8.赤魚の解説
仕事&仲間探しに出た二人
いろいろな事を教えてもらって結構ためになってる。
初の仕事までもう少し。
朝食を食べ終え、部屋の片付けも済んで、俺とサーモンは丸いテーブルを囲んだ。
何やら地図を書いてきたサーモン。画力の無さが丸わかり。
「これ札幌の戦士のいる大体の地図な」
「これが何かしたの?」
「馬鹿なのかわからないけど、集まる所しか仕事に出ない人が多い」
「…うん」
すると、サーモンはテーブルをバン、と叩く。
「実を言うと、人が集まらない区域の方がモンスターが多い」
「うん」
「だから俺らは名の知れてない区域へ行く!」
「そうか」
「反応薄くない?もっとすげーとか感心しろよ!何で人が少ない地域にモンスターが多いとか気になるっしょ?」
「.....それもそうか」
「こんの~。カイザは興味感心なさすぎる」
確かに興味感心ないわ。未だにモンスターいるって信じられないもので。
「普通人喰うために人の多い場所に訪れるって思われてるけどさ、何でか北海道のモンスターは違うみたいで。もちろん人は喰うけど」
サーモンは携帯を取り出し、何やら写真を見せてきた。
「これ見てよ。このでかい物体」
そこに写ってるのは、完全に住処とされてる村?血が散らばっており、骨も見られる。見る人によっては吐き気を覚えるのではないかというくらいのグロイ写真だ。
「この悲惨な村を助けたいよな?」
「助けられるなら」
「俺はここを取り戻すべく、この鬼レベルのモンスターを倒すくらいの力を得て、村を取り戻したい」
「レベル…?」
「あ、レベルは俺が勝手に決めた」
何だよ。お前の勝手な偏見じゃあてにならないじゃん。
「倒せるようになるには、弱いモンスターから倒せるようになってからなんだよ。でも、俺は初期モンスターは余裕で倒せるはずだからさ~」
「え、その自信どっから湧き出てくるの」
「いや、だってハンターの資格持ってるんだよ?それなりにできないとさ」
そう言うと、サーモンは立ち上がった。
「ほら、カイザ。準備するよ」
「もう行くのかよ…」
「今行かなかったらいついくんだよ」
渋々立ち上がり、準備に入る。
準備って言ったって、戦闘服着て弓を持ってバッグを持って…とりあえず簡単。
先に終えた俺は、家の前で待つ。
そういや、今って何月。
ふとした疑問。年がわかっても月日がわからないんじゃ笑われもんだ。
時計に書いてるのかと思い、見てみても時間しか書いていない。今更サーモンに聞くのも馬鹿にされそうで嫌なので聞かない。
日常を普通に過ごせばわかるかな。
それを期待して、考えるのをやめた。
今頃学校どうなってるかな。俺がいなくなったところで何も変わらないけど。
親はどうしてるだろ。ってか、俺自身はどうなってんの。寝てるのか、本当にいないのか。
ガチで謎。
「おぉ、カイザもういたのか。待たせたな」
「遅いわ」
「すまそ。じゃあ早速行こうぜ相棒」
家の鍵をかけてこの場を去る。
今から向かうのは札幌市で人口が少ない方の、清田区へ行くらしい。少ないと言っても40万は越えてるけど。
「札幌着いたら、お仲間探しも兼ねておくれよ」
「え、お前が探してくれないかな」
「ちょっと。全て俺に任せちゃうのかよ」
「俺コミュ障」
「そんなの理由にならないし!」
話し掛けるのも困難な俺にどうしろと言うんだコイツは。しかも現役バリバリの戦士とか、死んでも話したくないわ。
「俺が誘ったら断られそうだしさぁ」
「お前の誘い方にも問題あるだろ。いきなりチームにならないか?って、驚くわ。いきなりすぎる」
「じゃあどうやって誘うんだよー」
「前置きを入れつつ」
「お前がやってみろよぉー」
「無理」
「このっ」
自分で言ってみても、実際できる自信なし。口だけじゃ駄目なんだよな。
「サーモンの理想のチーム構成とかあるの?」
「俺の理想かぁ。ハーレム」
「死ね」
「えぇ?何で!ってか嘘だけどね!」
俺ハーレム苦手なんだよなぁ。
この事友人に言ったら、男としてどうなのそれって言われたし。意味わからん。
「理想はねぇ。お前みたいな内気なヤツは実は強すぎて、モンスターも弱そうに見られてるお前を狙ってー、でもお前は強いからそれなりの攻撃も避けられるからそのまま囮になって、後ろから俺が攻撃的な。後は、接近武器持ってる有能なヤツが欲しいね」
「俺はいつから強くなったんだ」
「いやでも、お前強そうだけどな」
嬉しいけど、強“そう”って言ってるだけであって絶対ではない。
俺何やっても普通より上はいけない気がする。中の下か。それ以下か。
「強くなれたらいいけどな」
「着いたぞきよちゃんのところへ!」
「きよちゃん?」
「清田区のきよちゃん」
「あっそう」
聞いといてなんだが、くだらなくて興味なかった。
「塩対応…。まぁいいや。戦士専用の受託所があるからさ、そこ行こうか」
「そんなのあるの?」
「うん、戦士が往き来するんだわ」
さすがは都会。人通りが多い。
人混みの中を歩く中、意味がわからない歌が聴こえてきた。
「イケメン戦士、イケメン戦士 我らはイケメン最強戦士~♪」
「ちょっとサーモン。恥ずかしいからやめてくれないかね」
何でそう恥も知らずに堂々と歌を口ずさむの。しかもたくさんの人の中で。アホなんじゃないの。
「カイザだって歌うことくらいするっしょや」
「いや、歌わないけど」
「はぁー?歌わないの?鼻歌も?」
「うん」
「お前は何なの!」
何なのって人間だし。いや、今は人間じゃないか。…いやいや、人間だわ。どう見ても人間でした。
「ここだここ!受託所」
「ちっせぇ」
「無駄に大きくても邪魔らしいよん」
「ふぅん」
中へ入ってみると本当に小さい。受け付けに待ち合い椅子と、このくらいしかない。…おっと、掲示板もある。ここから受注して受け付けに見せるのか。
ますますゲームっぽいけど、ここ絶対ゲームじゃないよな。
「カイザどれにする?」
「え…逆に何がいいのさ」
「うーん。カイザの実力知らないから~…とりあえずこの赤竜を倒しに行くか」
サーモンが手にしたのは、手書きの依頼書。ここの住人が被害に合ってるそう。
場所を見てみれば、札幌ですらない。
「…ねぇ、竜って強いんじゃないの」
「いいや、赤竜は赤ちゃんだよ。大人は確か…赤神竜?だっけ。とある外国の赤の国の守護神的な存在」
「外国に赤の国ってあんのか」
「うん、名前覚えてないけど。つーか、うん、全部の国の名前うろ覚え」
「え?ヤバくない?」
「そうかなー、ほとんどの人国名覚えてないよ」
サーモンはそう言って、依頼書を受け付けに渡しに行った。
国名って、アメリカとか中国とかじゃないって事になるのか?日本は日本なのに。…いや、日本って名前じゃないのかも。聞いたことないからわからないけど。
「カイザ行くぞー」
「ほーい」
初の仕事。無事終わらせる事ができれば幸いだ。
某ラノベのストーリーに似てる気がした。パクりだパクりだ、言われたらどーしよ、原作読んだことないからわからないけど!
まぁ、それは気にせず
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