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異世界最強の冒険者  作者: 隣の黒猫さん
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神の子探し

さて、レスケス王国についたけど……。人が多いい。これは、迷うな……。ベルモは、そんな俺を見て手を握る。なっ!?


「迷子防止対策だ。」


「はっ、恥ずかしいから手を握るのは……」


「大丈夫だ。だって、お前はガキだし。」


そして、ギルドに入る。


「お願いだから、手を放してくれ恥ずかしくて死にそうだ。ここなら、人が少ないだろ。」


フードを深く被っているが、その顔は真っ赤なのがわかる。ベルモは、手を放し座る。2人は、周りの会話に耳をかたむける。


「なぁ、知ってるか?魔物の森に、神王が現れたらしいんだぜ。そして、言ったらしい。」


「何てなんて?」


すると、水をもってくる受付嬢。水を飲む2人の耳に、さっきの続きが入ってくる。


「神の子は、人に紛れて生きている。神の子に、気に入られて叶え人の力を通して願う者をもとの世界に戻そうってな。しかも、神の子は異世界人らしいぜ。だから、依頼ボードは神の子を探す依頼でほぼ埋まってる。やばいよな。」


ベルモは、思わずコップを落とし大地はむせる。


「げほっ……ごほっ……。」


「あー、やばいタイミングだな。」


大地は、すぐさま立ち上がり依頼ボードを見る。びっしり貼られ書かれた、神の子探しの依頼。


これは……。もしかして、他の国のボードもこんな感じなのか……。だとするなら……。


『ベルモ、おまえの用事を済ませよう。俺も、森に用事が出来た。そうだな、ついでにポーションの薬草を採る依頼を受けるか。目的は、観光にしとこう。馬車は、売り払って馬で動くぞ。』


『了解だ。』


「おう、坊主も異世界人か?これ、凄いよな。もしかして、お前も同じ依頼を出す予定だったか?残念な事に、ここではその依頼は締め切ってるから出来ないぞ。だから、別のギルドに行くんだな。俺は、このギルドのギルドマスターだ。」


「そうなのか、残念だな。」


本気で演技して、とぼとぼととベルモの所に行き外に出る。依頼は、受けずに歩いていると何人かの冒険者が後をつけて来ている。


内心、ため息をつくと振り向く。


「何のようだ?」


「お前は、神の子なのか?」


なるほど、周りを見ると来たばかりの異世界人に声をかけている冒険者達がいる。


「あのさ、そもそも俺神の子って何だ?」


沈黙する。冒険者達は、頷き合いこちらを見る。


「すまない、変なこと聞いたな。えっと、神の子ってのは伝説に出て来る子供らしい。」


「ふーん。でも、俺はこの世界好きだし。」


「良かった、ライバルが減るならラッキーだ。」


そして、軽く挨拶をして去る。


森つき、思わず声を大きくして言う。


「出て来い、セフィロト!」


「あの、怒ってます大地さん?」


思わず、敬語で居住まいを正すセフィロト。


「知ってたのか?」


「はい、知ってましたぁ!ごめんなさい!」


ため息をつく大地。


「まぁ、普通にしてればばれないだろう。狙われるお前の気も、分からない訳じゃないけど落ち着け。たぶん、ばれても手荒なまねはしないだろうよ。条件に、お前に気に入られる必要があるんだから。にしても、今の神王は馬鹿なのか?」


「だと、良いんだけどな……。」


不安に表情を曇らせる。


「ごめん、僕が止められなかったから……。」


「もう良いよ、それよりベルモは薬草を探すんだろ?俺は、少し休んで良いか?疲れた。」


「了解。帰りは、起こすからセフィロトよろしく頼んで良いか?ちょっと、行って来る。」


「うん、分かった。」


ベルモが、走って帰って来る。


「どうしたの、ベルモ?」


「良かった……。さっき、神の子が見つかったって冒険者達が言ってたんだ。ギルドに向かうぞ大地。行けそうか?辛いなら……。」


「嫌な胸騒ぎがする。」


大人の姿になり、フードを外す。


「いきなりどうした?」


「大人の姿なら、神の子だとは疑われないだろ?早くギルドに行くぞ。ラッキーな事に、あのギルドで俺はギルドカードを見せていないしな。」


「分かった。セフィロト、またな。」


「気を付けてね。」


ギルドへ、全力で向かい見た光景に息を呑む大地とベルモ。血だらけの子供と、それを見て怒鳴る冒険者の男。頭が、真っ白になる……。


ベルモは、ハッとして大地を見る。


「大地、しっかりしろ……。」


「分かってる。」


そう言うと、スタスタと男に向かい言う。


「これは、どう言う事だ?」


「このがきが、叶え人の力を使わねぇんだ。」


大地は、しゃがんで女の子の傷を治す。


「なぁ、ギルドは冒険者を守る義務があるのは知ってるか?ギルドマスター、これは何だ……。」


「すまん、血を見て驚いた。」


「この国のギルドは、目の曇った冒険者に対する処置も的確に出来ないのか?こんな幼い子供が、暴力を振るわれているのに止めようとする大人は居ないのか!おまえら、人として最低だぞ!」


