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異世界最強の冒険者  作者: 隣の黒猫さん
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モンスターパレード

モンスターパレード。このゲームでは、討伐イベントとして有名で最高でAランクモンスターが出るとあってベテラン冒険者の狩り場イベントでもある。初心者殺しをはじめ、数と強いステータスを振りかざすモンスター達を狩るのだ。


「うひょー!おいら、あんなモンスターパレードは初めてだぞ。というか、竜種がいるな。あれは、ワイバーンか?厄介だぞ……。」


Bランクモンスター ワイバーン レベル108


「なにげに、レベル100越えとか……。まぁ、やることは変わんないけどな。」


目で確認しただけで、モンスターのステータスを確認する大地。そして、あるモンスターを見る。


「……っ!?」


規格外ランクモンスター  フェンリル



……レベル1560



って何であんな化け物が!


「どうした?」


「ベルモ、今回のモンパレは最悪だ……。」


「おい、顔色が悪いぞ。どうした……」


「モンパレの中に、規格外ランクモンスターを見つけた。まだ、距離はあるしギルドと国王に話をしてくれ。ここは、俺が引き受ける。長くは、持たない急げ!お前なら、名が売れてるだろ?」


「了解だ。無理だと思ったら、撤退しろよ!」


頷いて、深呼吸をすると横腹あたりが痛む。


何だ…。いや、それよりモンスターパレードだ。


カードに、魔力を込めて突っ込んで行く。


真っ先に、ランクFのゴブリンが来る。


「邪魔だ!アルファ、少しだけ力を貸してくれると助かる。俺も、自分の制限を解いて戦う。」


凄まじい魔力に、ゴブリン達は耐えられず死ぬ。


「おい、無茶をするな大地よ!」


「せめて、ベルモが戻るまで手加減は出来ない。アルファ、お前も誓約があるからそこまでここには居られないはずだろ。」


コボルト・スケルトンやらEランクモンスター達が、次は攻めてくる。なるほど、少しずつ強くなってくるのか……。体力は、温存しつつ一撃でなるべく仕留める必要があるな。


「ほぉ、龍神殿ではないか。」


「犬っころ、モンスターパレードになぜ居る。」


「美味そうな、人を喰うために……。」


そう言って、横目で大地を見る。


「あれは、私の契約者だ。喰わせん!」


「なるほど、だからあんなに………。」


アルファは、キッとフェンリルを睨む。


「この姿で戦うのは、少しだけ目立ちすぎるな。龍神殿、人化して戦おうではないか。」


「良かろう、調子に乗ったこと後悔させてくれる。我が主よ、こいつは任せてくれ……。」


「………分かった。でも、気を付けろさっきからそいつを見てると変な感じがするんだ。」


コボルトを切り捨てながら言う。


「お前の胸騒ぎは、良く当たるからな。気を付けよう。少し、この場を外すぞ。」


「了解……だっ!」


Dランクモンスター達が来る。


「うわぁー、これは切りがないな……。息をつく隙も与えないってかっ!この、ひつこいな。」


ゴーレム・リザードマン・サハギン・オーク・トレントそしてケルピー目視できるのは六種類のDランクモンスターだ。というか、水場のモンスターまで居るのかよ。ここには、水場は無いのに。


「低ランクでも、数が多いと厄介だな……。」


汗を袖で拭い、息を整える。


Cランクモンスターが、それを見て攻めてくる。


ゾンビ……。あー、うん。なんか、焼き払うか。


「詠唱は、恥ずかしいし無詠唱でやるか。」 


ゾンビだけでなく、他も焼き払ってしまう。


「待たせた!俺も、参戦するぜ。」


ベルモが、剣を構える。


「アルファ!」


大地は、叫ぶ。アルファ、素早く消える。


フェンリルは、大地に向かってくる。人化を解いて、その肉を喰らうために悲しい表情をして。


ドカーン!  ゴバーッ!


フェンリルに、何か巻き付く。かつて神々が、フェンリルに付けた鎖がこの国にはあったのだ。


フェンリルは、地面の中に沈んでいく。頭だけ出して止まる。フェンリルは、こちらを見る。少しだけ目が濁っている。それは、穢れである。穢れに、対抗するためにフェンリルは人を喰うしかなかった。これが、全てでありフェンリルは微かに笑って目をつぶる。これで、償えると思い。


「さて、協力感謝する。フェンリルを、殺せ!」


「待て。俺には、そのフェンリルに話がある。」


「ガキは、黙っていろ!」


「お前が、黙っていろ。この坊主は、ベルモが来るまで1人でここを守ったんだぞ。普通の冒険者なら、とっくに死んでる。だから、良いぞ。」


「感謝する……。なぁ、お前のその穢れはどうした?どうして、こんな事をしたんだ?」


「……私は、この国の守り神。この国を清め、穢れをこの身にずっと受け止めてきた。しかし、穢れがいつしか私を蝕むようになった。そして、私は狂い人を襲った。人の血は、一時的とは言え私を正気に戻した。だから、人を喰うしかなかった。護るべき、人を……。だから、殺してくれる者をずっと……ずっと待っていた。」


濁った瞳から、涙が溢れ出す。


「フェンリル、穢れを取り除く方法はないのか?あるのなら、俺が力を貸すよ。」


「いらん、早く私を殺せ!」


「逃げるな。お前の罪は、お前の死だけで償える物じゃない。守り神なら、しっかりしろ。」


「浄化石を知ってるか?」


勿論知っている。けど、何で?


