レッテル貼りは奴隷の首輪
今回はかなり物語の確信に近づいてきました
武士はヤスケの話しを聞いたあと、祭童の元へ向かった。秋葉原の駅から陸橋を越えて、裏通りに行き、そこからラーメン屋の廃墟の裏を通って表通りに出る。そこに手に槍を持ち馬に乗った祭童がいた。
「おーい!」
武士は手を振る。すると、馬に乗った祭童はものすごい勢いで武士の方へ馬を走らせ突進してくる。
よく見るといつもと服装が違う。
「あんだ、てめえ、私に何か文句でもあんのか、あ?」
近くで見ると祭童ではなかった。顔立ちや背格好は似ているが目つきが若干鋭いし、髪の毛を後ろで束ねていて祭童の髪型とも違う。
「あの、どちら様で?」
「あ?てめえ、ガンつけといて、どちら様だ?この千秋忠子をしらねえってのか、あ?」
ものすごく柄が悪い。思い出した。秋葉原の西にある大きな神社の不良娘だった。腕っ節が強くて、かつては周囲から一目おかれていたが、オタのダークサイドが出てきてからめっきり出番がなくなってぐれてしまったと聞く。
「あ?てめえ、祭童のお気に入りの武士だな、こいつ、私がオタソード使えねえからって馬鹿にしてんのか?あ?」
「馬鹿になんてしてませんって」
「いや、私のこと呼んだじゃねえか、弱いと思って挑発してんのか?やってやんよ、勝負だ!」
叫びながら千秋が槍をくりだしてくる。
「うわっ」
驚いた武士は思わず目をつぶって手のひらをかざして防御しようとした。すると、そこからオタソードが飛び出し、槍を焼ききって千秋の顔をかすめた」
「うわっ」
驚いて避けた千秋は馬から落ちる。
「大丈夫ですか」
武士は駆け寄ろうとする。
「よるな!お前に私の気持が分かるか!いままでずっと周囲から尊敬されて、姉さん、姉さんって言われてたのによ、お前らが来たせいで、誰もよってこなくなった。お前らさえいなかったらっ!」
武士は立ち止まった。その気持はなんとなく分かった。武士だって前にいた世界では何度投稿小説に出しても一時落ちだった。前が見えなかった。努力しても、努力しても一次落ち。何度やっても一時落ち。周囲で投稿してる子で、一度も一次落ちしたことがない子がいて、マトモに字がかけたら絶対に一時落ちなんてしませんよ、って言ってた。それを聞いて何ども発作的に電車に飛び込みそうになって、必死に駅の鉄柱にしがみついていた。悲しかった、惨めだった。目の前が真っ暗だった。何回出しても何十回出しても全部一時落ち。本当に気が狂いそうだった。
「その気持……わかりますよ」
「何が分かるんだよっ!あっちいけ!いけよ!」
千秋が大声で怒鳴った。
「……ごめん」
武士はすごすごとその場を立ち去った。そして祭童元へ向かった。
祭童は神田川ぞいを御茶ノ水から坂を馬で駆け下りてくる途中だった。武士を見ると馬を走らせて近づいてくる。
「どうした?」
いつもながら屈託の無い笑顔を武士に向けた。
「あの、千秋さんを傷つけてしまったみたいで……」
「そうか、あいつは責任感が強い性格だからな。無理をしすぎて自分を責めるタイプなんだ。お前が守ってやってくれ」
「そんな……ボクにはなにも」
「いや、お前の優しさは我らにとってかけがえの無いものなのだぞ。お前はみんなから必要とされている。そのことを理解しろ」
「はい……」
そこに素早く甲賀長門が走りよってくる。
「祭童様、都庁軍を弱体化させるカウンタープロパガンダとして服部平蔵をさしむけました。決裁書にサインを」
「うむ」
甲賀が差し出した書類に祭童がサインする。
「時に武士よ、お前、ヤスケに会いにいっていたそうだな、どうだった」
「あ、はい、それが、よく仰っていることが分からなくて」
「ならば、韓国人経済学者、ハジュン・チャンの世界経済を破綻させる23の嘘を読むがよかろう。ハジュン・チャンは世界を支配する1%の富豪の支配構造の洗脳レトリックを分析し、その嘘を論破して世界に公表した学者だ。欧米でもっとも優れた経済学者の一人として高く評価されており、本来であれば、ノーベル経済学賞を受賞してもおかしくない逸材であった。だが、財閥にとって不利益になる彼の存在を韓国政府もマスコミも黙殺し、彼の存在は消された。もし、政府をあげて彼の存在をアピールしていれば韓国史に名を残す偉人となっていたであろうに」
「あの、祭童さん、あなたは右翼であり、韓国が嫌いなんじゃないんですか?」
「ははははは、まだそんな事を言っているのか。その考え方が日本をこんなに無茶苦茶にしたのだ。何故、お前ら平成前期の人間はすぐ、人間に右翼、左翼、オタク、ニートなんてレッテルを貼るのか分かっているか?それは、自分の頭で考えたくない奴隷だからだ。奴隷は頭をつかわなくて、上から言われたレッテルを信じ込む。レッテル貼りは奴隷の首輪だ。自分にとっては何の恨みもない赤の他人が、自分を支配するご主人様にとって都合が悪いからって、自分には何の利益にもならないのに、恨みを買ってまで攻撃する。お前は右翼ですよ、左翼を攻撃しなさい、お前は左翼ですよ右翼を攻撃しなさい、お前は労働者ですが、お前の下にオタクやニートがいますよ、ヤツラをいじめてウサをはらしなさい、決して支配者に疑問を持ってはいけません。そうやって、自分の頭で考えることを封じられ、自分たちが破滅の淵に立っていることすら気づかず、笑いながら地獄の坩堝の中に飛び込んでいって、破滅して言ったいったのだ。その考え方を今すぐやめろ。韓国人でも優れた者からは学べ。韓国人でも友好的な者には友好的に接しろ。反対に、日本の政治家どもは相手がいくら攻撃してきても、高圧的な者に対しては土下座し、服従し、絶対逆らわず、国民を生贄として差出し、地獄に突き落とした。こいつらも、自分たちを支配する
巨大権力には徹底的に服従し、自分の全財産を貢ぐことが使命だと洗脳されていたのだ。そして、日本の国を
無茶苦茶にした。友好的な者には友好的に、敵対的な者には敵対的に。敵対的な者が困っていても、無視する。絶対に助けない。そんな、世界では当たり前のことをやらず、友好的な者を見殺しにし、敵対的な者を助け続けたから、このざまなのだ。お前に望むことは、自分の頭で当たり前に考えて、当たり前に行動しろ。相手が右翼だろうが、左翼だろうが、オタクだろうが、ニートだろうが、障碍者だろうが差別するな。同等に扱え。同等に笑い、同等に泣き、同等に助け、そして攻撃してきたら、同等に戦え。それでいいのだ」
「はい」
「ほんと、お前は素直ないい奴だなあ、素直は好きだぞ!」
祭童はそう言うと馬から飛び降り、武士のクビに抱きついた。武士の顔が祭童の胸の谷間に埋まる。武士の顔が真っ赤になった。
「う、うわっ」
武士は慌てて飛びのいた。
祭童はスタイルがいいです。