怒りに、大声で怒鳴る大地。


「確かに、帰りたい気持ちは分かるよ。でもさ、人として大切な物を忘れたら駄目だろ。」


周りの人々は、大地の心からの叫びに心を動かされる。男に、ヤジを飛ばす周りの人々。


「痛かったな。もう、大丈夫だぞ。」


優しく笑い、抱きしめる。女の子は、安心したのか大きな声で泣き出す。大地は、女の子が泣き止むまでそばに居てあげる。


「お兄さん、ありがとう。私、神崎 みどり。」


「俺は、駿河 大地。これでも、Aランク冒険者だ。落ち着いたか?飲み物、まだ飲むか?」


すると、みどりは子供らしい笑みで笑う。


「飲む!でも、お兄さんは良いの?」


「まぁ、これでもベテラン冒険者だからな。」


気にするなとばかりに、ほがらかに笑うが心の中では少女に対する罪悪感で大変だった。


俺のせいで、こんな小さな子が……。


「おい、それは俺が見つけたんだぞ!」


男が武器に手をかける。


「なぁ、見つけて痛めつけてどうするつもりだったんだ?この子は、ただの子供なんだろ?」


「違う、こいつは神の子だ!俺は、こんな世界から早く出たいんだ。だから、よこせ……。」


ため息をつく。男は、剣を大地に向ける。ギルドは、対応しようと身構える。


「お兄さん……。」


不安そうに、こちらを見るみどり。


「大丈夫だ。」


優しい笑みを浮かべ、軽く頭を撫でて立ち上がる。少女は、小さく頷く。


「剣を、俺に向けたな?」


「うるせぇ!」


剣を振りかぶって、近づいてくる。


「可哀想な人だ……。」


ドスッ 拳で殴り気絶させる。


「お兄さん、凄い!」


「さて、ここに居ても迷惑だしお家まで送るよ。というか、お家は覚えているか?」


「うん、覚えてる。」


「そっか、じゃあ帰ろう。案内してくれ。」


お金を払い、振り向く。


「あの、何でそんなに優しくしてくれるの?」


「あー、性分なんだよ。嫌か?」


恥ずかしそうに言う大地。


「おまえ、良い奴だな。駿河 大地。その名前、しっかり覚えたぞ。俺からも、よろしく頼む。」


ギルドマスターが、満面の笑みで言う。


「ギルマス、名前は?」


「ジンだ。当郷 仁……異世界人さ。」


「俺も、覚えておこう。さて、失礼する。ベルモ、お前はどうする?ここで待つか?」


すると、ベルモは横に首を振り。


「ついて行く。」


少女の家の村につく。


「お前なんて、出て行きな!」


「そうだ、お前なんて居なければ!」


村の人々に言われる。結局、あの森につく。


「もう、私に居場所が無い。もう、嫌だ……。」


「もとの世界に、戻りたいか?」


含みを入れて呟く。


「帰りたい……。」


「ならば、その願いを叶えてやろう……。」


神技術が、発動される。


「お兄さん!?」


神技術の陣から、金色の光が放たれる。


「俺は、ジェノイアの力を受け継ぐ者。いや、完全には受け継いでないがお前を帰す事は出来る。幸せになれ、さようなら……みどり。」


「お兄さんは、神の子だったの?」


「そうだ、ごめんな俺のせいで……。」


子供の姿になる大地。


「でも、助けてくれたありがとう。」


みどりは、光に包まれ消える。気が付けば、見知った町並みと服装。思わず、涙を流した。


「さて、行ったな。あと、不幸なお知らせだ。」


ベルモは、大地を見て言う。


「何が起きた?」


「あの子の村、モンスターパレードに巻き込まれて全壊したらしい。ここにも、いずれ魔物達が押し寄せてくるはずだ。どうする?」


大地は、少し悩む。横腹あたりが、少し痛み出したからだ。だが、頷くとカードを胸ポケットから出して構える。ベルモは、気付いていない。


この時、横腹の対応していればと後で後悔する事になるのだがそれはまた今度……。

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