「あれは、傷にゴミや菌が入らないようにするものだろ?もう、随分前にとれなくなった。」


「それは、100年くらいの浄化石だ。私が探すのは、100000年以上もの間見付けられず放置された石だ。それには、穢れを取る力がある。」


「うーん、難しいけど探してみる。それにな、お前だけが悪い訳じゃない。お前を苦労させた国の人々も悪いんだ。皆で探すさ。」


「おーっ。」


冒険者達が、拳を上げて賛成を示す。騎士の男は、大地を睨み剣を抜く。


「このガキは、この魔物に心を穢された。まずは、ガキから殺せ!フェンリルは、後だ。」


騎士は、大地を囲む。大地は、ため息をつく。


「なぁ、守り神を失った国はどうなると思う?」


「ふん、守り神などこの国には居ない。」


「居るよ。全ての国に、必ず一人居るんだ。」


その表情は、大人っぽく魅力的だった。


「居たとしても、人を喰えば意味がない!」


「これだから無能は……。そもそも、守り神に生け贄を差し出したのは人間の方からだ。守り神は、子供や女を逃がし食ったことにしていたが。守り神は、本来はここまで穢れることはない。ここまで穢れさせた、お前達にも責任はある。」


「お前、いったい何者だ?」


ベルモは、頷く。幼い顔の今と、大人の大地は雰囲気も違うしわかりにくい。だから、頷く。


「俺は、神の子だ。」


ざわめく冒険者……。何に、剣を向けたか理解して後退る騎士達。大地は、ここにはもう居られないと理解してフェンリル見る。


「フェンリル、俺と一緒に来ないか?」


「待ってくれ、神の子様。守り神を失った国は、いったいどうなるんだ。教えてくれ。」


「なぁ、守り神の仕事を知ってるか?」


知らない、そう言って首を振る。


「この国は、もともと花も咲かない乾燥地帯だった。その大地に、魔力を送りこの環境を作ったのはフェンリルだ。そして、この国の発展は守り神が元気かどうかで決まる。つまり……」


「この国は、乾燥地帯に戻り廃れて消える。」


頷く、大地。これは、昔からそうだった。


「って、フェンリルを連れて行かないでくれ!」


「だが、もう既にこの国を守る力はフェンリルにはもうない。穢れに、その力さえも……。」


「ならもうこの国は、駄目なのか?」


「………フェンリル、お前に頼みがある。もし、その身体から穢れをとれたら少し毛をくれないか?悪いようにはしないからさ。」


「良かろう。」


「とにかく、浄化石を探そう。この国の未来のために。フェンリルは、ここで待っててくれ。」


「……名をくれないか。」


「じゃあ、ポチで。」


暢気言う大地を見て、異世界人達は彼も異世界人だという噂が本当だと知る。そして、もしかしたら石を見付けたら願いを叶えてくれるかもと期待してわれ先にと散っていった。


「おい、守り神様を犬扱いするな!」


思わず突っ込む仁。ここに居るのは、ベルモとフェンリルと仁だけだ。大地は、ブラックカーテンの魔法を使う。擬態魔法の1つで、景色に溶け込む魔法である。フードを被り、大人になってフードを取り仁を見る。目を丸くする仁。


「秘密な。あんたは、信用できるし。」


悪戯っぽく笑う。


「なるほど……。ギルドでの件は、すみませんでした。まさか、本人にあれを見せるなんて。」


「みどりは、もとの世界に返した。謝罪も込めて、ちゃんと謝ったら許してくれたよ。」


すると、驚いてから良いずらそうに言う。


「その力で、自分が戻ろうとは思わないのか?」


「俺は、あちらに戻れないんだ。この力の代償のせいで、俺の魂はこの世界に縛られてしまっているからな。まあ、この世界も悪くないし良いけどなぁ。おいおい、そんな顔すんなよ。」


悲しみに、泣きそうな仁を見て笑う大地。フェンリルは、気付いてしまった。大地は、激戦のモンスターパレードでもフェンリルの話しの時も一切の弱音も吐いていない。怖いはずなのに、辛いはずなのにいったい彼の心の支えは何だ?もし、無いとしたら。そして、彼に何かあったら……。


とても、怖かった。出来たばかりの、小さな友達を失うのでは無いかと……。


「さて、俺らも探そうぜ。」


「はいよ、ご主人様。」


フェンリルは、自分に出来ることを動けぬ身体で考える。仁は、離れたところで座っていた。

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