。


 メビウスは、まだ分解できていません(^_^;)

 「やった~、遂に手に入れたわ~♪」


 「お母さん、今度は何買ったわけ?」

 小躍りしてたら、また翼に冷たく突っ込まれた。

 でも、いいの。気分がいいから!

 「変身セットのアグレイターをね、やっと手に入れたのよ! 聞いて驚け、なんと100円!」

 変身セットっていうのは、ウルトラマン系の変身アイテム7~8個をまとめたセット商品のこと。それで2千円台くらいなので、当然、アイテムは廉価版で、小っちゃな子供サイズの上にギミックもないものがほとんど。それでもアグレイターは、羽が開くギミックがあるだけいい方。ちなみにエスプレンダーは、LEDが1個とはいえ入ってるから、光る。セット売りだけど、中古屋に行くと、たまにバラ売りされてたりするから、それを買ってきたってわけ。


 「なんでそんなに安いわけ?」


 「ジャンク品だから。ほら、羽がね、閉じないのよ」


 「そんな壊れたの買ってどうすんの? また光らせるの?」


 「それはもちろん! まぁ、多分ギミックの方も直せるでしょ」




 早速分解してみると、閉じた羽を押さえるためのストッパーが折れてた。2mmくらいの厚さの棒だったっぽいから、直せそうね。

 「翼、やっぱ直せそうよ、これ。

  ほら、ここが折れてるでしょ。だから、ここにストッパーを作り直せばいいのよ」


 「プラ板とかピンバイス、貸そうか?」

 ピンバイスっていうのは、小さなドリルのことだ。翼は、プラスチックの板(プラ板)を切って折れたパーツを作り、パーツと板とにピンバイスで穴を空けて、細い鉄の棒とか入れて繋ぐと思ったみたい。翼がプラモの折れたパーツを直す時はそうやってるから。

 でも、残念。

 「薄いからね、穴空けて棒通すわけにはいかないのよ。お母さんの技術(ウデ)じゃ、プラ板で作るのも難しいなぁ。強度が付けられないもん。バネのテンションが掛かるところだからね、かなり強く作らないと」


 「じゃあ、どうするの?」


 「ん~、レジンで作ってみようかと思ってる。この前わかったんだけど、レジンの固着力って案外バカにならないのよね」


 「ふ~ん」


 レジンっていうのは、液体が固まってプラスチックみたいになる材料、と思ってもらえばいいかな。型に流し入れて紫外線を当てると数分で固まる。これが結構硬くて、くっつく力も強いから、直接パーツの上にレジンでストッパーを再建すればいいと思うのよ。

 結局、ある程度の長さの板状にする都合上、一旦別で作っておいて、最後にレジンを足してパーツにくっつけることにした。


挿絵(By みてみん)

上から、ウルトラチャーム変身アイテム、ツインキーホルダー、ウルトラ兄弟変身アイテムセット、変身ブレード、ウルトラ・レプリカ。脇にある2つは、キーホルダーをレジンで複製したもの。

今回修復したのは、下から3つめの変身アイテムセット。


挿絵(By みてみん)

羽を閉じた状態。修復により、閉じた状態で固定できるようになった。



 「じゃ~ん! 完成! ほら、直った直った!」


 「あー、よかったね。それも光らせるの? お母さん、ほんとに光らせるの好きだね」


 「よく言うでしょ? 女は光り物が好きだって。翼もそのうちわかるよ」


 「あのな、梓。世間一般では“光り物”ってのは、貴金属類のことで、電飾のことじゃないからな?」


 あれ、天さん、聞いてたんだ。

 「大丈夫。あたし、貴金属も好きよ。いつでもウェルカムよ」


 「この前、来年のクリスマスプレゼントで買ってやったばっかだろが!」


 「うん、その節はありがとうございました♪」


 基本的に天さんはあたしに甘いから、どうしても欲しい物であたしが悩んでると、クリスマスや誕生日のプレゼントの先渡しという形で買ってくれる。この間買ってもらったイヤリングは、来年のクリスマスプレゼントだ。今年のクリスマスも、来年の誕生日も、もうとっくに貰ってる。理由がないと買わないというのが、天さんなりのけじめらしい。

