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この謎多き異世界で  作者: いくよ
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4.仲間になる予定

仲間になれと突然言われて困惑する主人公。けど、どこかで嬉しく思う自分だっている。

仲間になるのに条件付きで申し出ると、オッケーをもらった。主人公のある日突然できた目的を達成するために協力してくれるそう。

地元民らしいので、頼りになるに違いない。この人なら、いいチームを組めそうだと。

「俺と組んでくれないか!」


 こんなこと言ってきたけど、正気なのか。絶対この人俺の事しらないのに。初心者狩りか、そんなクズみたいなことして何が楽しい。


「あの、さっきから情報が足りなさすぎる」

「へ?」


 そうだ、自分で言ったけど本当に情報が足りない。初っ端からぶっぱなして、今に至ってるのに。


「何、チームって。何なの?説明してくれないとわからないんですけど!?」

「おぉぅ、ソーリーソーリー、ヒゲソーリー」

「......」

「サーセン」


 軽いジョークなど聞いてられなかった。今の俺はイライラマックスに近い。

 そのイライラを初対面の若い男にぶつけてしまってる俺も小さいなと思ってしまうが。


「知らないのかぁ、初心者か。初心者でもわかってほしかったな~。チームを組めばもちろん一緒に行動できるんだけど、チームを組まないとできないお仕事があってだね…そのお仕事はお金ががっぽがっぽ入るからやってみたいな~と思って」

「へぇ…」


 チーム組まないとできない仕事って何なのか想像がつかないが、仲間がいれば俺も安心できる。何せ、一人じゃ何もできないクズだから。


「俺さ、いずれチーム組んで楽しくやりたいな~と思って、家を建てたんだよ!俺の理想は3人で活動する事なんだけどさ、どう?」

「えっと…」


 ここはオーケーしたいところだが、果たしてこの人を信用していいのか。

 俺はオーケーしたい。したいんだけど…、


「あっ、じゃあ。俺の用事に付き合ってくれませんかね。話はそこから」

「なになに?」


 交換条件をつけてみる。ただ「いいよ」と言って騙されるのも嫌だから、こういう条件付きで付き合ってくれるかどうかも重要かなと。


 相手は興味深々みたいなので、内容を話す。

 全てを話し終えた。


「ほう、地元に帰りたいとねぇ。いいよ、俺この町出身だし、バスとか電車とか交通機関は知り尽くしてるつもり」

「本当!?」

「おう、チーム組んでくれるなら何でもする」

「ありがとうございます!」


 ヤバい、俺最高にラッキーじゃん。

 こんな偶然な事って滅多にない気がする。


「ってな事で、お前は今からタメで話せ。チームだから、堅苦しいのはごめんだ」

「まだチームと決めたわけじゃないけど…。タメで話させてもらうよ」


 よし、行こうと言いかけたその時、


「なぁ、自己紹介しようぜ。お互いの名前知らないで今後どうやって仲良くすれってんだよ」

「あぁ、そうか」


 自己紹介を忘れていた。俺はいつもそうだ、名前を聞こうともしないので、クラスの人達に「名前は?」ってよく聞かれる。この癖はいつになったら直るのか。


「俺はサーモンの刺身って言うんだよ」

「…ん?」

「サーモンの刺身!」

「マジで言ってんの?」


 ネーミングセンスを疑うわ。そして、思わず聞き返してしまったし。

 何でそんな名前にしたんだろう。呼びにくいったらありゃしない。


「マジマジ。サーモンって呼べばいいからさ」

「さ、サーモンね。よろしく。俺はカイザ」

「かっくいー名前だな!よろしく」


 サーモンの刺身以上の名前は存在するのか、いなさそうにも思える。


 …あれ、サーモンの刺身ってつけてるって事は、こいつも俺と同じくあのナビゲーターに会ったのか。ここの住人ってわけでもないのか。

 こいつなら何か知ってるのか…?


