3.第一難関突破
内気すぎる主人公はホテルを発見
おばあちゃんに感謝しつつ、泊まる。
バス停探しに出ると声を掛けられて…
おばあちゃんに言われた通り、この道を真っ直ぐ進んで10分経過。まだ店が見えない。
店は見えないけど、人通りは多くなってきた。そろそろと思っていいのだろうか。
俺みたいに武器を持ってる人が見当たらない。何か浮いてる感じがして落ち着かないでいる。
「遠征ですか?ご苦労様」
「え」
歩いてる途中、横からおばさんが言ってきた。
「この町はさぁ、札幌の隣なのにあなたみたいな戦士がいなくていなくて…。いてくれて助かりますわ」
「いない…んですか?」
「そうなの。不思議よね」
会釈しておばさんは去って行った。
小樽には俺みたいな仲間達がいないのは何故なのか、俺にはわかるわけないんだけど、札幌には集中してるってことになるわけけだ。
いない=平和っていう解釈をすれば、別にいなくても支障はないような…。いやでも、いた方が安心感はあるだろうか。俺は頼りにならないけど。
今は難しい事は考えたくないので、宿泊先探しに集中する。
歩いていると、目先には一際目立つ一軒の高い建物が見えてきた。看板も目に入ったので見てみると、『サンホテル』と書いてあった。
早速ホテル発見!
テンションが上がったので、急ぎ足でそのホテルへ向かう。ホテル代が高くなければいいんだが。
自動ドアを潜ると、すっごい綺麗な内装に目が引かれる。ベージュが主な色となっており、天井を見上げればシャンデリアがたっくさん。場違いかと思うほど。
次に受付へ向かうわけだが、無事に受け答えできるか不安。一人で遠出やらなんやらはしたことがなく、全てを親に任せていたわけだから、今から大人への第一歩を踏み出す的なわくわく感が全く感じられない一歩を踏み出そうとしている。
「いらっしゃいませ、お一人でしょうか?」
カウンターの女性が俺の存在に気付いてくれたので、声を掛けてくれた。とりあえず、第一の難関は突破。
「お一人なんですけど…宿泊代はおいくらで」
「お夕飯込みで7000円となっております。なお、朝食は抜いておりますが」
「おぉ、それなら払える…。お願いします」
俺は7000円を差し出す。カウンターの女性はお金を受け取って、部屋の鍵を渡してきた。ついでに、夜ご飯の説明も済ませて、俺は部屋へ向かう。
朝飯がなくても買っていけばなんとかなる。早朝に室蘭へ向かうという方針で行くとしよう。
俺は部屋に着くと、真っ先にベッドへ飛び込んだ。
もう動きたくない。腹が減ってるけど、別に食わなくても大丈夫そう。でも、食べないとお金の無駄だし。
そんなこんな考えているうちに、俺は寝てしまった。
…・・°¨:¨°・・…・・°¨:¨°・・…。
目が覚めた頃には、いつの間にか外が暗くなっていた。時計を見てみれば午後6時を過ぎていた。暗くなるの早いなぁと思いながら起き上がる。
確か夕飯の時間は午後7時だったので、まだ余裕がある。テレビをつけて暇潰し。
今更ながら、一人で地元まで帰るのに緊張してきた。今まで何とかなると思っていたのだが、もしもの事を考えてしまえば行く気すら失せてくる。
しかし、行くと決めたんだから行くしかない。難関は突破できているのだから。
そんな心配をしてるうちに、あっという間に7時を迎えてしまった。こういう時に限って時間経つの早いんだから。
…・・°¨:¨°・・…・・°¨:¨°・・…。
緊張してたにも関わらず、きちんと睡眠は取れた。
時計を見てみると、午前7時。まぁ、丁度いい時間なんじゃないかと思う。
脱いだ服を再び着直して、いざホテルの外へ。
出口の両端にいたスタッフさんに、「ありがとうございました」と一言言われ、俺は一礼。
外へ出てみれば、久しぶりに外の空気を吸った気でいる。
さて、ここからどうしたものか。バスで移動することに決めたのはいいが、バス停がどこにあるのかわからない。
この狭い通りを通るのはまずあり得ないので、道路を探す。
ターミナルさえ見付かれば楽なんだけどなぁ。
そんな都合の良いことはないと思ったので、黙って探す。
見たこともない地を歩いていて、不安が募るばかり。不安が吹き飛ぶ事などないだろう。
真っ直ぐ歩いていてもらちが明かないだろうと思い、途中で曲がってみた。
よーく見てみれば、車が走ってるような感じもしなくもない。期待して、ペースアップして行ってみる。
「わっ」
「うわぁ!?」
突如後ろから肩をポンと叩いてきた。おまけに声まで掛けてきて。心臓が止まるかと思った。
「オッス、弓使いさん」
「........」
驚きすぎて声が出てこない。目の前には、赤い髪の毛の色をした、俺的にイケメンに属するチャラチャラしてそうな男の人。ハチマキ?がすごい似合っている。
「大丈夫かい?顔がすごいことになってるよ」
「…え、あぁ。ごめんなさい」
声を掛けてくれたのはありがたいのだけど、俺になんの用が…。
「君さ、今誰ともチーム組んでないよね?」
「はい…」
「俺と組んでくれないか!」
「は?」
突然何言い出すんだこの人は。全っ然話が読み込めない。
毎回あらすじ考えるのに時間かかる…