 あと、おもちゃ系は絶対買ってくれない。あたしもねだらないけど。やっぱこういうのは、自分のお小遣いで買ってこそよね。


 「お母さん、また先のプレゼント貰ったの!?」


 「うん、まぁ…」


 「ふぅん。まあいいや。で、アグレイターって、それで何個目?」


 「えっと、5個目かな。当時ものに、プライズに、メタルチャームに、レプリカ」


 「自分で作ったのは?」


 「あれは、ねぇ。ものになりそうなのは、2個かな。1個はそのままマスコットで、1個はUSBメモリに付ける予定」


 USBメモリには、アクセス時に青や赤のLEDが点滅するタイプのものがある。青点滅のタイプのケースに穴を空けて、その上にプライズのアグレイターから複製した半透明のやつをくっつけたら、アクセスするたびにアグレイターが点滅するUSBメモリのできあがりだ。赤点滅にウルトラマンをかぶせれば、カラータイマーが点滅するUSBメモリになる。ただ、ウルトラマンを自分で作れるほどの技術はあたしにはないから、どこからタネを拾ってくるかが問題だ。


 「発想はすごいと思うけどさ。作ってどうすんの?」


 「もちろん使うよ! ホントは、ウルトラマンのUSBメモリも作りたいんだけどねぇ。さすがに、型にできるネタがないと…」


 「まぁ、好きにして」


 「うっ。天さぁん、翼が冷たいよぉ」


 「いたって普通の反応だと思うぞ。

  正直、俺もなんでお前がそこまでウルトラマン好きなのかわからないし。この前のカラータイマーだって、ピコピコうるさかったしなあ」

 わざとらしく天さんにすがりついたら、これまた冷たい反応が返ってきた。

 「だから“漢のロマン”だって言ってるじゃなぁい」


 「うんうん、だから、俺にはわからないって。なんせパンピーだからな」


 「またそうやって根に持つ~~~」

 天さんは、以前あたしが友達に「うちの旦那は普通の人(パンピー)だからさぁ」って言ったのを根に持ってる。“パンピー”って言葉を聞いたことなくて、なんとなくバカにされたように感じたらしい。そのせいで、あたしの話を遮る時は「俺はパンピーだから」と言うのだ。いぢわる。


 でも、あたしは負けない!

 絶対絶対、光らせてやるんだから~!

「ウルトラマンガイア」

 本文中、番組名が全く出てこないが、アグレイターはこの作品に登場するので、一応説明を。

 「ウルトラマンティガ」「ウルトラマンダイナ」に続き、1998年に放送された“平成ウルトラ3部作”の3つめ。完全な続編だった「ティガ」「ダイナ」から世界観を変え、近未来の地球を舞台に、“根源的破滅招来体”という宇宙の敵をメインに、様々な怪獣・宇宙人と戦う。

 主人公である高山我夢(がむ)が変身するガイアのほか、もう1人のウルトラマン:アグルが登場するのが特徴。オーソドックスな銀地に赤のガイアに対し、アグルは頭部以外は青地に黒と銀で模様が入るというカラーリングになっている。また、アグルに変身する藤宮博也の目的は地球を護ることであり、人類はむしろ滅ぼそうとしているため、“悪者でないのに敵対するウルトラマン”という非常に珍しい存在になっている。

 ガイアもアグルも地球が自らを護るために生み出した力であり、ガイアは大地(赤)の、アグルは海(青)の力を持つ“光”。我夢と藤宮は、それぞれ手にした“光”を使って変身する。ガイアとアグルという名も、我夢と藤宮がそれぞれ自分で名付けた。変身アイテムを自作したのもシリーズ初。ガイアの変身アイテム“エスプレンダー”は、ガイアのカラータイマー部分をモチーフに我夢がデザインした。

