少女の目覚め
初めまして、アドバンと申します。
初投稿にして処女作にございます。そのため、と言い訳になってしまうのですがいろいろと不備があると思いますのでご容赦ください。
文章力、発想力、構成力とどれをとっても他のライターさんには遠く及びませんが、どうか最後までお付き合い頂けたらと思います。
あと、批評酷評でも何でもいいので、コメントをいただけると幸いです。
強い耳鳴りが脳裏を叩き、少女は目を覚ました。
頭がひどく痛み、横になっているにもかかわらず軽いめまいを感じる。熱でもあるのかと少女は体をベットから引きはがした。
ベットから立ち上がり、少女はようやく目を開ける。
まばゆい光が少女の網膜を刺激し、反射で目を閉じようとするのを必死で阻止しながら、半目で部屋を見渡す。
見渡す先にあったのは、いやあるべきはずは、少女の自室だった。
がしかし、いま少女がいるのは居住歴15年、生まれてから現に至るまでその身を置いてきた住み慣れた家ではない。
どこか、監獄のような部屋。それが今現在少女を収納している部屋空間である。
「ああ、また……ここか……」
自分の状況を理解した少女は、やれやれといった様子で首を振った。
そして次の瞬間、少女は右足を踏み込み、部屋の出口にむかって、全速力で駆けだした。
はたから見れば寝起きの少女がいきなり走り出すという実に奇妙な状況なのだが、少女の表情は真剣そのものである。
出口にたどり着いた少女は、迷うそぶりも見せずドアを蹴り開け、その余波で部屋の外に転がり出る。
刹那、背後の部屋でガン!という鈍い音が響き渡り、何かが起きたことは明白であったが、少女は振り返らず、代わりにドアを閉めた。
少女が転がり出たのは、回廊のような通路である。右と左に続く通路を見れば、その先は永遠と同じ通路が広がり、その先が突き当りなのか、はたまた曲がり角なのかはさっぱり不明である。
一息つく暇もなく、次に少女は床に耳を押し当てた。
これまたはたから見れば、寝起きの少女が全速で部屋を飛び出た後、床にはいつくばるという摩訶不思議な光景なのだが、相も変わらず、少女の眼には強い活力がみなぎり、まるで絶対に負けられない勝負をしているような、そんなツワモノの表情である。
ドン
押し当てた地面から、なにかを落としたような音がした。
ドン ドン
今度は二回、やや広めの間隔で音がした。
ドン ドン ドン ドン
今度は四回。
ドン ドン ドン ドン ドン ドン
「右!」
少女は這いつくばりながら叫んだ。そして公言した方向の逆、左の通路にクラウチングスタートの要領で身を躍らせた。
少女はこの音の正体を知っていた。徐々に短くなる間隔で音がする、それはつまり、何かがこちらに向かってきているということだ。言いつめれば、あの音は足音。
いったいなにが向かってきているのか、それは少女にも定かではなかったが、だがしかし、
追いつかれれば、殺される。
それだけは、変わりようもない事実だということを、少女は知っていた。
「これなら……いける!今日こそは…今日こそは!」
少女は目の色を濃くして、強く拳を握った。
だがしかし、そんな彼女の強気な表情は次の瞬間、砂上の城が如く崩れ去った。
変わって現れたのは、驚愕と、畏怖の表情。
少女は視線を自らの腹部へと落とした。そこには、丁度へその緒のあたりから屹立する、一本の刃が見えた。
ガハッ、と少女は血をふいた。鮮血が床にまきちらされる。蛍光灯の光を受けて真っ赤に光る血が、腹部から流れ出した新たな血によって塗りつぶされていく。それは運命から逃れられない少女の人生に似ている気がして、少女はフッと口元をほころばすのであった。
「…やられた、また今日も。くそが」
憎たらしげに吐いた少女の妄言が、巨大な足音に飲み込まれたのは間もなくである。
設定が曖昧で後から変更されるかもしれません。