1 桜の蜜
これは、仲良くさせていただいている なななん 様のかっぽうでの「葉、もしくは木、もしくは樹木、からイメージを引き出して一場面書いてみよう!」というお題に投稿したものです。
「梓、いい年して何やってんだ、早く降りてこいよ。怒られるぞ」
天さんが下から文句言ってる。
そんなに気にすることないのに。
「だ~いじょうぶよぉ、落っこちるようなヘマしないから」
「だから、そうじゃなくて、桜に登るなって言ってんだよ!」
「枝折らなきゃ怒られやしないって。誰も見てないんだから。
天さんもおいでよ」
「登れるか!」
「え~? 大丈夫だよ、天さんの体重くらいなら折れないよ。
ほら、花もいっぱい咲いてるよ。取り放題だよ」
「だから花を取るなって! 怒られるってば!」
「嫌だなあ、あたし達がちょっとくらい吸っても減らないわよぉ。
ほら、蜜、美味しいよ?」
「だからだなぁ」
「もう、しょうがないなぁ」
あたしは仕方なく、木から降りた。
天さんったら、生真面目なんだから。
桜が咲いてたら、普通は蜜を吸うでしょう。あたしにとっては、子供の頃の思い出の味なんだけどなぁ。
天さんが何か色々文句を言ってたけど、聞き流してたから、何を言われたか全然覚えてない。
結論。桜の蜜は美味しいよ。
「だから! 吸っちゃ駄目!」
うるさいなぁ。