魔性花
「大地君、何処に行くつもりなんだい。」
ドミアが、オロオロと聞いてくる。
「カパソ砂漠。確か、魔性花は水では無く空気中の魔素を取り込んで成長する。」
「歩いて行くのかい。」
「あぁ、馬なんか乗ってたら逃げられないぞ。魔法くらい使えるだろ?」
そう言うと、深くフードをかぶり顔を隠す。
「何で、顔を隠すんだい。」
「俺は本当は、貴族連中のごたごたやらに巻き込まれたくない。でも今回は、そうも言ってられないからな。せめて、正体は隠させて貰う。」
「僕が、ばらすかも知れませんよ?」
冗談交じりに言う。
「そうなったら、姿を暫く消すだけだ。」
ドスドスドスドスッ 怪鳥が向かってくる
「あっ、あれって……」
大地は、ニヤリと笑うとナイフを持ち次々に怪鳥を軽い動きで素早く仕留める。
「さて、終わり。次が来るぞ、急いで突っ切るからついて来いよ。止まったら、死ぬぞ?」
ドミアは、あんぐりする。
「ほら、走れ走れ!」
大地は、明らかにこの状況を楽しんでいる。
「化け物だ……。」
「うるせぇ、余計なお世話だ。」
遠いはずなのに、子供っぽく言う。
「何で、天然のゴーレムがこんなに!?」
「ほらほら、速く走れよ。」
拳でゴーレムを、あっさり粉砕しながら言う。
「いったい、あなたは何者なんですか!」
「俺?さぁな、俺が知りたいくらいだぜ。」
ダーン! ドカーン! ガラガラ ゴロゴロ
「それは、肉体強化ですか?」
大地は、その質問を無視して粉砕する。そして、ついに見つける。黒い花びらで、近づくと思わずクラクラしてくる。スパーン!
「いっ、痛ぁー!」
「花粉を吸うな。魔性花は、花粉を吸うと正気が保てなくなる。ほれ、ハンカチ。」
そう言うと、ハンカチを渡す。
「大地君は、大丈夫なんですか?」
「あぁ、風魔法で花粉を弾いてるからな。」
魔性花を、瓶に入れてドミアに渡す。
「やった。やっと、1つ目ゲット。」
「次は、奈落の谷だな。急ぐぞ、ドミア。」
暢気に、歩き出す。
「あっ、待ってください。」
慌てて追いかける。
「あの、何で魔物の森を飛ばしたんですか?」
「行く必要が無いから。」
素っ気なくいうと、加速の魔法で東に向かって走り出す。ドミアも、遅れまいと走り出す。