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異世界最強の冒険者  作者: 隣の黒猫さん
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話し合い

コンコンとノック音がする。王子は、入れと短く呟くように言うとカママス……いや、ギルドマスターが入ってくる。そして、大地を見てから。


「まったく、いろいろやらかしてるようねん。」


「いや、俺のせいじゃないだろ。」


思わずツッコミを入れて、ハッとして後ろを見るとルクフォードとドミアが温かい目で見ている。


「今回、薬草の件で国王陛下からキルドに貴方をAランク冒険者として扱うように命令を受けたわ。ちなみに、貴方が何と言おうと拒否権は無いわ。それで、今度は何に巻き込まれてるのん?」


「王子の呪いが、解けなかったからどうするか賢者ルクフォード様を含めて知恵のある方々に聞こうと思ってな。ドミアも、そう思うだろ?」


元気よく、励ますように話を振る。ドミアは、その優しさに感謝しながら頷く。


「はい、ギルマスにも考えてほしいのですが。」


「良いわよん。そのかわり、大地はこのギルドカードをちゃんと受け取る事が条件ねん。」


ううっ……、そう来たか。王子とルクフォード、そしてドミアの視線を受けて折れる大地。


「ああ、わかったよ。分かりました……。」


凄く、嫌々ギルドカードを受け取りステータスウィンドウに入れる。深くため息をつき、半ば睨みつけるようにカママスを見るが無視される。


「えっと、何かごめんね。」


「いや、別に良い。ただ、俺は縛られるのが嫌いだ。冒険者は、上に行けば行くほど縛られる事が多い。まぁ、貴族を相手にすることがあるし。」


本当に申し訳なさそうな、ドミアにため息交じりに苦笑を浮かべて気にするなとばかりに言う。


「あなた、国を出るのなら気を付けなさいん。」


「分かってるよ……。」


少し、頭が痛そうに言う。


「どうしてですか?」


ドミアは、何故に大地がそんな表情をするのか分からないので周りを見ながら思わず言う。すると、王子が苦笑する。ルクフォードは、心配そうに大地を見てからドミアを見る。そして、ため息交じりに王子が説明の意味もこめて大地を見て言う。もちろん、大地は理解しているのだが。


「たぶん、大地を自分の駒として招き入れるための布石じゃないかな?まぁ、追われる身になるだろね。君ほどの戦力、あの人が見逃せるとは思わない。だから、全力で逃げてね。」


青ざめて、機械音のようにギギギギギッと大地を見て泣きそうな表情で謝る。


「そんな、ごめんなさい。」


「いや、俺もここまでなるとは思わなかった。これは、俺の判断ミスみたいなもんだから気にするな。さて、それより王子のことだ。」


「でも!」


やれやれとばかりに、苦笑すると真剣な表情をして子供をいさめるように言う。


「ドミア、お前の主は誰だ?」


「クリス第3王子てす。」


「その王子が、呪いで苦しんでるんだ。お前がすべき事は、俺を心配する事じゃ無いだろ?」


「………。」


「主と認めたなら、その主を最優先するのが当たり前だろ。それに、お前に心配されるほど俺は柔じゃ無いぞ。さて、話を戻すぞ。」


暢気に、心配させないように笑顔で言う。王子とルクフォードは、暫く大地を見ていたが何も言わずに話に戻っていく。ギルマスも、ため息つく。


「それで、賢者ルクフォード様なら何か知らないんですか?この呪いを、解く方法を……。」


「あの大地君、敬語はやめてくれるかな?君は、タメ語の方が似合ってる。あと残念だけど、ここまで呪いが体に染み付いてしまっては僕でも無理だ。無理して解けば、死ぬと思うよ。」


「なるほどな。ギルマスは、何か無いのか?」


「そうねん。あっ、叶え人の神話を知っているかしらん。伝説の神話なのだけど。」


ドミアと大地は、首を傾げルクフォードと王子は希望に目を輝かせる。ギルマスは、頷く。


「内容的には、古の時代に神王が自分の血と髪の毛で子供を作ったのん。そして、その子は神の子として生命の樹の守護神セフィロトと龍神アルファトメデスに守られ生きていた。そこの場所を、人々は聖域と呼び不可侵を守っていたわん。けれども、力の強い者はどの時代にも居たの。その聖域は、焼き払われてしまったわん。それを撃退したのは、神の子であるジェノイアよ。そして、それを止めに来た騎士の男にこう言ったとされるのん。『汝の望みを叶えてやろう。私に、告げるが良い。金か?力か?女か?好きな願いを叶えてやろう。お前には、心から感謝しているのだ。』てね。でも、その後にジェノイアは異世界人に殺されてしまうのよん。でも、魂は異世界へ飛んでいき魂の契約者を探しているらしいわん。」


聞き終えて思う。俺はジェノイアとか言う奴と、その魂の契約とかしたのか?


『今の話からすると、そう言う事になるな。』


『でも、その力を使うのはなしだ。今なら、制限(リミッター)をはずせば治せるしな。』


「でも、それだと異世界人からジェノイアと契約した人を探さないといけないよね。」


「確かに、難しいんじゃないかな。」


真剣に、2人が言う。俺も、頷いて同意しとく。


「そんな……。」


「取りあえず、もっとみんなで話しましょ。」


「我らを無視して、会話するとは何事だ!」


貴族達は、妨害のために怒鳴ってくる。


「黙れ……。」


大地は、言霊の魔法を使い言う。


「それは、言霊かい?珍しい、魔法だね。」


「まぁな、それより考えるぞ。」


そう言って、邪魔者に警戒しながらも考えるのであった。そして、出た答えは……。


「取りあえず、探してみるか。」


「だね。僕は、他の賢者達に聞いてみる。」


「僕も、同じ騎士の異世界人達に聞いてみますね。王子は、休まれてください。」


「分かってるよ。あと、大地。」


「何でしょう、クリス第3王子。」


「公の場以外は、敬語は無しでお願いね。」


少し、茶目っ気ぎみに笑って言う。


「お断りします。」


「えー、何でよ。ルクフォードは、良くって僕は駄目とか意地悪ぅー!」


皆笑う。貴族達は、大地を睨みつけている。やれやれ、貴族達はこちらに引きつけたし俺に攻撃しても王子にはしてこないだろう。後は、信次がどう動くかだな。王子を、暗殺しようとするかもなぁ~。あー、面倒くさい……。

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