 あ、でも。この町出身って言ってたから違うのか?…ヤバい、頭ん中混乱するわ。


 詳しいこと聞きたいが、今は地元に帰るのが先だろうし、それに聞くのなんていつでもできるから、後回しにした。


「さてと、室蘭へ行こうか。電車よりバスの方が安いんだよねぇ」

「そうなんだ」

「なぜかは知らないぞ」

「うん」


 俺は黙ってサーモンに付いていく。俺がデシャバったところで何にもわからないのだから。


「ねーねー、カイザ」

「ん?」

「弓って使いやすい?」

「使いやすいと言われても…昨日1回使ったくらいだし、わからないよ」

「あら、カイザって昨日始めたばかりなのか!なんだなんだ」


 始めたって、俺の意思で始めたわけでもないのだけど。


「俺は銃を扱ってるんだぜ?今マント着てるから見えないけど背中にスナイパー背負ってるし、腿にはショットガンとハンドガンを付けて、肩にはマシンガンを紐で掛けてるし」

「すごいな…」


 確かに言われてみれば、マントが凹凸してる。気になるほど目立ってはいないが。


「始めて何年経つの?」

「うーん、1年経ったか経たないかくらい」

「ベテラン?」

「ベテラン…までは達してないかな。そこそこ上手くやってると思いたい」


 今、普段何をしてるか聞いた方がすっきりするかな。聞いてみるとしよう。


「ねぇ、普段って何をしてるの?」

「普段?普段はねぇ、人助けしたり狩猟したり。お前と組んだらモンスターとか倒してみたいなって」

「も、モンスター…?」

「うん。モンスターとかダメ系?」

「いや、本当にいるのかなって」

「いるよ~、そりゃあ。違う星から降ってきたっていう馬鹿げた言い伝えがあるんだけどさ、実際どうやって地球に来たのかわかってないんだってね。今解析中らしいよ」


 喋りながら頭に手を置き、指先だけで組む。

 腕が上がったので、マントも上に上がる。マントに隠れてた武器達が姿を見せた。


「うわぁ、銃すごいね」

「でしょでしょ!これ俺の好きな銃を集めたものでさぁ。特にこれ、AK47!1947年に登場したAKシリーズの最初の制式モデルなんだよ」

「よく知ってるね~。AK47自体は知ってたけど」

「サバゲーとかやる感じ?」

「うん」

「うぇーい」


 急にハイタッチを要求してきたのでそれに答える。


「サバゲー楽しいよなぁ、すげー楽しい。.......あ、バス停見えてきたわ。あそこ乗れるか確認しようぜ」


 小走りでバス停へ向かう。

 時刻表を見てみると、それなりに本数があるようだ。


「うーんと、小樽運河ターミナル行きが一番妥当…。おっ、今8時だよね?」

「えっ、あ、うん」


 もうそんな時間か。ホテル出てから今まで約1時間も費やしていたとは。


「16分があるからこれ乗ろう」

「もう少しじゃん」


 あまり待つことなくバスに乗れるのはかなり嬉しい。満員だったら別だけど。

 8時だから怪しいっちゃ怪しいかな。


「おっ、来た来たー」


 白が基本の色のバスだ。恥ずかしい事に、最近まで全国のバスの色は同じだと思っていた。本当に馬鹿だった。


「若干混んでるけど、後ろの方は座れそうだぞ」

「後ろ行こう」


 前の方は既に人が立っている状態。後ろの席に座らない人が多いのはなぜなのだろうか。


「カイザ、お金持ってるの?」

「うん、最初に5万貰ってさ、人助けしたらプラス2万も貰って。運がいいなぁと思ったよ」

「へぇ~、すげー金持ちじゃん」

「けど、7000円飛んだけどね」

「なして?」

「ホテルに泊まったんだ」

「なるほど」


 雑談を楽しくして、気付けば終点へ。1時間もかからずに着いたので、この調子でいけば暗くなる前に着けそうな気がした。


「俺バス時見てくるから椅子に座ってて~」

「ありがとう」


 すごい気の効くやつだなぁ。こいつとならチーム組んでも心配なさそうな気がする。


 すると、サーモンが帰ってきた。


「今8時でしょ~、んで、次のバスは1時なんだけど~…」

「嘘!?」

「新千歳空港までのバス少ないね。せっかくだからさ、小樽にしかない観光名所でも行こうぜ。運河へ!」

「あぁ、運河!行こう行こう」


 息抜きも込みで観光地を回ることに。ガイド役はサーモンがしてくれるらしい。


 北海道でも有名であろう小樽運河は、宿泊研修などでささっと行ったぐらいだから、改めて回れば面白さが増すと思う。


 俺とサーモンは運河へ向かった。

あらすじでネタバレしてそうな…。

あらすじって何なの、自分には無理っすね

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