 物語中盤、藤宮が人類を滅ぼそうとする理由がコンピュータの“地球を救うには人類を排除するしかない”という判断だったこと、その判断すら根源的破滅招来体による操作だったことが判明。利用されていたことを知って戦意をなくした藤宮は、アグルの光を我夢に託して姿を消す。

 アグルの光が加わったことによりガイアはガイアV2にパワーアップ(以後それまでのガイアは登場しない)し、更にアグルの力を最大に解放することでスプリームヴァージョンに二段変身できるようになった。なお、V2という呼称は、本編内では使われていない。

 物語が進むにつれ、“怪獣も地球の一部であり、無闇に殺すべきではない”という考え方が登場し、それが発展して次作「ウルトラマンコスモス」の“怪獣を殺さないウルトラマン”という思想に繋がっていく。

 最終決戦では、敵の最強怪獣に敗北して変身するための光を失った2人は、地球各地の怪獣が“地球を護るために”吐きだした炎などを集めて、それら“地球の光”の力で変身することになる。


ウルトラマンアグル

 テレビシリーズ初の“2人目のウルトラマン”にして、ガイアのライバル。

 我夢に“光”を託したことで一旦消滅したが、敵の策略で変身不能になった我夢を救うため、新たに海の“光”を受けてアグルV2として復活した。

 アグルとアグルV2は、模様がかなり変わっている。

 元々は復活しない予定だったが、アグルの人気の高さから復活することになったとのこと。復活したその回以外に単独勝利が1回もない(ガイアと一緒の時は勝っている)のは有名。


アグレイター

 アグルの“光”が入っている変身ブレスレット。アグルのカラータイマー部を模した本体に羽が付いた形で、藤宮の右手首に装着されている。

 変身の際は、右拳を上に向けて腕を立て「アグル~!」と叫ぶと、ブレスレットが上下反転して閉じた羽が上を向き、羽が開いて青い部分が輝く。

 作成シーンはないが、藤宮が作成したものと思われる。


「変身ブレード アグレイター」

 放送当時の商品。青い部分を押すと(ブレード)が開き、LEDが光って音が鳴る。主役の商品ではないため、エスプレンダーに比べると光も音もしょぼいが、アグル・藤宮の人気の高さから、エスプレンダーより売れたとかなんとか。

 残念ながらLEDは黄緑色に光るので、梓は、青のLEDに交換した。


「ツインキーホルダー」

 正式名称忘れた…(^^;)「変身シーンツインキーホルダー」だったかな?

 変身アイテムと登場シーンをペアにしたゲーセンのプライズシリーズ。

 ウルトラマン、セブン、ガイア、アグル、コスモスの5種類がある。なぜティガとダイナがないのだ!?


「ウルトラチャーム変身アイテム」

 変身アイテムなどの金属製チャーム。ウルトラショップ限定らしい。

 3弾まで出ていて、2弾にアグレイターがある。


「ウルトラ兄弟変身アイテムセット」

 変身アイテムの廉価版(チープトイ)セット。

 3弾まで出ていて、2弾にアグレイターがある。アグレイターは、青い部分を押すと羽が開くギミックがある。


「ウルトラ・レプリカ」

 プレミアムバンダイが出している実物大の大人向け変身アイテムシリーズ。

 ウルトラマン(ベータカプセル)ウルトラマンティガ(スパークレンス)ウルトラマンダイナ(リーフラッシャー)などが出ているが、変にBGMなどを組み込んでいるため、微妙なギミックのもの多数。特にスパークレンスは、電源を入れた途端にBGMが流れる謎仕様。

 エスプレンダー&アグレイターのみ抱き合わせとなったのは、バラで売るとエスプレンダーが売れないからに違いない。

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